| (国会会議録より関係箇所抜粋)
平成十九年三月七日(水曜日)
午前十時開会
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○委員長(尾辻秀久君)
ただいまから予算委員会を開会いたします。
(中略)
○委員長(尾辻秀久君)
それでは、これより質疑を行います。加納時男君。
○加納時男君
おはようございます。自由民主党の加納時男でございます。
今朝起きまして読売新聞を見ましたら、その十一面に非常に大きな記事が載っておりました。「資源争奪」というシリーズを始めるそうであります。「問われる戦略」と書いてございます。そして大きな見出しは、「石油確保 揺れた国策」「市場任せ 代償重く」とございます。あるいは、ごらんになったかもしれませんけれど、これについて外務大臣にまずお伺いしたいと思っております。
これまで、いろいろなエネルギーをめぐる政策について様々な議論が国会でもなされてまいりました。エネルギーは国民生活、経済社会の血液でありまして、普通の商品、オーディナリーコモディティーとは違うという議論がございました。そして、二〇〇二年に、それまでの、その場その場では正しかったけれども一貫性がやや乏しかったエネルギー政策に一貫性を持たせようということで、自民党では甘利明さんを当時の小委員長にしまして、エネルギー総合政策を作るということにし、そしてその後、これはエネルギー戦略合同会議に発展し、今日御出席の現尾身財務大臣が全体の会長としてまとめられました。そういうことで、揺るぎなき戦略を作ってきたつもりでございます。
そして、それも国会で議論され、参議院では八八%の賛成を得てエネルギー政策基本法ができました。その中では、エネルギーは普通の商品ではない、あくまでもその場その場の、あした安ければいい、今日安ければいい、後のことは知らないというものではない、エネルギーのセキュリティーと環境との調和を大原則にして進めていこうということを決めたつもりでございます。
今日の新聞では、それについてのコメントがいろいろ載っておりまして、二つの政策があったと。一つは、石油は金を出せばマーケットからいつでも買ってこられる普通の商品ではないかという考え。これがいわゆる石油公団の廃止、それから電力、ガスの自由化、中には発送配電を分断してしまえと、無責任に分断しろとか、ガスの製造販売を分断しろという誠に無責任な議論も外国と呼応して日本の国内であったのも事実でございますが。もう一つの考え方は、そうではないと、セキュリティーと環境、両面に非常に関係の深い特別な商品ではないだろうか。そして、これはやはり政策の原則を明確にすべきだというのが政策基本法の考えでありますが、こういった二つの考え方の間で揺れ動いてきたというようなコメントが新聞には載っておりましたけれども、これについて、最近の状況も考え、外務大臣の御所感を伺いたいと思います。
○国務大臣(麻生太郎君)
加納先生、やっぱりエネルギーとか食料とかいうものは、確かにコモディティーであることも間違いありません。石油の一滴は血の一滴、第一次世界大戦から言われた言葉ですから、たしかこれはクレマンソーが言った言葉だと思いますが、その当時から言われておりますんで、時代とともに、LNGが出ましたり石油の新しいのが出ましたりするたんびに、またというので、どんどん、いろいろ、たんびたんびに状況は変わってきておりますんで、これが戦略物資である、まあそれは食料もそうでしょうし、いろいろございましょうけれども、そういうのはもう間違いなく言える面と、金を出せばそれは高い方に売るに決まっておりますので、戦争状態でもなければそういうことになろうと存じます。これは両方あるんだと存じますが、国としては、これは安定したものをきちんと持っておくような努力というのは大変大事なところなのであって、今後ともそういった努力をしていかねばならぬというのが一点。
