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2002年4月の活動
4月5日 衆議院文部科学委員会での加納時男文部科学大臣政務官の答弁
◇場 所:衆議院第17委員会室
1.松野博一衆議院議員(民主、千葉3、当1)からの質問
(子供の理科離れ 等)
2.武山百合子衆議院議員(自由、比例・北関東、当3)からの質問
(TLOとJSTの役割 等)
3.山内惠子衆議院議員(社民、比例・北海道、当1)からの質問
(原子力・エネルギー教育 等)
衆議院 文部科学委員会議録(抄)
平成十四年四月五日(金曜日)
午前九時三十一分開議
出席委員
| 委員長 河村 建夫君 |
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理事 斉藤斗志二君
理事 鈴木 恒夫君
理事 田野瀬良太郎君
理事 平野 博文君
理事 斉藤 鉄夫君 |
理事 増田 敏男君
理事 山谷えり子君
理事 武山百合子君 |
伊藤信太郎君
岡下 信子君
佐藤 勉君
高市 早苗君
谷田 武彦君
馳 浩君
二田 孝治君
松宮 勲君
大石 尚子君
中津川博郷君
藤村 修君
牧野 聖修君
池坊 保子君
佐藤 公治君
児玉 健次君
山内 惠子君 |
小渕 優子君
近藤 基彦君
杉山 憲夫君
谷垣 禎一君
中野 清君
林田 彪君
松野 博一君
森岡 正宏君
後藤 斎君
中野 寛成君
牧 義夫君
山元 勉君
西 博義君
石井 郁子君
中西 績介君 |
| 文部科学大臣 |
遠山 敦子君 |
| 文部科学副大臣 |
青山 丘君 |
| 文部科学副大臣 |
岸田 文雄君 |
| 文部科学大臣政務官 |
池坊 保子君 |
| 文部科学大臣政務官 |
加納 時男君 |
| 政府参考人 (内閣府政策統括官 |
大熊 健司君 |
| 政府参考人 (文部科学省初等中等教育長) |
矢野 重典君 |
| 政府参考人 (文部科学省高等教育局長) |
工藤 智規君 |
| 政府参考人 (文部科学省高等教育局私学部長) |
石川 明君 |
| 政府参考人 (文部科学省科学技術・学術政策局長) |
山元 孝二君 |
| 政府参考人 (文部科学省研究振興局長) |
遠藤 昭雄君 |
| 政府参考人 (文部科学省研究開発局長) |
今村 努君 |
| 政府参考人 (文化庁次長) |
銭谷 眞美君 |
| 文部科学委員会専門員 |
高橋 徳光君 |
委員の異動
四月五日
辞任 補欠選任
谷垣 禎一君 佐藤 勉君
二田 孝治君 森田 健作君
山口 壯君 後藤 斎君
同日
辞任 補欠選任
佐藤 勉君 谷垣 禎一君
後藤 斎君 山口 壯君
三月二十五日
私学助成の抜本的拡充等行き届いた教育に関する請願(久保哲司君紹介)(第一〇六八号)
私学助成の拡充と三十人学級の実現に関する請願(佐藤観樹君紹介)(第一〇六九号)
四月一日
私学助成の抜本的拡充等行き届いた教育に関する請願(大幡基夫君紹介)(第一一九九号)
私学助成の拡充と三十人学級の実現に関する請願(河村たかし君紹介)(第一二〇〇号)
教育費の父母負担軽減、教育予算の大幅増額に関する請願(大幡基夫君紹介)(第一二〇一号) は本委員会に付託された。
三月二十八日
私学助成の抜本的拡充等行き届いた教育に関する請願(第一三六号)、私学の学費値上げ抑制、教育・研究条件の改善、私学助成増額に関する請願(第六七四号)及び同(第六九〇号)は「辻元清美君紹介」を「中川智子君紹介」にそれぞれ訂正された。
本日の会議に付した案件
政府参考人出頭要求に関する件
文部科学行政の基本施策に関する件
○河村委員長 これより会議を開きます。
文部科学行政の基本施策に関する件について調査を進めます。
この際、お諮りいたします。
本件調査のため、本日、政府参考人として内閣府政策統括官大熊健司君、文部科学省初等中等教育局長矢野重典君、高等教育局長工藤智規君、高等教育局私学部長石川明君、科学技術・学術政策局長山元孝二君、研究振興局長遠藤昭雄君、研究開発局長今村努君、文化庁次長銭谷眞美君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○河村委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。
―――――――――――――
○河村委員長 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。松野博一君。
○松野(博)委員 おはようございます。自由民主党の松野博一でございます。
いよいよ新学期がスタートいたしまして、週五日制、そしてゆとり教育と新しい制度にのっとった教育がスタートをするわけであります。この改革が成功して、子供たちにとって有意義な改革であることを念じてやまないわけでありますが、一方で、このゆとり教育に関して、学力低下の面から危惧が指摘をされております。
特に、我が国は科学技術創造立国と宣言をしたわけであります。その中で、理数離れが指摘をされているわけでありますけれども、この理数離れに関しては、さまざまな観点から発言がなされております。
子供たちの学力というのは低下しているんじゃないかという意見、いや低下していないよというような意見もあるわけでありますけれども、この理数離れ、理数系の学力低下という議論に、文部省は、IEAの調査等で成績は国際的にトップクラスである、また国内の過去の統計と比較をしてもおおむね良好である、しかしながら、数学、理科という科目に関して好きだという子供たちが少なくなってきたり、将来、理数系を使う仕事がしたいという子供たちの比率が下がってきている、このことが問題なんだというふうに答えております。
一方で、大学入試センターが国立の九十五大学の学部長に対して調査をしたところ、五〇%を超える学部長が新入生の学力が低下をしてきているというような指摘をしておりますし、大学の教育現場、高校の教育現場にある方々から、実感として、子供たちの学力低下、特に理数系の学力低下が指摘をされておりますけれども、現在、文部科学省としては、この子供たちの理数系の学力低下の問題、意識変化の問題をどう分析、整理をされておるかについて質問をさせていただきたいと思います。
○矢野政府参考人 学力の問題でございますけれども、OECDやIEAが実施いたしました国際比較調査の結果によりますれば、我が国の児童生徒の理科、数学におきます知識や技能の習得の状況、またそれを活用する面では、国際的に見て上位に位置しているわけでございまして、全体として、私ども、おおむね良好であるというふうに考えているところでございます。
その一方で、委員御指摘のとおり、理科が好きであるとか、将来、科学を使う仕事がしたいとする者の割合、あるいは宿題や自分の勉強する時間を見てみますと、国際的に見て最も低いレベルであるわけでございまして、そういう面で、私どもも学力の面においての課題があるというふうに認識をしているわけでございます。
また、これも御紹介ございましたけれども、大学入試センターが国立大学の学部長を対象に実施いたしました調査では、五五%の学部長が、新入生の学力について、低下している、もしくはやや低下していると答えているわけでございますが、一方で、四〇%が変わりない、さらに、五%が上昇している、やや上昇していると答えているわけでございます。また、自主的、主体的に取り組む意欲が低い、さらには、論理的に思考し、それを表現する力が弱いと八割前後の学部長が回答しているわけでございます。
この調査は意識調査でございまして、また大学入学者に限られたものでございますけれども、これらの状況は、先ほど御紹介申し上げました国際比較調査結果や全国的な調査結果と同じような傾向も見受けられるのではないかと考えているわけでございます。
新しい学習指導要領は、このような我が国の児童生徒の学力の状況を踏まえて策定をいたしたものでございまして、基礎、基本を確実に身につけさせ、それをもとにして、みずから学ぶ意欲、思考力、判断力、表現力までも含めた確かな学力を身につけさせることをねらいとしているものでございまして、今後とも、こうした新しい学習指導要領のねらいを真に実現をいたしまして、児童生徒に確かな学力をはぐくむように、私ども努めてまいりたいと考えているところでございます。
○松野(博)委員 学力とは何かという議論というのは、非常にそれぞれの立場、見方によって変わってくることと思いますが、この学力論をやっていますと時間が足りなくなってしまいますので、非常に重要なことでありますけれども、今回は、もう一つの調査結果、子供たちが理科や数学を嫌いになってきている、また理科や数学を将来使ったような仕事につくという興味が薄れてきている、このことに焦点を絞って話を進めさせていただきたいと思います。
そうしますと、一体なぜ、諸外国や国内の過去の調査と比較をして、我が国の現在の子供たちが、理数系を好きではないとする子たちがふえてきているのか。また、統計等を見ますと、小学校の高学年までは八〇%、理科や数学が好きだよと答える子供たちが多いわけでありますけれども、中学生の時点から六〇%を切って、理数系に関する拒否反応がふえてきている。これらの問題を現在どう分析をして、どう対応策をとっているのか、このことについて御質問させていただきたいと思います。
○矢野政府参考人 先ほど御紹介申し上げましたように、国際比較調査の結果で見まして、児童生徒の数学や理科に対する興味や関心が低いこと、また学びへの意欲や学ぶ習慣が必ずしも十分でないことなどから、子供たちが理科や数学に対して知的な関心を持って問題を真剣に考える姿勢が希薄になっているという指摘がなされておりまして、こうしたことが、いわゆる理科離れ、数学離れという問題ではないかと考えているわけでございます。
この原因や、また、今お話にございましたように、御指摘ございましたように、中学生の時点で理科離れが進むかといったようなことにつきましては、これは率直に申し上げて、私ども、きちんとした分析がなされていないところでございますけれども、授業の理解度が学校段階を経るに従いまして全体として下がっていることなどを考えますと、今後のあり方として、学ぶ意欲や知的好奇心、探求心を高めるために、きめ細かな指導を通じて基礎、基本を確実に身につけさせ、みずから学び、みずから考える力を育成することが重要であると思っているところでございまして、特に理科におきましては、観察、実験、また課題学習等の体験的、問題解決的な学習を通じまして、実感を伴った理解を促すなどの取り組みが今後特に必要なのではないかと考えているところでございます。
○松野(博)委員 時間の関係で、通告させていただいた質問が幾つか抜けてしまうかもしれませんけれども、一つ、日本の小学生、中学生の子供たち、児童生徒が理科、数学に関して好きではないということが多い。僕は、その一つの原因に、今、日本の子供たちというのは、科学の進歩、科学というのは人間を幸せにしないんだという意識や、今社会問題になっている、例えば環境の問題、戦争の問題、原子力の問題まで含めて、こういった社会問題というのが科学の進歩に由来をしている、そういった科学に対してネガティブな感情を持つ子供たちが諸外国に比べて高いというデータが出ているわけでありますけれども、このことは日本の子供たちの理数離れの一つの大きな原因になっているのではないかと思いますが、このことに関してはどういうふうな分析をされていますでしょうか。
○加納大臣政務官 日本の子供たちの科学技術認識、ネガティブな感情を持っているのではないかという松野委員の御指摘でございます。おっしゃるとおりの事実があると思います。