もう一点は、基本的には石油のリッター当たりの消費量、生産効率、熱換算率、いろんな表現がありますけれども、日本というのは省エネ技術を物すごい勢いで一九七〇年代後半から開発した結果、日本の場合は、エネルギー効率、多分リッター当たりでいったら世界一になっております。IEAのたしか資料だったと記憶しますが、ロシアが十九・幾つ、インド、中国が九・幾つ、アメリカが二、いや三・幾つだったか、ちょっと正確な数字じゃありませんけど、そういった数字が出まして、極めて、日本はそれでいけば簡単に言えば他国に比べて物すごい石油の絶対量が少なくて済むという状況になっておるというのが強みなんだと思いますんで、この技術は今後とも海外に対して、環境技術の一環、またエネルギー効率技術の一環として海外に出すことによって、それらの国々は輸入する量が少なくて済むことになりますので、そういったようなことをいろいろ考えながら、他国との関係やら、またエネルギーを産出している国との関係につきましてもきちんとした対応をしていきたいと存じます。
○加納時男君
ありがとうございました。正にその方向で進めていただきたいと思っております。
大臣が最後で触れられました産出国の動向でございますが、私、非常に憂慮をしておりますのは、一つの言葉で申し上げると、言わば資源ナショナリズムというか、それが出ていると思います。資源外交をめぐっての大きな変化、三つほどあると思うんですけど、一つは、発展途上国、中国、インドを始めとする途上国の経済成長が急であり、これに伴うエネルギー需要、なかんずく化石燃料需要の増加が著しいこと、二つは、産出国のナショナリズム、それから三つ目は、その中にあっての日本の自給率の低さと、こういった問題意識で今日は質問させていただきたいと思っているところでございます。
特に、アメリカが非常に依存しておりますのは南米、中南米でございますが、ベネズエラではチャベス大統領が反米政権となり、そしてまた石油資源の国有化を図る。同じようなことがボリビアでエクアドルで行われ、非常に南米でナショナリズムが高まっています。
南米だけかというと、例えばロシアを見ましても、昨年はウクライナそしてベラルーシ、天然ガスの価格交渉がこじれまして、供給を制限する、それがヨーロッパ諸国にも影響するということがありました。
それだけではありません。日本にとっても非常に重要な拠点でありますサハリン2について、これも、元々はロイヤル・ダッチ・シェルが三井物産、三菱商事といった連合軍でロシアがとてもできないと言ったところを開発して、そして東京電力の百五十万トンを始め、買主も付いて、でき上がったところでロシアから環境上問題ありといって、落としどころは、要するにロシアの国営会社でありますガスプロムが権益を過半取りたいということで、交渉の結果、株を譲りまして、五〇%プラス一株ということで過半をロシアが制したわけでありますが、こういうこと全体を見ていくと、非常にナショナリズムが強くなっていると思います。
以上のいろんな変化がございますが、これに対して日本の対応として、今大臣がしっかりおっしゃったことを実現していくために、私もそのメンバーになっておりますが、自民党では外交力強化の委員会、森元総理が委員長をやっていらっしゃいますが、そこでいろいろ議論していますが、外交力強化が非常に大事ではないかと思います。大臣の御所信を伺いたいと思います。
○国務大臣(麻生太郎君)
日本として今、石油に限りませんけれども、エネルギーの輸入元が中東に約九割と極端に偏っております。昔はインドネシアやメキシコ辺りからも随分輸入がありましたけれども、絶対量が下がってきておりますんで、そこらのところの国々の国内消費だけで、輸出に回るだけの力がなくなってきた等々いろんなことがあっております。したがいまして、日本の場合は輸入、輸出先を多様化させるということで、東シベリア、サハリン、いろいろ開発というものに関してかなりいろいろな努力が行われてきております。しかし、今言われましたように、各国ともエネルギーに関しては極めて国有化というのがすごく強くなってきておるというのも間違いない事実だろうと存じます。