例えば、一九九九年に財団法人日本青少年研究所が行った調査がございます。四カ国調査で、日、米、韓国、中国といった四カ国の高校生、中学生に対して、今松野委員が指摘された問題についての比較調査がございました。この結果が発表になっておりますが、例えば、科学が進歩することで人類は幸せになるかという設問がございます。これに対して、典型的な例で申し上げますと、中国では八割の子供たちがイエスと言っております。つまり、科学の進歩で人類は幸せになるというのは中国で八割。一方、日本はどうでしょうか、わずか四割、半分でございます。
子供だけではございません。実は、大人の科学技術あるいは科学的発見に関する関心度というものが、ことしの一月でございますが、私どもの科学技術政策研究所で発表したところがございますが、これを見ますと、大人であっても、やはり科学技術に対する関心度とか理解度は、日本の場合、主要な先進国の中では最も低いランクに入っているということで、委員の御指摘は、子供だけでなく大人もということに実はなっているんじゃないかと思います。
この背景と対策でございますが、二点申し上げたいと思うのは、一つは、なぜこうなっちゃったのか。日本もかつて中国のように夢を持っておりました。今、日本はその夢がないんじゃないだろうか。
夢を実現するのが科学技術でございます。そうやって見ますと、これまで戦後復興から、先進国に追いつき、そして先進国を追い越そう、人生を長く生きよう、長寿化社会を実現しよう、人生を楽しくしよう、暮らしをもっと便利に豊かにしよう、こういう気持ちを持って夢を追い続けてきた、その夢を実現したのが科学技術だ。科学技術の光について、大変大きなポジティブな認識がかつては日本の子供たちにも大人にもあったと思います。
その夢が実現しました。豊かな国になりました。この瞬間に、夢が一つ大きく色があせてきたのではないか。中国は今真っ盛りの成長の最中でございますから、夢が非常に大きく、その実現の担い手としての科学技術に対する信頼が非常に強いのかなとも思います。
だとすると、どうしたらいいのか。やはり私は、新しい夢を描くべきではないだろうかと思っているところでございます。
例えば、発展途上国の方々、まだまだ四十億に近い方々が世界で飢えているわけであります、生命の危険にさらされております。これを救うのも科学技術であり、科学技術創造立国を担う日本の役割だ、そういう大きな夢を青少年に描いてもらうことも大事だろうと思います。
もう一つのポイントは、科学する心の創出だろうと思います。
あと簡単で一分ぐらいで終わりますけれども、科学する心といいますのは、要するに、不思議さとの出会いだと思います。この不思議さとの出会いということがどうも失われてきている。
結論を急ぎますと、これについては、今、新学習指導要領を実施いたします、総合的学習の時間もつくります、こういったことで、理科が大好きな子供たちをつくっていこうということで、我が省としても全力を尽くしてまいりたいと思います。
○松野(博)委員 丁寧にお答えをしていただいて、ありがとうございます。あと十五、六分で三つほど聞かなければいけないので、よろしくお願いをしたいと思いますが、今お話をいただいたような風潮というのはあると思います。
そこで、文部科学省がこの理数離れに対してどういうような対策をとっていくかということでありますけれども、文科省の方も、科学技術・理科大好きプラン等、理数離れに対する対策を講じられておりますし、それぞれに有意義なものであると思いますけれども、私は、一番重要なことは、これは理数離れだけではなく、日本の英語教育にも言えることだと思うんですけれども、最後は決意と気合いの問題ではないかというふうに思います。
科学技術創造立国宣言というのをしまして、科学技術でこれから日本は生きていくんだ、食っていくんだということを宣言したわけでありますが、どうも若干上滑りの感があるな、また、文部科学省が今出している理数離れ対策というのも、どの程度実効性が出てくるのかなというのを心配しているわけであります。
それは、やはり文部科学省の方で、学校の教育現場の先生に関して、日本はこれからも科学技術でいくしかないんだから、生徒にその基礎をしっかりと教え込まなければいけない、こういう決意を持っていただくように指導を徹底した方がいいのではないか。
もう一つは、生徒の側も、これから科学技術を使った職業につかない子供たちでも、科学技術の基礎知識というのを持っていないと、例えば、自分の健康を維持していくだとか、環境問題にどう対応していくのか、こういう活動が阻害をされてしまう。どうしても、二十一世紀、これから生きていく子供たちはこの知識が必要なんだということを生徒自身も認識することが重要ではないかというふうに考えておりますけれども、いかがでしょうか。
○遠山国務大臣 委員御指摘のとおり、日本の今後を考えますと、科学技術そして文化というのが日本の将来を支える柱だと思っておりまして、理数離れが起きているということは本当に大きな問題だと思っております。
これに対応しますには、今政務官からもお話ししましたように、いろいろな方策が考えられるわけでございますけれども、一つは教育内容のあり方、これについては、基礎、基本を厳選した上で、自分で考えるような力をつけていく、そのための方策として、総合的な学習の時間でありますとか、あるいは、実際に自然の中で、いろいろな体験活動を通じながら、自然の不可思議さでありますとか、理科への興味を覚えさせる、そういう学習方法ないし内容の充実の問題が一つございます。
それからもう一つは、今仰せになりましたように、理科大好きプランのようなことも考えておりますし、さらには、やはり私は、先生がみずから、理科が好きあるいは算数が好きという方が、できるだけ学校の現場で子供たちにその情熱を込めながら教えてもらうことが大事ではないかと思っておりまして、時間があれば詳しく御説明はいたしますけれども、教員の資質を高めるための、あるいはすぐれた資質を持っている人たちを小学校にも送っていくというような、そういう施策を今展開しているところでございます。
それからもう一つ、先ほどの政務官からのお話にも出ておりましたけれども、国際的に比較しますと、日本の大人たちも科学についての知識が大変低いわけでございまして、そういう子供を含めた国民の科学技術リテラシーに対してどういうふうにそれを高めていくかということについて、私は大変危機感を持ちました。
そのことを前提にいたしまして、今、加納大臣政務官を座長にいたしまして検討会をつくったところでございまして、いかにしてそういう科学技術のリテラシーを高めるかということについて、今鋭意検討してもらっておりまして、そういう成果も見ながら、今後とも力を尽くしてまいりたいと考えております。
○松野(博)委員 総合学習の時間が理数離れに歯どめをかけるかどうかというのは、私はちょっと異論があるところでありますが、それはまた別の機会にするということにしまして、理数離れ対策をするためには、先ほど申し上げた決意と、もう一つは、やはり指導の仕方の工夫が必要であるというふうに考えるわけであります。
自分自身のことを思いますと、私も理科、数学が嫌いだった生徒でありますが、なぜ数学が嫌いになったのかなと思い返すと、数学の中で、マイナスとマイナスを掛けるとプラスになるという数式がございまして、そのときに、どう考えても、なぜマイナスとマイナスを掛けるとプラスになるのか、このことが理解できなくて、恐る恐る先生に手を挙げて、先生、なぜマイナスとマイナスを掛けるとプラスになるのですかというふうに質問しましたら、先生も恐らくよくわかっていなかったのだと思うのですが、これはもう数学のルールだから覚えろと言われまして、それ以来ずっと、なぜかなと思いつつ、とにかくマイナスとマイナスを掛ければとプラスだというふうにやってきたわけであります。
このことの疑問が解けたのが、それ以来十数年たって、ある数学者のエッセーを読んでいて、それでここで初めて、なぜマイナスとマイナスを掛けるとプラスになるか書いてありまして、目からうろこが落ちる思いで、このことを中学生の当時、先生に教えていただければ、また私も違った人生があったのではないかなというふうに思うわけであります。
理数系の場合といいますのは、歴史等の教科と違いまして、歴史の場合、例えば古墳時代が理解できないから明治時代が理解できないということはないと思いますが、理科、数学は、基礎となる理論というのがわからないと、その後の積み重ねが全部わからないというふうになってくるわけであります。そういった意味で、特に小学校、また中学校の低学年の時点での数学、理科に対する理解を、しっかりと基礎を高めるということが重要だというふうに思います。
その工夫の一例ですけれども、子供たちは理科、数学は嫌いだというふうなデータが出ていても、サイエンスをテーマにしたテレビ番組や映画、小説というのは非常に人気が高いわけでありますし、数学的思考が必要なゲームには一生懸命熱中をしているわけであります。理数教育の教材やシステムに、例えばシナリオライターですとかゲーム作家ですとか、今までの教育分野以外の他分野からノウハウを導入すること、このことも必要なことではないかというふうに思いますが、御所見をお伺いしたいと思います。
○遠山国務大臣 子供たちの興味、関心を引くために、そういういろいろな技術ないし能力を持たれた方の御協力をいただくということ、大変大事だと思っております。科学に関する情報や最先端の研究成果を利用して、児童生徒にわかりやすく理科を教えることができるようなデジタル教材を、専門的な機関を得ながら目下作成しているところでございます。
しかし、そういう興味を引くということも大事でございますが、まさに先生が御指摘になりましたように、基礎、基本をしっかり身につけさせる、そうすると、いろいろな興味も広がっていくわけでございまして、その両様のことを大事にしながらこの問題に対処していくべきかなと考えております。
○松野(博)委員 ぜひ、子供たちが今興味を引きやすいような仕組みの中で、基礎教育というのを徹底していただきたいというふうに思います。
これから科学技術創造立国ということで、日本の産業形態自体が科学に期するところが大きいわけでありますけれども、それ以外の分野でも、これから私どもの生活を考えていくと、科学技術と社会生活というのは不可分であるということが言えると思います。職業として科学技術に携わらない大多数の国民にとっても、日常生活が円滑に行われる、また基本的な人権がしっかりと守られる、尊重されるためには、やはりあるレベルの科学知識というものを広く国民が理解するという状況が必要ではないかというふうに思います。
例えば健康を守る、医療に向かうに当たりましても、今後の医療はバイオテクノロジーという考え方、免疫という考え方、これの基本的なところは理解をしていかなければいけないというふうに思いますし、地域社会の中で問題になっている環境の問題に関しても、いたずらな政治論やイデオロギーではなく、実際の科学的な分析の中でどうこの環境問題に対応していくのか、この基礎知識も議論をしていく上では不可欠になってくると思います。
特に、今後の日本の中心分野、産業分野としても中心になっていくと言われております情報通信の分野、バイオテクノロジーの分野、こういった分野の中で、中学校卒業時もしくは高校卒業時までに、少なくともこのぐらいの最低の基礎知識というのは子供たちに理解をさせていかなければいけない、こういうことを具体的に目標設定をするべきではないか。その方が、学校の教師の側に立ってもわかりやすい目標ができますし、先ほど申し上げましたとおり、子供たちにとりましても、これからはこのことを理解していくということが自分たちの生活にとっても非常に重要なことなんだという意識を喚起することにもつながっていくかと思います。
ぜひ、文部科学省として、このレベルまでは必ずそれぞれの各分野において科学的基礎知識を習得させるのだという目標を具体的にしていただきたいと思いますが、このことに関して御所見をお伺いしたいと思います。
○矢野政府参考人 御指摘のように、知の世紀と言われますこれからの社会にありましては、国民が社会経済活動に関するさまざまな課題について、社会的、合理的、主体的な判断が行えるように、科学技術を理解し活用する力、いわゆる科学技術リテラシーを備えることは極めて重要であると考えます。
このため、学校教育におきましては、将来どの分野に進む生徒に対しましても必要となる基礎的、基本的な事項を確実に身につけさせることが大切でございまして、その具体的な事項につきましては、学習指導要領におきまして教科、科目ごとにその目標や内容を規定しているところでございます。
新しい学習指導要領ではその目標につきまして、例えばでございますけれども、高等学校では、新設されました理科基礎におきまして、科学と人間生活とのかかわりについて理解させ、科学的な見方や考え方を養うこと、さらに新しい教科、情報の中の選択必修科目でございます情報Bにおきましては、コンピューターを効果的に活用するための科学的な考え方や方法を習得させることなどをそれぞれ目標にしているところでございます。
こうしたそれぞれの教科、科目の目標を踏まえまして、学習内容の定着を図ることが何よりも必要かつ大事なことであるわけでございまして、文部科学省といたしましては、学習指導要領に示す目標に照らしまして、その実現の状況を客観的に評価するための評価基準を作成いたしますとともに、全国的な学力調査を実施し、その結果を新しい教育課程の基準や指導の改善に生かすなどを通じまして、児童生徒が科学技術に関する基礎的な知識を確実に身につけることができるように努めてまいりたいと考えているところでございます。
委員の御提案、御指摘の中で、それについて数値目標的なものをという御提案でございますけれども、私どもといたしましては、そういう数値目標的なものを国として設定するというのは、御趣旨、ねらいはわかるわけでございますけれども、率直に申し上げて、これはなかなか難しいのではないかと考えているところでございまして、今申し上げたような方法を通じまして、児童生徒に科学技術に関する基礎的な知識を確実に身につけさせることができるように努力をしてまいりたいと考えているところでございます。
○松野(博)委員 数値目標とまでは言いませんけれども、なかなか具体的な目標設定が難しいということでありますが、先ほどもお話をさせていただいたとおり、英語教育もそうでありますし、この理数離れ対策もそうでありますけれども、やはり最後は決意と気合いだと思うのですね。
その中において、こういうメニューも用意してあります、ああいうメニューも用意してありますということも大事かもしれませんが、何よりも、これからの日本の子供たちにとって必要な理数系の知識をしっかりと、優先をして身につけさせるのだという決意。また、英語教育においても、これから子供たちが国際社会の中で生きていく上においては、どうしてもこれを習得させなければいけない、ある種のハングリー精神的なものが文部科学省として前面に出てくることが実は一番効果的なことではないかというふうに思いますが、今現時点において具体的な目標設定というのはなかなか難しいというお答えでありますから、このことに関してのお答えは結構であります。
新しく始まりました週五日制、ゆとり教育、この中において、理数教育も含めて、子供たちにとって有意義に展開されますことを祈念して、質問を終わりたいと思います。
どうもありがとうございました。
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中 略
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午後零時六分休憩
――――◇―――――
午後一時四十四分開議
○河村委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。
質疑を続行いたします。武山百合子君。
○武山委員 自由党の武山百合子でございます。
早速質問に入りたいと思います。
まず第一問目。日本の産業競争力が年々低下してきているというのが現状でございますけれども、産業競争力を回復させるには、日本の技術開発力を強くする必要があると思います。そのためには大学の研究基盤を強くしていかなければならないというところで、文部科学省、大臣のお考えをお聞きしたいと思います。
○遠山国務大臣 大学には、教育それから研究、それらを通じての社会貢献、いろいろな役割があると思いますけれども、今委員が御指摘になりましたように、今日の日本の経済状況、それから産業界の状況を見ますと、研究の部分を大学に期待する、そういうニーズが大変高まってまいっております。大学も、本来の教育研究の機能を進めると同時に、それらを社会に生かしていく、そういうことが強く求められており、またそういうことへの貢献を通じて大学の存在意義を高めていく必要があろうかと思っております。
我が省としましては、国際競争力のある大学づくりを目指しまして、大学改革の取り組みを今進めておりますし、科学技術基本計画を踏まえまして、科学研究費補助金などの競争的資金を拡充したり、あるいは研究施設設備の整備などに努めているところでございます。
○武山委員 原因として、今、情報技術産業革命ですね、もうまさに今真っただ中。それから、どこで何をつくっても製品は同じ品質になってきている、コストだけ競争力の源泉になっている、人件費、土地代、電気代、法人税率、世界一高いのは日本ということで、それも原因の一つで競争力がないというところでございます。
今、情報技術産業革命なんですけれども、技術革新の速度が非常に速く、しかも、途上国も先進国も同時に技術革新が進んでいるというのが現状だと思います。
大学は知的基盤の源泉と言われており、アメリカでは大変多くのベンチャー企業が生まれているわけです。日本はまだまだ少ないと言えると思います。なぜそのような状況になっているのか、これも大臣のお考えをお聞きしたいと思います。
○遠山国務大臣 日本の情報通信技術は、ソフトウエア技術などについては米国におくれていると言われておりますけれども、その原因は、一つには、研究者の層がまだまだ薄いこと、そして新しい時代に対応した研究体制が整備されていないことなどが指摘されております。
ただ、ごく最近でございますが、大学の姿勢も大いに変化をいたしておりますし、いろいろな研究者の興味、関心、努力というものも、日本の産業に資するようなことについても力が入れられるようになってまいっておりまして、大きな変化が起こりつつあると思います。
例えば、IT産業革命の関連でございますけれども、携帯電話を初めといたしました移動体の通信技術など、日本の得意とする分野もあるわけでございまして、欧米に比して優位でありますモバイル、光、デバイス技術を核に研究開発を重点的に進めることが重要であると考えています。後追いよりは、日本の得意の分野をどんどん伸ばしていく、そういう姿勢が大事だと思っているところでございます。
科研費などの資金によって情報分野の研究を推進してまいっておりますけれども、本年度からは新たに、大学などが持つ知見、ノウハウというものを活用して、産業界からのニーズに基づく、次世代のモバイル端末でありますとか、ハードディスク、メモリーの開発など、産官学の連携のもと取り組んでいくことといたしております。
今後とも、総合科学技術会議でありますとか、IT戦略本部というのがございますけれども、これらでの議論などを踏まえて、大学等におきます情報分野の研究開発の推進に取り組んでいきたいと考えております。
○武山委員 日本の企業は、アメリカの大学の研究室には研究を助成するのに、日本の大学に助成したり共同研究することが少ない、これはもう間違いない事実だと言われております。なぜこうなっていると思いますか。
○青山副大臣 民間企業が、日本の大学に余り寄与しなくて、アメリカの大学に多く研究費として助成を出してきておることは今御指摘のとおりでありますが、どちらかというと、日本の大学における研究成果というものが、なかなか今の日本社会で十分活用できておらない、いろいろな理由があります、というような背景があるのではないかと思われます。
○武山委員 これは企業に言わせると、日本の大学には魅力がない、研究レベルが低い、あるいは研究費を助成しても使い方で規制があるという、いろいろと意見が出ております。このような企業の意見にどう対応しますか。
○青山副大臣 一つは、日本の大学における研究成果というものが、なかなか特許化されておらない部分がありまして、それが社会としてあるいは産業の面で活用されるケースが非常に少なかったという点があるのではないかと思われます。
○武山委員 それでは、研究費を助成しても使い方に規制がある、この規制を取っ払うおつもりはありますでしょうか。すなわち、こういう企業の意見に対して、政府としてはどんな対応をするかという質問でございます。
○遠山国務大臣 産業界側の誤解もかなりございます。それから大学側も、いろいろな規制緩和をずっと続けてまいったことについての理解がまだ行き渡っていない面がございます。
こういったことについて、私どもとしても十分説明を行いながら、今、例えば国立大学の教員も兼職、兼業が認められておりますし、あるいは研究費の使い方についても極めて柔軟な制度になってまいっております。そういった規制の緩和、それから人的な面での対応をさらにやりやすくしているようなことが、近年特に、私どもの政策として進めてまいっております。
産業界の意見も取り入れながら、そういうことに対して十分対応してまいっておりますし、今後とも、そういう姿勢で取り組んでいきたいと考えております。
○武山委員 十分対応しているということであればもっと内容が充実して、こういう質問はしないわけでございます。対応の中身を十分対応していただきたいと思います。
次に移ります。
企業から大学へ寄附する場合、税制上、優遇措置がないと言われております。これは本当に、企業から大学へ寄附する場合、優遇措置というものを欧米では非常に充実しているのですね。非常におくれているということをぜひ認識していただきたいと思います。
それから、例えば企業が教育現場や大学に多額の寄附をした場合、法人税を優遇するなどがあって、ここは随分違ってくるのですね。こういうことによって、大学は民間から研究資金を調達しやすくなるということで、このような考えに立って財務省に申し入れるべきではないかと思いますけれども、いかがでしょうか。
○遠山国務大臣 確かに、日本の大学が特色ある質の高い教育研究活動を展開していきます上で、寄附金などの外部資金の導入を促進していくことは大変重要な課題であると考えております。このために、我が省といたしましても、幾つかの対応をしてまいっているわけでございます。
例えば、一つは冠講座などのように、寄附者の名前をきちんと冠した講座をつくれるようにいたしておりますし、それから、各種の経済団体等に対して、税制上の優遇措置を活用した寄附の促進について要請するということもいたしております。