そういうのに当たりまして、いわゆるIEAとかいろんなところで交渉することになったり、またそれらの国が直接外務省通して交渉したり、またいろいろな形で、人というもののお話だったと思いますが、外交力というか、それらのところに人を出す、またそういったところの人とコネクションがきっちりでき上がるというのは、これはすごく大事なところでもありますんで、日本としては、それらの国々に対して、こっちはエネルギーがないけどそっちは技術ない、そちらには工業力がない等々いろいろありますんで、そこらの国々は石油だけで食えるわけでもありませんので、そういったところを、日本の持っております優位さ、向こうの持っております優位さ、それを、お互いさまですから、そういったところはきちんと向こうに利を、利益、利を説き、そしていわゆる関係をきちっとつくり上げていくという努力はいろいろいたしております。
一環といたしまして、例えばカタールがいい例だと思いますが、あそこのLNG、できておりますものの一〇〇%を日本の中部電力が買っておると思いますが、この中電が買っております分で膨大な利益があり、一人当たりの額で年間GDPでいったら日本より高いぐらいになっていると思いますが。そこのところに関して、物すごく金が余った分何されるんですかと言うと、教育に回すという話を、この間皇太子と話をしたときにそういう話でしたんで、教育は我々と一緒にやられる気はありませんかという話をする等々、そういった形でいろんな形での人間関係ができ上がらねばならぬということで、外交力強化ということでいろいろ努力をいただいておりますことについては我々としては物すごく有り難いところで、感謝を申し上げます。
○加納時男君
ありがとうございます。どうぞよろしくお願いいたしたいと思います。
今の関連で、読売新聞にはこんなことも書いてございます。甘利経済産業大臣は昨年末の記者会見で、二〇〇七年の課題は何ですかという質問に対して、エネルギー外交であろうと、資源確保に政府は積極的な役割を果たす方針であるというふうに答えられたというのが今日の記事に載っておりまして、正に外務大臣と同じ方向であるということで心強く思っていますが、石油、天然ガスの上流部門に対する経済産業大臣としてのお考えを伺いたいと思います。様々な問題、資源国のニーズの掘り起こしだとか、強力なプレーヤーの創出等あるかと思いますが、お考えを伺いたいと思います。
○国務大臣(甘利明君)
加納先生御指摘のとおり、石油や天然ガスは再生産が利きませんし、存在している地域がある一定、世界に公平に分布をしておりません。で、資源ナショナリズム、国家管理も進んでいく。ですから、これはきちっとした国家としての戦略を持っていかないと、市場で買ってくれば事足りるということにどうしてもならない戦略物資であります。
その際には、上流部門にどうかかわっていくかということが極めて大事だと思っております。資源外交で、外国と外交交渉を通じて政府レベルでの信頼関係を築いていく。何があっても日本にだけは供給しなきゃという思いを相手の国に抱いてもらう。それから、プレーヤーをきちんと育成をしていくということが大事であります。日本のプレーヤーは脆弱なものがたくさん散在するという状況にありましたから、いろいろと統合等を図りまして、メジャーと正に同等というまではいかないにしても、準ずるぐらいのプレーヤーを育てていくということ。それから、国がどうコミットするかということが大事で、民間任せでどうぞということであると、それぞれ相手の国がかかわってくることでありますし、この間のサハリン2の問題でも指摘をされましたけれども、民間任せでいいのかと随分私も指摘をされました。
水面下でいろいろやらせていただきましたけれども、これは国がより直接関与をしていくという体制を作った方がセキュリティーという点、安定供給という点からはいいんでありまして、そこでどうかんでいくかということは、貿易保険とかあるいは債務保証で国がしっかりかんでいくと。そうすれば、日本自身が利害関係当事者になるわけでありますから、いろいろ注文も付けられるということになろうかと思います。
○加納時男君
ありがとうございました。
今大臣おっしゃったように、資源国のニーズの掘り起こしから始まりまして、INPEX、非常に大きくはなりましたけれども、それでも世界のスーパーメジャーと言われておりますBPとかロイヤル・ダッチ・シェルとかエクソン・モービルから見るとせいぜい十分の一でございますし、トタールの五分の一ぐらいでしょうかね、まだまだメジャーにはほど遠いのでございますので、大臣おっしゃるような方向で是非やっていただきたいと思っています。