それから、税制の優遇措置の枠が十分使われているかというと、まだ十分ではございませんで、企業側もその税制の優遇措置を十分に活用して、日本の大学に対する寄附を行ってもらいたいと思っておりまして、大学を中心とし、私どもも、そういうことについても努力をしなくてはいけないかなと思います。
また、各大学に対しましても、寄附募集を含めまして、全国の大学におきますすぐれた取り組みを事例集として配付いたしますなどによって、大学における寄附募集の積極的な取り組みを促すように努力をしてまいりたいと思います。
また、産学官連携の観点からも、今の税制上の優遇措置をさらに進めることが必要と思いますけれども、これまで、例えば、私立大学に対する民間企業等からの寄附の損金算入に関する優遇制度が行われておりますし、また、研究開発への投資が増加傾向にある企業に対して適用される税額控除制度に該当する企業が大学と共同研究を行う際に、共同研究にかかわります経費の一部をさらに控除上限額に加算する優遇制度なども行っているところでございます。
今委員御指摘のように、そういったことも踏まえながら、今後、民間の資金も活用しながら、大学の研究がさらに活性化いたしますように、税制上の改善の問題についても考えていかなくてはならないと思っているところでございます。
○武山委員 これらも本当に欧米と同じように、足並みをそろえて、要は、単純でわかりやすい税制優遇措置が必要なのですね。日本は本当に細かくて複雑で、それを理解するのに非常に時間がかかって、もう嫌になったということになりかねないんですね。
例えば、あるA社が五億大学に寄附をしたら、法人税を払うところから五億を差っ引くとか、単純に諸外国では行われているんですね。それを日本の場合は、複雑に複雑に複雑に考えて行われておりますので、非常にわかりにくい。そして、最終的には寄附をしたくなくなるような現状であるということを、ぜひ単純でわかりやすくしていただきたいと思います。
それから、アメリカでは大学から多数の特許が出ており、ベンチャー企業が多数出ているわけです。例えば日本の大学からの特許出願数ですけれども、これは特許庁の年報で、日、米、中国の大学の特許出願件数も出ております。
これは、日本では二〇〇〇年に五百七十七件なんですね。アメリカは、一年古いのですけれども、一九九九年に三千二百九十五件。では、中国がどうかといいますと、びっくりしました。二千九百二十四件も二〇〇〇年に特許出願件数があるわけですね。それで、中国では、清華大学だけでも二百七十七件の特許出願数だというわけです。
これを見ると、日本の大学はなぜこんなに特許が少ないのかなと思いますけれども、大臣の見解をお聞きしたいと思います。
○青山副大臣 アメリカと日本の大学における特許取得の方法が違っておりまして、まず、アメリカでは原則として大学が特許を取得する、組織的に特許を取得するという環境になっておりまして、日本の場合は原則として研究者個人が特許を取得する、そういう形になっておりますから、特許の取得の方法が違うとはいえ、やはり日本は、大学における特許の取得は少ないと私は見ております。
その背景がありますが、一つは、特許取得が研究業績として評価されにくい環境に日本はあった。例えば論文が中心であったとかということでございます。いま一つは、特許出願の際の資金的、時間的な負担が非常に大きかったというような背景がありまして、日本の場合は特許出願の件数が少なくなっております。
そこで、文部科学省としましては、平成十年度から、科学研究費補助金を申請する場合に、研究者の研究業績を評価するために申請書に特許の記載欄を設けることといたしました。これが一つ。
それから、教官個人の特許出願を支援するための二十六の技術移転機関を承認してきておりまして、これが組織的な特許取得の大きな力に今なりつつあると見ております。
もう一点は、やはり大学の教員自身の特許マインドを涵養していかなければならない、その意味では、知的所有権セミナーを開催するなどして進めております。
もう一点非常に重要なことがありますが、国立大学の法人化の議論が今非常に確実に進められておるところでございますが、大学の法人化されてまいりました後には、大学の研究成果による特許を原則として大学が保有して管理していく、そういう形で今検討がされているところであります。そのような状況になってきますと、大学がみずから特許の取得とそれから活用に積極的に取り組むことになるものと考えております。
したがって、文部科学省といたしましては、これらの施策を通じて大学の研究成果を特許化していく、社会はその研究成果を活用していく、そういう環境をつくり上げていきたいと考えております。
○武山委員 アメリカや中国では、大学の研究者は論文よりも特許を重視しているというのが現状なんですね。教官の昇進の評価でも、アメリカでは論文よりも特許数が評価の対象になっていると聞いております。
それでは、日本では特許をどのように評価していますでしょうか。
○遠山国務大臣 これまで、確かに大学におきましては、論文による評価が重視されてきたと言われております。そして、産学官連携の取り組みでありますとか、特許取得が研究業績として評価されにくい実態があったわけでございますが、ここ数年来、大学の社会貢献の一環といたしまして、産学官連携の重要性が大学としても認識が深まり、また特許についての意識も大学人の間で変化してきていると認識いたしております。
文部科学省といたしましては、今副大臣からも紹介がありましたけれども、平成十年度から、科学研究費補助金の審査に際しましては特許等についても配慮するという方向転換をいたしておりまして、これは私は研究者のマインドを大きく変えつつあると思っております。
それから、昨年十一月に内閣総理大臣の決定があった国の研究開発評価に関する大綱的指針におきましては、研究者等の業績の評価につきまして、研究開発に加えて社会への貢献等の関連する活動に着目して評価するよう、そういう旨の提言が示されております。これを受けまして、現在、文部科学省といたしまして評価方針を策定する作業を進めているところでございます。
そのようないろいろな条件整備を整えながら、特許というものも業績の重要な要素として考えようといたしております。
○武山委員 大学で生み出された特許、発明ですね、民間企業に移転するためにTLO、テクノロジー・ライセンシング・オーガナイゼーションというのがあるんですけれども、このTLO活性化のために文部科学省はどのように取り組んでおりますでしょうか。
○遠山国務大臣 平成十年に大学教員の研究成果を権利化いたし活用するTLOが制度化されまして、それから現在まで二十六のTLOを承認しているわけでございます。
TLOの設立、運営を支援いたしますためにいろいろな施策を実施しているわけでございますが、一つは、国立大学教官がTLOの役員を兼ねることができるように、その兼業の承認を平成十二年四月から実施いたしておりますし、また二つ目には、TLO事務所を開設するに当たり国立大学施設を無償で使用できるように、そういう許可の制度を平成十二年四月から実施いたしております。
このことによってTLOの場所の問題あるいはその人的な問題の解決に資しているわけでございますが、平成十三年からは、TLOによります特許の一元管理を図りますために、一つは、国有の特許についてもTLOへの譲渡を可能とすること、二つには、大学とTLOの連携強化によって個人所有の特許がTLOに集まりやすくしていく。これまで、大学教員の研究への意欲を増すために、特許は個人有としていくという政策を長年とってまいったわけでございますが、その個人所有のものをTLOに集めて、さらに強力にそれを生かしていくというふうな方向に今転換をしつつあるわけでございます。
これらの取り組みによって、TLOにおきます累積特許出願が急激に伸びているところでして、実施許諾数につきましても、例えば平成十三年の三月に百二十五件だったものが半年後には二百二十三件と、二倍に急増しているような今実態でございまして、まさにこのことについて大きく動きが出ているという実態でございます。
○武山委員 現在、国立大学の独立行政法人化が二年後に迫って、大学の研究技術をいかに産業界へ円滑に移転するかということが問題となっておるわけです。これについては、文部科学省、経済産業省で九八年のいわゆる、今のお話ですね、大学等技術移転促進法によって各大学にTLOが設置承認され、活動を行っていると。
ところが一方で、特殊法人である科学技術振興事業団、略称JST、ですからTLOとJSTと二つここであるわけですけれども、特許化支援事業によってTLOと全く同様の事業を行っておる。
小泉政権の特殊法人改革では、民間で同様の事業を行っている事業については廃止するとの前提で議論されてきておりますけれども、これは民間のTLOと全く同様の事業スキームで、廃止すべき事業ではないかと思いますけれども、いかがでしょうか。
○加納大臣政務官 JSTとTLO、委員御指摘のように一見似ている仕事をしているのではないかということはそのとおりでございますが、子細に見てみますと、実はかなりその役割は別なものを担当しているというのが実態でございます。
TLOの方は、大学等の研究成果のうち、比較的短期で実用化可能なものを対象として、これらを権利として確定する、特許化をする、そしてまた企業の方に移転していくというのは、委員おっしゃったとおりであります。
JSTの方でございますけれども、これはその対象とする研究成果というものはTLOと若干違っておりまして、大学等の研究成果のうち、実用化までに中長期のかなり時間のかかるもの、それから多額の開発費がかかるものというものを主な対象にしているということ。
それから、TLOがある大学だといいんですけれども、ない大学もございます。TLOのない大学の研究成果、これはもうJSTしかできないと思っております。それからまた、JSTみずからの基礎的研究成果を対象として特許化したり企業への技術移転をやっていく、これもJSTの役割かと思っております。加えまして、実用化を目指した研究開発というのがございます。
結論を申し上げますと、JSTの事業はTLOの業務と重複せず、むしろ補完関係にあるということから、私どもとしましては、今後とも、JST、TLOの連携を図り、研究開発の実用化に向けて効果的な推進を図ってまいりたいと考えております。
○武山委員 JSTの方は、年間、こちらで調べた数字ですと、二十億円の特許化費用を使って、その技術移転による収入は二億円程度しかない。二十億円の特許化費用を使って、その技術移転による収入は二億円程度しかない。民間企業への技術移転実績も数件程度しかないと聞いております。
また、この科学技術振興事業団全体の収支が赤字であることから、その収益は全く国民に還元されていない。産学連携を特殊法人を通じて中央集権的に行う方法と、各大学が独自のTLOを通じて行う地方分散的な二つの方法が同時に存在するということも、これは国家として矛盾しているんじゃないか。
国立大学の独立行政法人化を促進するためにも、この科学技術振興事業団の特許化支援事業は即刻廃止して、各大学が自身のTLOによって産学連携を行う仕組みに整備すべきではないかと思っておりますけれども、きちっと整理するという意味ですね、同時に存在することが矛盾である。それから、その収益は赤字で、全く国民に還元されていないということで、整理すべきであると私は思っておりますけれども、いかがでしょうか。
○加納大臣政務官 二点御指摘がありまして、一つは矛盾がある、二つ目は赤字であるということかと思います。
まず、矛盾ということにつきましては、先ほど申し上げましたとおり、TLOとそれからJSTとは重なり合うように見えるところはもちろんございますけれども、その主たる役割は違うということ。繰り返しませんけれども、そういうことで矛盾はないと。つまり、JSTならではという分野があるということも申し上げておきたいと思っております。
JSTは、公的な機関として、みずから基礎的な研究開発を行う、それから、研究開発や大学独自の研究成果の企業への技術移転などを主目的としているものでありまして、技術移転事業について、二点目の赤字ということになりますけれども、これはどうなのか。私どもはそれなりの成果は上がっていると考えているわけでございます。
例えば、委託開発事業費というのは、これは大学の研究成果を製品化するように企業に開発を委託する仕組みでございます。これまで、ちょっとざっくり申し上げますと、約千三百億円程度投資されております。そのうち成功回収したものが八百九十億円ございます。そのほかに、特許化して、特許を取ってそれを利用してもらいますと、売り上げの三%が実は御案内のとおり入ってまいりますから、これが百四億円ございます。これは大ざっぱに計算しますと、約一千億円は入ってきているということでございます。
基礎的な研究をやる事業団でございますから、基礎的な研究というのは収入が見込めないというのはもちろんありますけれども、これ一つを見ても、そうアンバランスがひどいというものではない。特に、今申し上げました特許実施収入が百四億円あるということは、これは三%でこれだけの金額でありますから、割り戻しますと、売り上げは、約三千五百億円の売り上げを新しく生んだというふうに考えますと、これはそれなりのやはり成果があったのではないかなと思っているわけでございます。
そういうことで、大学等の特許の企業への技術移転というのは九百七十三社あるわけでもございますし、最近やりました技術開発事業、プリベンチャーというものでは、十の課題のうち八つが既にベンチャーとして業を起こしておりますので、こういった企業のことを見ましても、JSTは役割を果たしているというふうに考えております。
○武山委員 国立大学の独立行政法人化を促進するためにも、このJSTの特許化支援事業ですけれども、各大学がそれぞれの自身のTLOによって産学連携を行う仕組みができつつあって、こちらの方を整備すべきではないかと思うんですね。今お話ししましたように、独立行政法人化を促進するためにも整備する方向ではないかと思いますけれども、そこはいかがでしょうか、加納政務官。
○加納大臣政務官 独立行政法人を志向するという観点は私どもとしてはしっかり持っているつもりでございます。そのこととJSTが今やっていることをどうするかということはつながってはおりますけれども、議論としては二つそれぞれあるのではないかと思っております。将来の志向として、独立行政法人化ということはもちろん志向してまいります。
それから、産学連携につきましてでございますが、各大学の方にも共同研究センターというものもできております。私も各地へ実はお邪魔しておりますが、先般もそういった集会にも出てまいりました。あらゆる面で地域の企業、自治体それから大学、これがそれぞれの強みを生かしながら、役割は若干異なりますが、強みを生かしながら産学官の連携を図って新しい日本の技術開発を図っていく。そういったときに、このJSTの果たしている役割というのはしっかりと認識していきたいというふうに考えております。
○武山委員 JSTとTLOの事業が競合しているわけですね。この中身が競合していること、これ自体は、やはり両方が競合していることは、今おっしゃった別々な仕事をしているという点では違いがあると思うんですね。ですから、競合している点は、やはり独法化に関係なく現在も起こっていることですので、これは早急に整備すべきであると思います。これは言っておきたいと思います。
それから、現在JSTが特許取得を行っているベストテンと言われている京都大学を筆頭に、東大、東工大のTLOを有している大学が大半であるんですね。そして、京大は独自の単体のTLOは持っていないけれども、関西大学がTLOをカバーしているわけですね。そういう意味では、TLOがない大学をカバーしているのではなく、TLOがある大学との競合が多いわけですね。それでまた北海道TLOは、北大だけでなく北海道全体をカバーしている。それから東北大学のTLOも、東北の他の大学をカバーしている。それで、TLOのみで国内の大学をカバーできる状態であるので、カバーできない大学がある場合は、JSTではなくTLOをつくるか、または既存のTLOがカバーする形で推し進めればいいんじゃないかという意見もあちらこちらで聞くんです。ですから、これ一つに整理した方がいいという意見を私は伝えておきたいと思います。
それから、今現在文部科学省の承認を受けているTLOは、たしか先ほど二十七とおっしゃったと思いますけれども、それ以外にも実質的にTLOをつくっている大学、芝浦工大や電通大など、数十の大学が設立済み、あるいは準備中であるということで、一方で大学にTLOをつくることを勧めておきながら、一方でそれと競合する組織を特殊法人として持っているという矛盾はいかがなものでしょうか。
○加納大臣政務官 先ほど来申し上げておりますように、TLOの役割とJSTの役割というものは確かに重なり合っているところはございます。例えば、JSTが持っております特許を企業化するに当たってTLOを活用していくとか、さまざまな工夫はございますから、今のままでが絶対いいんだとは決して申し上げておりません。これからさらに改善しなきゃいけないところがあるのは十分わかっております。
それから、あくまでもTLOのない大学というところでJSTの果たしている役割、これは不可欠だと思っております。それからまた、大学の教官の立場は、私も現実にTLOにもお邪魔していろいろ意見交換してまいりましたけれども、大学の教官が個人としていろいろなことを発明した、これを何とか世の中の役に立たせたいと思ってもなかなか大変だというので、TLOをフルに活用していくというのはあるのでございますが、TLOが現実にないところでも非常にそういう問題がありますので、JSTというのは役割は重要だろうと思っています。
TLOのあるところでのJSTということでございますけれども、これは繰り返しませんけれども、JSTとTLOの基本的な役割は違うところがございますので、これは両立はあり得るというふうに考えております。
○武山委員 アメリカでも、TLOが設立されて成果を生み出すまでには約十年かかっているんですね。ですから、現在、日本のTLOの技術移転実績件数はJSTのそれをはるかにしのぐ数であり、JSTの特許化支援事業の存在意義はもうなくなっているのではないか。また、年間数件程度の実績しかないJSTこそが十分なパフォーマンスが上がっていない特殊法人であるということをここで明言しておきたいと思います。
そして、この特許化支援事業をなくすことが急務である。特殊法人というのは、もう今までの役割を終えているわけですよね。それで、新しい今ここにTLOが生まれて、そして競合する部分が、重なっている部分が非常に多いということで、これはもう今までの発想の転換を、やはりまさに今この科学技術特許支援事業、これが最も急務であるというときにきちっと切り口が示せないというのは、やはり問題があると思います。
それから、次に移ります。
まず、米国経済が再生した最大の起爆剤は、バイ・ドール法案であったと聞いておるわけです。日本においても日本版バイ・ドール法が施行されておりますけれども、現在、バイ・ドールが適用されているのは経済産業省だけなんですね。
また、このJSTの研究費を大学教授が受けた場合、その権利は、JSTに専用実施権、この特許を唯一実施できる権利、これがJSTに設定されて、この特許についてJSTのみしか扱えない、こういう問題があるんですね。そのほとんどの特許は産業界へ技術移転がなされることなく、もうそこにお蔵入りして死んでしまっているんですね。
そこで、無条件にその権利の返還を教授が求めても、無条件に返還されることはまずないわけですね。仮に国立大学が法人化されても、すべての研究資金にそのような専用実施権が設定されたら、大学も、発明者である教授も、それからTLOも、その権利については全く自由にできないという状態なわけですね。
ですから、すべての、国及びそれに準ずる特殊法人、財団法人等からの研究資金は、バイ・ドールを適用し、大学の自由に任せるべきではないかということについての見解を聞きたいと思います。
○加納大臣政務官 バイ・ドール法の適用でございますが、適用はないというふうに今ちょっと委員は御指摘なさったんじゃないかと思います。経済産業省ではもちろんやっておりますが、我が省におきましても、科学技術振興調整費でバイ・ドール法適用をやっております。
○武山委員 私の方で調べた日本版バイ・ドールが施行されているのは、現在、経済産業省だけであるというふうに聞いているんですね。この日本版バイ・ドールが施行されているのは経済産業省だけであると、こちらは専門家が調べた資料でございます。
○加納大臣政務官 現在のところ、保有をしているというふうに聞いておりますけれども、実施にはまだ至っていないというふうに事務局では言っているようでございます。
○武山委員 ですから、私が今説明しましたように、自分が発明したにもかかわらず、特許を、JSTの専用実施権といいましても、JSTだけしかこれは扱えないわけですね。ですから、産業界へ技術移転がされることなく、そこで死んでしまっている。だから、それでは産業界も技術移転されなくて、また産業も興せない、ニュービジネス、ベンチャーも起こせない。だから、そこで無条件にその権利の返還をやはりみんな求めているわけですよね。ところが返還されない。ですから、ここを大学の自由に任せるべきではないかという私の質問です。
○加納大臣政務官 先ほど、数字がちょっとないまま申し上げて、大変失礼しました。実施許諾をやっているのがあります。二十三件でございます。それは、許諾はしているけれどもまだ実施されていないというのは、委員が御指摘のとおりでございます。
○武山委員 最後になりますけれども、ですから、日本版バイ・ドールは、既に施行されていても直ちに適用できるものではないということですよね。ですから、これを適用しないのは、単に特殊法人であるJSTなどへの天下りを確保するものであって、大学の独立した運営を阻害しているんじゃないかと思うわけです、自由にできないものですから。
ですから、米国経済はこれによって再生した事実があるものですから、日本も早急に措置すべき内容ではないかということを言い置いて、私の質問を終わります。
ありがとうございました。
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中 略
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○河村委員長 次に、山内惠子君。
○山内(惠)委員 社民党の山内惠子です。
四月からいよいよ完全学校五日制が始まり、総合的な学習の時間も、小中学校、高校で実践されることになりました。このことにつきましてなんですけれども、教育予算の中で総合学習に充てることのできる予算のことを確認させていただきたいんですが、どの予算が使えるのかをお聞かせください。
○矢野政府参考人 新しい学習指導要領において創設いたしました総合的な学習の時間は、これは、各学校におきまして、地域や学校の特色に応じて創意工夫を生かした活動を展開することが大変大事であるわけでございます。