そしてまた、今の甘利大臣のお話の中で、国のコミットメントが大事だということがございます。全く同感でございまして、そういう意味では、JOGMECの出資比率を五〇%から最大七五まで増やすことだとか、債務保証もそうでありますが、こういったようなことは非常に大臣になられて立派な成績を上げておられると思います。
お話の中でございました国のコミットメントという点で、財務大臣に伺いたいと思います。
JBICの件でございます。国際協力銀行という今名前になっておりますが、例の政策金融機関の統合ということで大分激しい議論をしました。私は最後まで一本化に実は反対をしまして、国内向けで一本、国外向けで一本、合計合わせて二本、我が日本国は二本で行くんだなんて言ったんですけれども、これは議論は少数意見で退けられまして、多数意見のような気もしたんですけど、少数意見だということになりましたんで、結果は結構ですけれど。
非常に心配なのは、JBICが果たしてきた正に資源確保、エネルギー確保での大きな役割であります。民がやること、私は大賛成でありますが、相手が何しろ、さっき申し上げましたようなナショナリズムが強くなってきております。中国も大きな国営会社、中国海洋石油公司だとか中国石油化工集団公司といったようなところがどんどん海外権益の取得に乗り出しています。こういうところで産油国の方もかなり国営、国策会社が正面に出ている、八割が占めている、日本は民間だけである。国のバックアップというのが私は必要だと思います。
その意味で、JBICの持っている信用力、あるいは資金供給能力というのは非常に大事ではないかと思うんですが、尾身大臣の御見解をお伺いいたしたいと思います。
○国務大臣(尾身幸次君)
中国の資源外交の動き、それからまたロシアの非常に厳しいというか、はっきりした国家利益を資源供給サイドの政策に反映しているという動きについては私どもよく承知をしているところでございます。
大きく資源を海外に依存している我が国としては、資源、エネルギーの安定確保のために経済協力を活用していくことは極めて重要でございまして、JBICの国際金融業務はこれまでの我が国の資源、エネルギー確保にとって必要不可欠な役割を果たしてきたと考えております。
今回の政策金融改革におきましては、官から民へという観点から、民業の補完に徹して新政策金融機関に承継される機能は政策金融として必要なものに限定されることになっております。その際、我が国にとって大きな問題である資源の海外における開発あるいは取得を促進するための業務につきましては、行革推進法においても新機関に承継されることが明記され、これを踏まえて先般閣議決定されました日本政策金融公庫法案におきましても新機関の業務とされているところであります。
また、国際金融業務を行う部門の名称につきましては、法案におきまして国際協力銀行、JBICの名称を用いることができるということになっておりまして、このような制度的な手当てを生かしまして新機関が引き続き資源金融機能をしっかりと果たしていくことを私どもとしては期待をしているところでございます。
○加納時男君
ありがとうございました。是非その方向でしっかり進めていただきたいと思っています。
ところで、このエネルギー・資源外交を進めていく場合に、様々な問題点があります。官房長官に伺いたいと思いますけれども、例えば、今いろいろお話があったように強力なプレーヤーをつくる、国がコミットしていくと。それに加えまして、各省の枠を越えた統合的な戦略が必要だろう、そしてODAもこの観点で組み込んでいかなきゃいけないし、経済連携協定、さらには様々な、例えば来年行われる日本でのG8サミット、あるいは様々な場でこのエネルギー、資源を外交の面で進めていかなきゃいけないだろうと思っています。その場合に、例えば首脳外交というのが非常に重要な点でありまして、小泉前総理がカザフスタンを訪問されて原子力協定を合意されたというのも非常に大きかったと思いますし、最近では、新内閣になられて、官房長官が塩崎官房長官になられてからですが、安倍総理のベトナム訪問に百二十人の経済人のリーダーを一緒に行ったと。外国はずっと今までやっていました。フランスの大統領も経済人を連れて中国へ乗り込むとか、絶えずそれをやっておりますけれども、日本がようやくこれができたというのは私は大きな前進だと思っております。