文部科学省におきましても、各学校のそうした取り組みを支援いたしますための予算措置を講じているところでございまして、何点か御紹介申し上げますと、例えば、総合的な学習の時間の実施を含めまして、新しい学習指導要領に基づく教育に対応できますように、教材等の購入経費につきましては、今後五年間の整備計画が策定されまして、整備に必要な経費に対して地方財政措置が講じられることになったところでございます。
また、それぞれの学校におきまして、総合的な学習の時間におきます学習活動など、学習活動を充実させるために学校外のすぐれた人材の協力を得ることも大変大事であるわけでございまして、こうした観点から、国といたしましても、学校教育におきまして、多様なキャリアを有する社会人を積極的に活用するため特別非常勤講師を配置する際に国として補助を行うなどの支援を進めることといたしているところでございます。
さらに、総合的な学習の時間におきまして、体験的な学習活動を実施することも当然のことながら想定されるわけでございますけれども、これらの取り組みを推進いたしますために、国の事業といたしまして、豊かな体験活動推進事業をこの平成十四年度から開始するなど、こうした取り組みにつきまして支援を行うことといたしているところでございます。
このほか、直接的な予算ということではございませんけれども、こうした総合的な学習活動の取り組みを支援する観点といたしまして、国として、各学校に対して、全国的な取り組みの情報を広く提供することが大変大事であると考えるところでございまして、このため、私どもといたしましては、平成十一年度に総合的な学習の時間に関する事例集を作成、配付いたしますとともに、平成十三年度、十四年度におきましても、その第二集を作成、配付することといたしているところでございます。
文部科学省といたしましては、今後ともこうした施策の一層の充実を図り、各学校におきまして総合的な学習の時間のねらいが着実に実現されるように努力をしてまいりたいと考えているところでございます。
〔委員長退席、鈴木(恒)委員長代理着席〕
○山内(惠)委員 今回の総合的な学習、今のお話でおよそのことがわかりますが、例えばということで、総則に「国際理解、情報、環境、福祉・健康」等のテーマを挙げていらっしゃるんですが、この一つのテーマに対してこの予算をということはありませんね。なければお返事は要りませんが、あるのであればお聞かせください。ありませんね。
では、その点を含めて、次の質問のところに移りたいと思います。
総合学習は、やはり国際化社会とか情報化社会ということもありますし、環境問題もあるし、また子供たちの生きる力をということも含めて、このような教科の枠を超えて授業をするという時間を与えられたものと思って、現場ではそれぞれ創意工夫、努力をしていると思いますが、今回、教育予算、一般会計の中の教育予算とは別に、原子力・エネルギー、これは後から入ったんですね、概算要求のときにはこのエネルギーという言葉がありませんでしたけれども、原子力・エネルギー教育支援事業交付金の創設ということをなさって、予算としては四億八千三百万円、それからもう一つが、経済産業省の方から、エネルギー促進事業ですか、そのことで約五億七千万組み込まれた予算が今回の予算の中で通ったというふうに思いますが、教育予算が、電源開発促進税、すなわち原子力施設の立地促進を主な目的としている電気料金に上乗せされた目的税を原資とするということが、この予算の創設に当たっては大変間違いをしているんじゃないか。その意味で、本来一般会計で賄われるべき学校教育の趣旨に反すると私は思っていまして、三月に、これに対して質問主意書を提出いたしました。そして、回答は四月の一日付でいただきました。
この趣旨は、憲法の十三条、個人の尊厳、生命、自由、幸福追求の権利の尊重、二十三条の学問の自由、二十六条の教育を受ける権利、それからずっとありますけれども、とにかく、国家が教育を思想統制の手段として用いることを禁じているということで、これは憲法や教育基本法に反する予算の組み込み方だということを指摘をしましたが、回答をいただきました。その回答の中では、憲法には違反しない、教育基本法にも違反しないというお答えでした。
それで、きょうは皆さんに資料を配付していますが、ちょっとごらんください。一ページ目の予算のところです。これ、電源特会というのが、さっき申しましたように電気料金の目的税として使われるべきものなんですが、これが、短くして電源特会と私たち言っているんですけれども、これの一のところで、この部分につきまして大臣にお答えいただきたいと思います。
原子力発電施設等が設置されている地域等における放射線監視施設の設置に必要な事業費等に充てるための都道府県等に対する交付金ということで、文科省分として予算が計上されています。それで、一番下のところに、私は米印をあえてつけたんですが、原子力・エネルギーに関する教育支援事業交付金の積算内容として、この教育支援の事業として四億八千三百万円の金額をつけているんですが、なぜ放射線監視施設の設置の項目にこれがあるのか、お答えいただきたいと思います。
○加納大臣政務官 山内委員の御質問にお答えしたいと思います。
先ほどというか、今お配りになった資料を拝見しておりますが、ここで書いてありますのは、二行目ですけれども、放射線監視施設の設置に必要な事業費等に充てるため都道府県等に対する交付金等とまたありますけれども、ここの放射線監視施設というのは一体どこに出てくるのかということと、それから原子力・エネルギーというのは当たるのか、こういうことだろうと思いますが、お配りいただいた資料の、本当は二枚目がついていまして、その二枚目、何かコピーでは一枚目しかないんですけれども、二枚目の冒頭に放射線監視等交付金の積算内訳というのがついておるんですけれども、それは細かい話ですから結構でございますけれども、等と書いてあるのは、さまざまなものがここに対象になっております。
その中で、今申し上げました放射線監視等交付金というのは早くスタートしたものでありますから、代表的なものとして放射線監視というのを挙げて、などということで、そのほかたくさんございます、広報・安全等対策交付金、放射線利用・原子力基盤技術試験研究推進交付金、それに並ぶものとして、今委員がおっしゃった原子力・エネルギーに関する教育支援事業交付金と書いてあるところであります。それが一つの回答であります。
この教育支援交付金というものは、一体それでは今委員が御指摘になったような法律だとか憲法に違反するのかという点でございますが、これは私どもは違反をしないと考えております。(山内(惠)委員「そういうお答え、もういただいていますので」と呼ぶ)ごらんになっているかと思いますが、必要があれば幾らでもお答えいたしたいと思っております。
〔鈴木(恒)委員長代理退席、委員長着席〕
○山内(惠)委員 お答えいただいたことを改めてもう一度言われると私の時間も減ってしまいますので、短くで結構です。
それで、この教育支援交付金というのを電源特会のこの会計のところに入れるのは問題だということを事前に何度かお話し合いをしましたけれども、違法ではない、違法ではないとおっしゃっていた後に、当初、予算を計画するに当たって、予算の執行に先立ち、こういう回答をいただいています。電源立地対策に教育支援交付金の交付を加えるということのための一条を改定するというふうにおっしゃっているので、これはどうか短く、どこをどう改定するつもりなのか、お聞かせください。
○今村政府参考人 ちょっと実務的なことでございますので、私の方から説明させていただきます。
いわゆる電源特会の事業につきましては、電源特会の事業の特に新規事業については、その新規事業を電源特会に計上して国会に提出させていただいて、それが承認されますと、その予算が承認されましたことを踏まえまして、その事業の具体的な支出項目というものを、これは法律ではございませんで、施行令、電源開発特別会計法施行令の中で具体的にその条文を記載して追加していくというやり方をいたします。
したがいまして、今回この教育支援交付金につきましても、先般国会で御承認いただきましたので、今後特別会計法の施行令の条文をこの事業の内容に即して追加する、そういう改正を行う、そういうことでございます。
○山内(惠)委員 これは、電源特会の予算から一般会計に移すということではないわけですね。そのことでいえば、やはり電源特会というのは原子力発電ということも含めて原子力を推進していくという会計ですから、その意味で私たちは教育基本法に反するということを指摘しているわけです。その意味で、もう一つ次の問題点のところに行きますが、とにかくこれは私は教育基本法の精神に反すると思っています。
この資料、本当は大臣にぜひお答えいただきたいんですけれども、「エネルギーと環境」というのを出されて、これは高等学校の総合的な学習の時間のためのワークシートということで出されているのですけれども、このことにお金を出していますかということをお聞きしましたら、出していないというふうにおっしゃいました。本当に出していないのかということでいえば、よく見ましたら学事出版ですから、出版社が出したというところまでわかりました。
ところで、これは形を変えて、高校、希望するところに、四百七十校くらいに配ったものと内容がほとんど、これはコピーなんですけれども、ごらんになっておわかりと思いますが、表紙が同じ中身のものなんですが、何とこれは財団法人日本原子力文化振興財団がつくったものです。中身はほとんど同じです。これは二〇〇一年の三月に出されて、全国の高校の希望するところに送られたと聞いています。無料で二冊、上下ありますので、これを出しています。その後、これは学事出版の方は二〇〇一年の七月に出版されています。
これでもなお、お金を出していないとおっしゃるのか。済みません、出していない、出している、これだけちょっとお答え聞きたいと思います。
○今村政府参考人 お答え申し上げます。
このワークシート、今御指摘のありました「エネルギーと環境」は、先ほど御指摘もありましたように、日本原子力文化振興財団の事業で行っております。
ただ、この日本文化振興財団の事業の中には事業収入というのがございますが、この事業収入の中に、この「エネルギーと環境」を作成する財源というものがあるわけでございまして、その財源といたしましては、直接文部科学省が支出をいたしてはおりません。おりませんが、日本原子力研究所等の研究所がそれぞれの事業の原子力広報予算の一環としてこの原子力文化振興財団にこのワークシートの作成をお願いしたといいますか、そういう形になっておるということを申し上げたいと思います。
○山内(惠)委員 きょう、資料を配りましたので、それをごらんになってそのようなお答えをくださったんだと思います。直接この冊子という形でないとしても、予算を出しているということを後で証明――もう皆さんおわかりかと思いますけれども。
ところで、これは形を変えて出された学事出版のものになっています。後ろには、高等学校の学校長が、天井さんとおっしゃる方が、ある意味では中立を装ってと私は思いますが、編集その他のところでお名前が出ていますが、それにしても、日立、三菱それから電力中央研究所ですか、基本的に推進をする人たちがこの編集をしているんですが、もともとのものとほとんど同じですから、学校の先生のお名前があっても、この方たちが書いたとは思えないのですが、それは私の感想ですからいいとしまして、この中に、住民の声が載せられているわけでもないし、犠牲者の声が載せられているわけでもないし、反対をする人たちの声が載せられているわけでもありません。