私は、ここで質問は、エネルギー・資源外交に懸ける官房長官の思いを是非一言伺いたいと思います。
○国務大臣(塩崎恭久君)
先生もエネルギー問題には本当にもう長い間取り組んでいただいて、いつも御指導いただいております。
先ほど麻生外務大臣から申し上げましたように、この資源、エネルギーをほとんど外国に依存する日本として、国民の安定的な経済生活を維持するという観点からこれは重要な外交の課題の一つであることはもう、このエネルギー安全保障ですね、間違いないところでございます。
今、少しお話ありましたけれども、やはり首脳外交を始めハイレベルの要人の往来が大事であり、また先ほどのお話ありました経済連携、EPAですね、それからODAを戦略的にやはり活用していかなければならないということ、そんなことを通じて資源・エネルギー生産国との関係強化、海外における自主開発、これは日本の企業の自主開発、これを取組を支援していく、さらに、供給源の多様化ということをやっぱりやらなきゃいけないと、そういったようなことを総合的に進めることがやっぱり大事じゃないかということで、安倍総理もかねてから官邸でそれをきちっと司令塔としてやるべきではないのかということでございました。
最近では、東アジア、セブ島でこの間会議、東アジア首脳会議がありましたけれども、そのときに、東アジア・エネルギー安全保障に関するセブ宣言というのがありました。日本が随分貢献をしていたわけでありますが、こういうものもございましたし、G8サミットでも、首脳レベルでエネルギー安全保障について共通の理解を深めて今後の協力の在り方についても合意をしているということで、国際対話にも随分力を入れてまいりました。
近くは、先般、国家安全保障に関する官邸機能強化会議、ここが提言をまとめましたけれども、この国家安全保障会議というのをつくるべきではないのかということで提唱しております。元々、安倍総理の強い意思があったものでございますが、この中で専門会議というのをつくれるということに提言をいただいております。この会議の中でいろんな議論をいたしましたけれども、その中で、資源・エネルギー安全保障問題を例えばこの専門会議の一つに取り上げて議論していくべきではないのか、正に官邸が司令塔となってエネルギー安全保障、資源安全保障を仕切るべきではないかと、こういう意見も出たぐらいでございますので、今後こういったことを含めて議論を深めてまいりたいと思っております。
○加納時男君
ありがとうございました。
ここで、話題をもう一つの話題、地球環境問題に移したいと思います。初めに、環境大臣にお伺いいたしたいと思います。
来年、二〇〇八年から京都議定書に定めます第一約束期間が始まるわけでございますが、そしてそれに向かって日本は地球環境保全のための、温暖化防止のための京都議定書目標達成計画を閣議決定しているところでございます。その目標達成に向かって今努力をしているところでございますけれども、その達成に向かっての状況、特に最大の課題は何でしょうか、それに対してどのようにそれを克服していくとお考えでしょうか、伺いたいと思います。
○国務大臣(若林正俊君)
京都議定書の目標達成計画では、委員御承知のとおり、我が国は六%の削減約束をいたしております。これは国内の排出量の削減、森林吸収源、京都メカニズムによって達成すると、こういう計画になっております。この目標の達成には、国内排出量を早期に大幅に削減し、森林吸収源を確保することが最大の課題だと、このように認識しておりますが、そのために、計画に盛り込まれております検討の対象項目は約六十項目に及んでおります。これを一つ一つ確実に達成することが必要であります。
一方、二〇〇五年の温室効果ガスの排出量速報値は一九九〇年度に比べて八・一%増加していると。このような厳しい状況を踏まえれば、計画で示された対策、施策の一層の加速化を図ることが必要になってきております。