そこへ、この資料をつくるに当たって、はっきり電源特会の会計のところと関係のあるところから出てきているこの冊子、全国の総合学習の参考にしてくださいと出しているものについて、学校現場の人たちが参加をするというのも、ある意味で問題ではないかと私は思っています。
時間がありませんので、このことでいえば、原子力文化振興というのは何なのかということを本当は質問として出していましたけれども、これも時間をはしょってしまわなければなりませんので、この中でいえば、原子力平和利用に関する云々という、この寄附行為という形で、皆さんに資料をお上げしているのですが、この中で書かれていることがきっと原子力文化振興だとおっしゃるんじゃないかと思いますので、違うのであれば、後でこれまたお聞かせいただきたいと思います。
それで、二の三と書いた資料を見てください。原文振と略して言いますと、原文振の中の収入の部分をちょっと見ますと、大きな2のところに賛助金というのがあるのですが、これが四億八千万ですか、それから4のところに受託事業収入というのがあるのですが、これが十四億ですか。
この内訳を見ますと、もうちょっと後ろのところにあるのですが、2の賛助金というところは、二の五の資料にあるように、これまたゼネコンという感じの、原子力発電をつくっているような関係の日立、三菱、三井、住友、九電、このような方たちと原子力関係の機関があります。これは企業代表ですね。そして、次の二の六のところを見ていただくとおわかりですが、文科省の予算を七億四千二百二十九万円、それから経済産業省が六億三千九百三万円、合わせて約十四億何ぼになると思います。
ということは、この財団法人日本原子力文化振興財団というのは、企業と文部科学省と経済産業省のお金がほとんどである中で事業が推進されているということが考えられます。これは指摘をしておくだけにいたします。
そして、次なんです。この意味で、今までの原子力発電にかかわる予算というのは、この電源特会予算というのは、随分ずさんなやり方をしてきたのが、新潟であったあのラピカですか、あのようなやり方がありますが、本当に地方をお金でほっぺたをたたくと言われることが多くあるのですけれども、公共事業のチェック、公共事業といってもある意味ではマイナスの公共事業であって、決してこれはうれしいものではありません。
私は北海道ですから、泊の三号機が建設されるということも問題ですし、北の外れの大地、酪農の大地、あの大地に深地層研究所をつくる、核抜きだということを言って持ってくる。そういうことが行われている中で、とにかくお金をたくさんたくさんくれますから、地域は、本当に貧しい地域がそこだけお金が赤字になっていないという状況で、お金がばらまかれています。
そういう中で、皆さん御存じと思いますけれども、住民投票が行われ、プルサーマルの計画にも反対だし、原子力発電の立地も反対だという住民投票が出ている中で、この資料は推進と思われる人たちが原案を、思われるじゃないですね、はっきり、この日本原子力文化振興財団の名簿を見ますと推進の方たちばかりです。
しかも、あえて言いますと、ジェー・シー・オーの事故があった、この犠牲者の方たちも院内集会で私のところに来て署名を出したりいろいろなことをしていますが、この犠牲者、こんなにいて健康手帳一つ出してもらえない、そういう犠牲者の声はこの中にはありません。それから、被曝線量の危険性なども記述されていません。
そして、言われているのは、CO2の削減のためだ云々の原発、それから電力安定のための原発だということを主張されている中で、では放射線汚染というのを、地球環境から言えば、環境庁にはこれは関係ないんだと言うから、これはこちらでお聞きするしかないのですけれども、環境汚染の問題があるにもかかわらず、CO2問題だけのような形でPRされているのは、本当に大変問題だと思っています。
美浜の原発だったと思いますが、社民党の調査団もつくって行ってきましたけれども、一歩間違えればチェルノブイリのような事故になりかねないほど大変な事故だったと聞いています。
こういう状況の中で、学校現場のことを少しお話をさせていただきます。
原子力ブックというのをつくられて、あの事故の後、安全対策その他を進められているようなんですけれども、あの事故のあった日、ほとんどの教職員は、原子力に対して特に危険性の認識がなかったと聞いています。子供たちは口をハンカチで覆っただけで下校したそうですし、下校もしないで学校にいたし、窓をあけていたし、グラウンドで授業もしていたということを報告で私は聞いています。
その後、この原子力ハンドブックですか、つくられたというのですが、この中にも、はっきり言ってこの危険性や被曝線量の問題が十分書かれていないのです。そのことについて大臣、いかが思われますか。
○加納大臣政務官 幾つもの問題提起をされておられますが……
○山内(惠)委員 私は要りません。感想ですから、大臣、お聞かせください。何度も言います。大臣、お聞かせください。まだ一度も大臣、お話しになっていらっしゃらないのですよ。質問を出したときにも、基本は大臣とお話ししてあるので、担当者が出られることも今回はあえて受けましたが、大臣、お聞かせください。
○遠山国務大臣 原子力の問題について、感想としては、いろいろな考え方があるなということと、やはり正しい理解というものを国民全体が持つべきであるなと考えております。
○山内(惠)委員 いろいろあるな、大変だなと、そんな感想でこの教育予算四億八千三百万、それでもう一つ、経済産業省から五億七千万、お金が来るのですよ。もう少し厳しくお答えいただきたいと思います。
いや、だめです、大臣にお聞きしているのです。きょうは厳しく、大臣にお聞かせいただきたいのです。感想で結構なんですよ。感想です。
○河村委員長 加納大臣政務官。(山内(惠)委員「いや、どうして、大臣にお答えいただきたいのですよ」と呼ぶ)
○加納大臣政務官 大臣が感想を述べましたので、それについてさらに、大臣の身がわりでございます、補足をいたします。(山内(惠)委員「大臣です。何回も言います、大臣にお聞かせいただきたいのですよ」と呼ぶ)
議事の進行は委員長の指示に従います。
○河村委員長 ちょっとお待ちください。(山内(惠)委員「いや、時間がなくなるのですよ、私の質問したいこと、ほかにありますから」と呼ぶ)
○加納大臣政務官 エネルギーについて光と影がある、その影のコントロールもある、こういったことをしっかりと科学的に教えていくことが極めて重要だと考えております。
○山内(惠)委員 では、お聞きします。
今回の予算を執行するに当たって、交付要領というのを出されるというふうに聞いています。前回お聞きしたときは、予算がまだ決まっていないというふうにおっしゃったのですが、予算が通りました。交付要領にはどのようなことを書かれるおつもりか、これは担当の方で結構です、お聞かせください。
○今村政府参考人 お答え申し上げます。
先ほど御説明いたしましたように、予算が通りました後、今後の作業といたしまして、電源特会法の政令を改正いたします。まず、その作業にこれから入る、今準備をしております。それを踏まえまして交付要領に着手するわけでございまして、まだ現時点においてその原案ができているわけではございませんが、一般的に申し上げますと……
○山内(惠)委員 一般的には要らないです。時間がないのです。たくさん聞きたいし、こんなチャンスは二度とないじゃありませんか。今度、もっとつくっていただきたいです。(発言する者あり)では、そのことはわかりました。次、ぜひやってください。
これは交付要領の中で、危険性をしっかり書きたい、そしてそのことを子供たちにも伝えたいという人たち、反対を、こういう問題は問題であると思っている方たちがこの予算を請求したら、オーケーいたしますか。短く答えてください。
○今村政府参考人 この予算の建前といたしまして、内容について審査をするということはいたしません。あくまで、これは受けられた地方自治体の考え方で、その内容について交付をさせていただくということでございます。
以上でございます。
○山内(惠)委員 先ほどバランスに関することをおっしゃられましたので、プラス面もマイナス面もあるとしたら、このような一方的な推進のものではないということが大変重要だと思います。でも、今まで出されているもの、ほとんどこのマイナス面については書かれていません。危険性について書かれていません。
それでは、次の経済産業省の方の関係についてお聞きしたいと思います。
同じような内容なのですけれども、五億七千万、もう既に経済産業委員会の方で質問していまして、この予算は推進ですかということをお聞きしましたら、何と、平沼大臣、このようにお話ししていらっしゃいます。プルサーマルの問題、刈羽の住民投票などで反対派が上回った、ぜひ推進ということで進めていくと言っています。推進ということを最初に言っている。
それで、ここのところで、既に経済産業省がいろいろなパンフレットを出していますが、危険性なんてほとんど何にも書いてありません。プルサーマルが重要、原子力は使い終わった燃料をリサイクルできて、再び利用できます。それから、リサイクルすることでそのごみの量を一割以下に減らすことができる、プルサーマルのよいところですね、全く住民の意思と反するような中身でこの資料をつくられて、幾らかけたかというと、二千四百八十三万円ものお金をかけて、既に積極的に推進しているこの問題を、今度は教育予算として持ってくるという計画が出されました。
これを受け入れるのか、受け入れないのかを決めるのは文部科学省です。ぜひ大臣、どうするおつもりか、ここのところを一言でお聞かせください。これは文部科学大臣、受け入れるのか、受け入れないのかですよ。こんな簡単なことです、大臣。
○遠山国務大臣 技術的な問題が絡みますので、大臣政務官からお答えいたします。
○加納大臣政務官 教育支援金につきましては、これはあくまでも各自治体、教育委員会の主体性を持って選んでいただくということでございます。
それから、経済産業省の話でございますけれども、これは現場に押しつけるというものじゃございませんで、それぞれの各学校の自主的な判断によって選ばれる、こういうことであります。
○山内(惠)委員 現場で判断するというお言葉をしっかりと受けとめておきたいと思います。
それにしても、「エネルギーと環境」をつくった日本原子力文化振興財団のこれは、本当に危険について書いていません。このような推進というものを電源特会の予算からこのような形で、文科省を通して、財団法人に入れられてつくられていくというこのことは、これだけが学校現場で受け入れられるということは教育基本法の精神に反します。
時間がありますので、そこの部分をちょっと読ませていただきます。済みません、ちょっとここのところ、物すごく焦って短く言いましたから、では、ちょっとそこは後で言うことにいたします。ありますので、では、それは後にします。
朝日新聞、三月三十一日の一面トップ記事「原発「後処理」三十兆円」。これだけかかるというのを報告したことは今までありません。初めてこの数字が出てきました。電気事業連合会による初の長期試算で、二〇四五年までに全国で約三十兆円に上ることが明らかになった。核燃再利用凍結論も出てきている。
この後処理ということでいえば、廃棄物の処理も、どの方法でするかも全くわからないのを北海道に押しつけようとされているのが深地層研究所の問題であります。