さらに、来年度までに計画の定量的な評価、見直しを行うこととしておりますが、現在、中央環境審議会と産業構造審議会合同で各部門の対策、施策の進捗の状況についてヒアリングをいたしているところでございます。今後、このヒアリングの結果を受けまして、排出量の見通しと対策、施策の進捗状況を厳格に評価をし、最も排出量が多い産業部門を始め、必要に応じて各分野における対策、施策を追加することによって六%の削減約束の確実な達成を図ってまいりたいと、このように考えておりますが。
この森林吸収源につきましては、基準排出量の三・八%に当たる年間千三百万炭素トンをここで確保することにしておりますが、そのためには平成十九年から二十四年度の六年間において毎年二十万ヘクタール以上の追加の森林整備が必要とされておりまして、そのために、この森林対策として十八年度の補正予算で五百三十億、十九年度当初予算については二百三十五億円を計上し、二十三万ヘクタールの間伐等による森林整備を進めることにいたしておりますが、以後の年度におきましてもこの財源をしっかり確保しながら、ここを推進することによりまして三・八%分は間違いなくここで確保しなければならない、財源問題というのは大きな問題だと、こう認識いたしております。
○加納時男君
分かりました。ありがとうございました。その方向で進めていただきたいと思っております。
ところで、環境と経済を同時に実現していくために何が要るのか、昨年まとめましたエネルギー戦略合同部会の答申、自民党のがございます。それは、尾身会長、甘利座長の下でまとめたものでございますが、それをひっ提げてお二人とも閣内に入られましたので、非常に期待しているところでございますが。
その中でキーワードがございます。それは、炭素から離れていく、脱炭素化、ディカーボナイゼーションということでございますが、世界じゅうにこれを発信したところ、ヨーロッパでは、そうだと、ローカーボンソサエティーというのを目指そうというんで直ちに呼応してくれているわけでありますが、その中のエッセンスは四つあって、量は少ないけれどもしっかり生かしていこうと思う再生可能エネルギー、そして、当面最大のウエートを持っている化石燃料のクリーンかつ効率的な利用、そして、何といっても中心となるのが省エネルギーと原子力と、こんなようなことで位置付けしたわけでございます。
昨日、松村龍二委員の質問に対して安倍総理から原子力について、安定供給性に優れている、発電時にCO2を出さない、環境に優しいエネルギーであるということをはっきりおっしゃいまして、安全確保が大前提でありますが、強力に推進していくというお言葉がございました。
環境省から原子力についてのお言葉って今まで余り、正直言って現大臣の前までは余り聞いたことないもんですから初めて伺いますが、環境大臣は原子力についてどのようにお考えでしょうか、お伺いしたいと思います。
○国務大臣(若林正俊君)
原子力発電につきましては、地球の温暖化が世界的な課題になっており、国民の関心も非常に強くなってきていることによって大分この理解が、認識が違ってきているように私は感じております。
昨日も安倍総理が申し上げておりますが、この原子力発電は、供給の安定性に優れ、また発電過程で二酸化炭素を発生しない、そういう意味では温暖化という観点から見ますと、委員がおっしゃられましたように、地球環境に優しいエネルギー源だと、このように認識をいたしております。
その意味では、今後ともこの安全の確保をもちろん大前提にいたしまして、政府、電気事業者、メーカー、関連のメーカーなど関係者が一体になってこれを強力に、原子力発電を強力に推進していっていただきたい、そのように考えているところでございまして、京都議定書の目標達成計画においてもそのような認識を示していると理解しているところでございます。
○加納時男君
環境大臣から明確なコミットをいただいたというふうに理解いたします。ありがとうございました。
国交大臣にお伺いいたしたいと思います。
実は今、京都議定書目標達成計画の議論をしているところでございますが、これは実は国土交通省に非常に私は大きなお仕事をしていただくことになるんじゃないかと思っているところでございます。なぜならば、産業部門、民生部門、輸送部門と分けますと、その三つの中で非常に増加が著しいのは民生部門、輸送部門である。これは大臣の御所管かと思っております。
そこで、そういった環境問題での、特に地球温暖化防止上、国土交通省が果たしていただく役割は何かというのが一つと、もう一つは、私もバッジ付けておりますけど、何としても次の次の、この先のオリンピックでございますが、東京に誘致したいという議員連盟にも実は入っているところでございます。その東京オリンピック、決まったわけじゃなくて、これから外国と競り合うわけでございますが、その目玉に省エネルギー都市東京というようなことをうたって、グリーンなシティーでオリンピックというので東京に誘致したいと思っているんでございますが、そういうとき、例えばオフィシャルカーとして炭素分の少ないものを使う、電気自動車であるとか、あるいはプラグインハイブリッドだとか、あるいはメタノール車であるとか、あるいはバイオ燃料を活用した自動車が走っている、あるいはLRTなんか走っているとか、いろんな輸送システムとか居住環境も変えていくとか、緑の多い町にする、いろんな夢があると思うんですけど、御所感があったら伺いたいと思います。
○国務大臣(冬柴鐵三君)
地球規模で発生しています地球温暖化への取組は、国際社会共通の重要課題であります。そのため、平成十七年四月に閣議決定されました京都議定書目標達成計画におきましては、運輸部門、民生部門など、部門ごとに二酸化炭素の排出量削減の目標が定められているところでございます。
このため、国土交通省といたしましては、例えば運輸部門につきましては、自動車の燃費向上に資するハイブリッド車や低公害車の普及など、自動車単体の対策、これを進めています。後でちょっと詳しく申しますが。
それから、道路の渋滞緩和など交通流対策。例えば、二十キロで走る自動車を時速六十キロで安定的に走らせますと、CO2排出量は四〇%も削減することができます。したがいまして、環状道路や高規格の幹線道路の整備による走行速度の向上ということも大きな取組の一つでございます。それから、鉄道や海運へのシフト、すなわちモーダルシフトなどによる物流の効率化であります。例えば、トラックから鉄道輸送に切り替えますと八分の一、それから内航海運では四分の一に排出量が減らすことができます。それから、バスや鉄道などへの公共交通機関の利用の促進であります。これは乗用車からバスに乗り換えると十分の三、それから鉄道へ乗り換えますと、これは九分の一という顕著な効果が出ます。このようなことで二酸化炭素の排出量は、近年ようやく運輸部門におきましては横ばいから低減傾向に入ってまいりました。
次に、民生部門の住宅建築物の分野でございますが、これがなかなかの難題でございますが、昨年四月に施行されました改正省エネ法によりまして、建物の天井、外壁あるいは床材に断熱材を使う、あるいはひさしやブラインドで外光を遮断する、あるいは窓の開放部分を二重ガラスにするとか二重サッシにすることによって、要するに今までのように冷暖房によるものを節約しようというところから、もう外気温との遮断によってそういうものを使わなくても快適な生活が行われるということを進めております。そしてまた、二千平方メートル以上の共同住宅に対しては、そのようなものを届出義務を課すことにいたしておりまして、そういうことで住宅や建築物の省エネ性能の向上を図ってきているところでございまして、また屋上緑化、壁面緑化、道路の保水性舗装など、ヒートアイランド対策も推進をいたしております。
なお、二〇一六年のオリンピック招致に絡んで、こういうものを外国にもっと宣伝してはどうかという大変心強い御提案がございましたが、私もそのように思います。