これだけお金がかかるということを考えれば、皆さんは教育で中立であるべきこの資料、「エネルギーと環境」もそうですが、実はもう総合学習全部、ここのところ、これは経済産業省資源エネルギー庁の委託によって作成した、これもうそが書かれています。先ほど言ったような危険の問題、チェルノブイリのような事故が起こるのだという心配に関してもほとんど書いていません。
これもどこか中立を装っていますから、ほかのエネルギーのこともずっと書いてあります。自然エネルギー、それから太陽発電、いろいろなことが書いてあります。でも、最後のところで本音が見えるような記述が、これは子供たちに質問をして、どれが一番安くつくでしょうというような趣旨で書かれているのですが、原子力発電は一キロワットアワーの電気をつくるのに、原子力は五・九円、石油火力は十・二円、水力は十三・六円。この数字を持ってくるのは、だから原発はコストが安いと考えられてこれは編集されたと思うのですけれども、後処理の予算を入れたらこんなものではなくなると思います。いかがでしょうか。
○加納大臣政務官 御質問にだけお答えしたい、御感想のところは全部伺ったということで、御質問にだけお答えしたいと思います。
原子力の、俗にバックエンドと言っておりますけれども、廃止をした後の措置、それから廃棄物の処分、こういったこと、それから再処理を行っておりますけれども、再処理に伴うコスト、これの厳密な計算はまだされていないと聞いております。
朝日新聞に載った記事は私も拝見をいたしました。当事者は、まだこのような計算はしていないという談話を発表したのも読みました。
五・九円というのがいろいろな前提で計算されていると私も理解しておりますが、それがこんなものでは済まないという今御意見でございます。御意見としては承りますが、物すごい金額になるのかどうかというのは、要するに、一キロワットアワー当たりに直すとどのくらいになるのかということでございまして、これは一円内外のオーダーだというふうに従来言われておりますが、それが何十銭か変わることがあっても、五・九円が一挙に二十円になるとか十五円になるといったようなオーダーでは到底ないというふうに理解をしております。
○山内(惠)委員 このほかにいろいろ資料があります。私は、全部持ってこれないぐらい本当にありました。これは「かんでんが「総合的な学習の時間」を応援します!」企業がこれだけお金をかけて、教育にしゃしゃり込んでくる。この総合的学習は本当は自由な観点でやるはずの教科だったじゃありませんか。このことについていかがお考えでしょうか。担当の方で結構です。
○矢野政府参考人 総合的な学習の時間においてどのような教育活動をし、またその教育活動においてどのような教材を使うかというのは、これは基本的にはそれぞれの学校の御判断であるわけでございますから、教材として使ってほしいといういろいろなお申し出があっても、先ほど申し上げましたように、それを使うかどうか、またどのように使うかどうかというのは基本的には学校の御判断ということでございます。
○山内(惠)委員 学校の御判断とおっしゃるにしては、このあらゆる資料が、企業の主張、そして中身は推進、この問題でつくられた資料ばかりが学校に配られることによって、この次の部分になるんですね。もし教職員の皆さんがこれに対して危険だということを主張して資料の中に入れたいと考えたときに、本当に入れられるのか。また子供たち、これは先ほども申し上げましたように、あのジェー・シー・オーの事故で被曝された父親、母親、自分、そういう状況の中で、被害に遭っているにもかかわらず、子供たちは、危険だと思ったけれども大丈夫なんだねという感想をもたらしたり、俳句をつくったり、推進の方向に行っている。こういう状況にしたいのが今の文科省の考えなんじゃないかなというふうに思います。現場に任せる、現場に任せる、この間随分お聞きしましたが、でもそうおっしゃった後には、処分、処分の結果がいろいろな形で出てきているということを指摘しておきたいと思います。
そして、私は、質問主意書の中で、旭川学テ判決の判例の問題を出しました。国の正当な理由に基づく合理的な決定権能の範囲であれば許されると考えるとおっしゃるお答えをいただいたんですけれども、原子力を機軸とするエネルギー政策は、普遍的な真理ではもうありません。世界的に見れば、もうこれを何としても廃止していこうという方向にあります。争う余地のない科学的真実でもなく、現に、国民世論を二分し、国民の間で深刻な対立のある政策です。それを、この政治経済の情勢が変わり、政権担当もかわる、そういう中で、今の政権が推進しているというような問題を学校教育に持ち込むことは教育基本法に反すると考えますが、いかがですか。
○加納大臣政務官 教育基本法に反するかという一点にお答えしたいと思います。
教育基本法は不当な支配という、不当な支配を行ってはならないということを教育基本法の第十条で明確にしております。
それで、現実に原子力が果たしている役割、そして原子力の持っているリスク、そのリスクをどのようにコントロールしているのかというのを客観的に生徒たちにも教え、そして生徒たちがみずからで考えるということが非常に重要なんですけれども、特定の先入観に基づいて原子力に反対しなければならないと思い込むことも、特定のまた先入観に浸って原子力しかないと思い詰めることも、どちらもいかがかと思うところであります。あくまでも客観的、科学的に、情緒的じゃなくて科学的に、学校現場というのは冷静にやらなきゃならない。
私も学校の教員の経験者でありますから、十三年間大学で教えてまいりましたけれども、また高校、中学校の役員もやってまいりましたけれども、そういうことで、客観的な事実を子供たちに教える。いいところずくめ、悪いことずくめでは、どちらもいけないと思っております。それが教育基本法の精神だと理解しております。
○山内(惠)委員 文科省がかかわり、経済産業省がかかわって、そしてできた「エネルギーと環境」、この中にあなたのおっしゃったような大事なこと、書かれていますか、全く書かれていない。これからは地方の自主性でつくられるかもしらないけれども、そんなことは全く書かれていない。経済産業省がつくったものにもそんなことはどこにも書かれていません。
そういう状況の中で、この不当な支配ということでいえば、一方的な情報を流しているという意味で、両方の情報を流していませんよ。そのことで大変中立に反するということを私は言ったのです。
六ケ所村で中間貯蔵施設ができていくという中で、何日か前ですけれども、世界の原子力機構は、プルトニウムの核兵器に転用しないようにということで監視をしなければならないという記事があるんですよ。世界から見て、この原子力発電、大変問題視される時代を迎えているという意味では、一方的な先入観ではなくて、国論を二分すると私は言っています。賛成の方もいる、反対の方もいると私は申し上げているんです。一方的に安全だと私は言っているんでもなく、一方的に反対だと言っているわけでもありません。
しかし、文科省や経済産業省がかかわった資料は一方的です。その意味で、私はこれが問題だということを言っているんです。
そろそろもう国はこの政策を見直すべきではないかというのが、この間の毎日新聞の記事もそのように終わっています。私の北海道にある北海道新聞もそのように書いています。全国の新聞が、この三十兆円問題を見たときに、やはり今考えるときではないかと言っています。また、住民投票で本当に長い闘いをしてきた住民の皆さんが、やっと反対が多くなった、そうしたら、これだけ莫大なお金をかけて資料をつくる。この資料をつくる方たちは、はっきり言って一方の情報を流しているわけです。
私も北海道に帰りましたら、深地層研究所の問題を随分大事だ、大事だ、安全だというPRをしていらっしゃるんですが、北海道で核抜きの深地層研究所、それは私は、お約束どおり、この深地層研究所の中に核なんか入れないと思います。しかし、その近辺のところに、この地層が割といい地層であったとなったときに、それはだれが判断するかということはありますよ、なったときに、周りに埋められる、埋められない保証はない、そんなやり方で持ってきているこの状況を私はしっかりと批判をしておきたいと思います。
そして、このプルサーマル計画、住民が反対、何年かけて闘ったんですか。この結果が出たら、今度はお金でこれだけの資料をつくって、そしてもう公共施設その他に配布して使っていく。
私は、最近ではありませんけれども、子供たちが見る映画館のあのアニメーションですね、宮崎駿さんの映画を見に子供たちがたくさん行っているところに私も行ったときですよ、間でテレビのコマーシャル、原子力は安全です、安全です、安全ですという、あの大画面でやっています。これこそ一方的な情報じゃありませんか。このことについてお聞かせください。
○加納大臣政務官 いろいろなことをおっしゃっていますけれども、プルサーマルは、これは原子力を我々が選んだということから考えますと、原子力の化石燃料にない特性はリサイクル性をおいてないというふうに考えております。
IAEAの六ケ所村の査察の問題は当然のことでございまして、我々は核不拡散ということをIAEAに、文部科学省も経済産業省もフルにコミットしておりますから、あらゆる新しい施設ができればIAEAがしっかりと査察をするというのは当然のあかしだと思っております。
北海道の深地層の例も出ましたけれども、ホットのものではないということを言っているところでございます。(山内(惠)委員「いや、もうそっちはいいです、この辺をお聞きしていませんから」と呼ぶ)私は今発言中でありまして、委員長の御指示があれば私は発言をやめますので、私は発言を続けたいと思っております。
そのようなことでございますので、また、教科書が一方的につくられているということもおっしゃいましたけれども、一方的ではなくて、これは高等学校の現場の物理とか化学とか数学とかをしっかりと教えておられる先生方が執筆したものであって、その方々を一方的だと決めつけるのは、その方々にとって大変私はいかがな表現かというふうに思っております。
それから、国民は、住民は反対していますとおっしゃいますけれども、住民で賛成している方もおられます。いろいろな方がおられます。そして、国民の声を代表しているのは国会でありますから、国会が国民の声を反映してエネルギー政策をしっかり決めなければいけないというのが、今国会にかかっているエネルギー政策基本法であると思っております。
○山内(惠)委員 新しいエネルギーの問題も、大変問題があります。廃棄物の再利用だなんてとんでもないことを考えながら新エネルギーなんて言っていることも問題です。私は、ここの問題を……(発言する者あり)まだたくさん問題がありますが……
○河村委員長 時間が来ております。
○山内(惠)委員 風力発電だって、買い上げを限定で、もっとつくっていくのも、買いたたきをして限界を決めて、そしてやっているではありませんか。本当に中立の政策ではないものを学校現場に持ってくることについて、何回も言います。賛否両論の、国論を分けるようなこの問題を教育の中に持ってくることは、憲法、教育基本法に反するということを言って、終わりたいと思います。
○河村委員長 本日の議事は、以上をもって終わります。
次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。
午後三時五十一分散会
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