例えば、省エネルギーに資する技術は、今申し上げましたように多数あるわけであります。例えば、自動車分野では、排ガスはゼロの電気自動車の開発がありますし、それから、内燃機関とモーターの二つの動力源を巧みに切り替えるハイブリッド車、これは約三十万台が普及しようとしております。それから、水と酸素の化学反応によって発電して、したがって排出するものは水だけという究極の低公害車だと思いますけれども、燃料電池自動車、これはまだ開発途上ですけれども、こういう地球環境に優しい自動車の開発普及、バイオ燃料への対応などが積極的に進められているわけでありまして、この成果につきましては、例えば二月十九日、二十日、東京で開催いたしました第二回環境にやさしい自動車国際ワークショップにおいても、こういう低公害車を展示することにより、積極的に世界に向かってこのPRを既に行っているところでございます。
また、地球温暖化の対策の観点から住宅が大きな問題でございまして、従来、日本では三十年ぐらいで住宅は壊して建て替えてまいりましたが、これでは建築用廃材等によるCO2の排出とかあるいは資源の無駄遣いということから、いいものを造ってきっちり手入れをして、そして長く大切に使おうということで、その面からも環境対策は行っているところでございます。
それから、今まで述べてきたようなものを、建築物の総合的な環境性能を評価して表示する、そのことによって販促の手段にしたり、そういうふうなことで使われようとしているわけでありますが、この結果も国際会議などで発表して、他国にも使用されるように積極的に働き掛けていきたいと。
それから、国の庁舎におきましても太陽光発電の導入とか建物の屋上緑化、国土交通省はこれ全部やっておりますが、グリーン庁舎等の改修も進めておりまして、こういうものを、ヒートアイランド現象の緩和についても国際的にアピールをしていきたいというふうに思っております。
そのような先進的な省エネルギーの取組を積極的に今後も政策の柱として取り組み、そしてまたその成果を国際的にPRをしていくという大事な視点だと思います。
ありがとうございます。
○加納時男君
ありがとうございました。
それでは、私の最後の質問になりますが、甘利経済産業大臣に一言伺いたいと思います。
よく新エネで脱石油というような言葉を使う方もおられたんですが、私どもちょっとよく分からないんですが、脱石油じゃなくてむしろ石油は重要なエネルギーでありますので、上流部門では安定確保、それから連産品でございますので、最後に出てくる例えば残滓油やなんかも、これを有効にガス化してIGCCで活用するというようなクリーンかつ効率的な利用が本命じゃないかと思っていますが、そういうことで考えますと、どうも脱石油という言葉は変じゃないかと。
今回、近く閣議決定する予定のエネルギー基本計画では脱石油という言葉は全く使われておりません。これは恐らく石油も有効に使おうというお考えだろうと思います。そうなりますと、今あるこれの根拠になっている代エネ法、石油代替エネルギー法は歴史的役割を果たしたんじゃないかと思います。新エネ法、代エネ法と一緒にしまして、エネルギー有効利用を図る法律あるいはエネルギー高度化利用推進法とか、そんなようなこともこれからは必要かと思いますけれども、脱石油という言葉についての御感想を今日は伺いたいと思います。
○国務大臣(甘利明君)
石油は現在でも一次エネルギーの四九%を占めているわけでありますし、将来、二〇三〇年、その比率は下がるにしても四〇%ぐらい、やっぱり一次エネルギーの大宗を占めているわけであります。
要は、どう石油を効率的にクリーンに活用していくかということが御指摘のとおり大事であります。で、石油というのは連産品でありますから、ガソリンだけ使ってあとは要らないというわけにはいきません。いろんなものが出てきます。それを、それぞれの出てくるものをいかにクリーン利用していくか、そういう点ではIGCCなんというのは確かにこれから大いに活用していかなきゃならない、技術もありますし、受入れ体制もできつつあると思います。
一次エネルギーの大宗を占める石油について、できるだけ効果的にクリーンに有効に活用していくという方向で政策を推進していきたいと思っております。
○加納時男君
ありがとうございました。
私の質問はここまでにさせていただきまして、関連質疑を坂本由紀子委員にさせていただきたく、よろしくお願いいたします。
○委員長(尾辻秀久君)
関連質疑を許します。坂本由紀子君。
(以下、略)
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