活動内容

2005年5月の活動

◇5月10日 参議院経済産業委員会にて加納時男議員が質疑をおこないました
◇5月17日 第13回原子力工学国際会議(ICONE−13:in北京)にて基調演説

◇自民党「エネルギー総合政策小委員会」で、議論を深める


◇5月10日 参議院経済産業委員会にて加納時男議員が質疑をおこないました。

5/10の経済産業委員会で、加納時男議員は今国会4度目の質疑を行いました。
今回は、原子力政策の基本に大きく関わる2法案の審議です。

・原子力発電における使用済燃料の再処理等のための積立金の積立及び管理に
 関する法律案(バックエンド積立金法案)

・核原料物質、核燃料物質および原子炉の規制に関する法律(炉規法)の一部
 を改正する法律案

5/10の経済産業委員会で、加納時男議員は今国会4度目の質疑を行いました。
今回は、原子力政策の基本に大きく関わる2法案の審議です。

・原子力発電における使用済燃料の再処理等のための積立金の積立及び管理に
 関する法律案(バックエンド積立金法案)

・核原料物質、核燃料物質および原子炉の規制に関する法律(炉規法)の一部
 を改正する法律案


質疑の概要は次のとおりです。

1. エネルギー政策における原子力の位置づけについて

o「新エネで脱石油」が政府の環境・エネルギー政策なのか?
o 京都議定書目標達成計画における、原子力の役割はどうか?
o 原子力の利用率向上が環境政策上、重要ではないか?
o 前問には、安全規制・保安面でどう対応するか。
o 政府のグリーン調達 〜 エネルギー面での検討状況は?
o CDM(クリーン開発メカニズム)の対象に、原子力を含めるべきではないか?

2. 炉規法の一部を改正する法律案について

o 廃止措置中の原子力発電所において、運転員の制御室24h勤務は必要か?
o 立入調査、改善指示等の効果的実施=関係機関での調整が必要ではないか?
o「設計基礎脅威」(DBT)とは何か。IAEAのガイドラインでは、どのように定めているか。
o DBTの具体的イメージ(例)は?
o 内部脅威対策として人的管理をおこなう場合、国家・社会の安全(公益)と個人の基本的人権・プライバシー保護(私益)との調整をどう考えるか。

(以下、会議録より抜粋)


平成十七年五月十日(火曜日)
   午前十時一分開会
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○原子力発電における使用済燃料の再処理等のた
 めの積立金の積立て及び管理に関する法律案(
 内閣提出、衆議院送付)
○核原料物質、核燃料物質及び原子炉の規制に関
 する法律の一部を改正する法律案(内閣提出、
 衆議院送付)
    ─────────────
○委員長(佐藤昭郎君) 原子力発電における使用済燃料の再処理等のための積立金の積立て及び管理に関する法律案及び核原料物質、核燃料物質及び原子炉の規制に関する法律の一部を改正する法律案の両案を便宜一括して議題といたします。
 政府から順次趣旨説明を聴取いたします。中川経済産業大臣。

○国務大臣(中川昭一君)
<提案趣旨説明 略>

○委員長(佐藤昭郎君) 以上で両案の趣旨説明の聴取は終わりました。
 これより質疑に入ります。
 質疑のある方は順次御発言願います。

○加納時男君 自由民主党の加納時男でございます。
 初めに、エネルギー政策における原子力の位置付けについて、中川大臣にお伺いいたしたいと思います。
 この経済産業委員会において、三月十五日、中川大臣の所信説明に対する質疑を、私、行わさしていただいたところ、大臣から、供給の安定性、そしてまた気候変動など、地球温暖化防止のためにも原子力は重要な政策であり積極的に推進するという大変力強いお言葉をいただいたところであります。
 それから約一月後だったと思いますが、四月十六日の日に官邸のホームページ、私、時々見ているんですが、これ非常に短くてポイントがよく載っているラジオトークという、総理のラジオトークが載っているんで時々見ているんですが、一月後にこれ見ていましたらば、ちょっとあれっと思ったことがありました。それは一言で言うと、新エネルギーで脱石油をという趣旨にどうも聞こえるわけであります、音も聞こえるわけですけれども。
 盛んに言っておられたのは、新しい官邸ができた、太陽光が入った、これから、余り出力は出ないけれども小さくても風力も置いておく、燃料電池も入った、いよいよ新エネルギーの時代であると、何といってもエネルギー政策では脱石油が大事だと、脱石油のためには太陽光だ、そして風力だ、そしてバイオだ、こういったことをやっていく、これが大事なんですとおっしゃって、私、これ大事だということはよく分かるんですが、脱石油というのちょっと引っ掛かったのと、それからもう一つ、脱石油は新エネでと、この二か所にちょっと、もう少し説明があっていいのかなと思ったんですが、何分あのホームページ非常に短くて、おっしゃる方も非常に短い言葉でおっしゃるものですから、余り説明がなかったんでちょっと誤解を受けるんじゃないかと。
 私のところに実はいろんなところから、私もホームページ開いてやっているものですからメールがしょっちゅう入るんですけれども、大分抗議のメールが来まして、何か政府の方針というのは新エネで脱石油ですかと言うんですけれども、いや私は、まああれはいろいろあって、その一部であって、あれはその部分は正しいけれども、全体はもうちょっとあるんですというふうに言ったんですけれども、そこを今日は確認したいと思います。
 実は、それからまた半月たちまして、先週のことでございます。先週の五月二日、大臣はパリに行かれました。IEAの閣僚理事会、私もIEAの仕事は専門家会議の副議長を五、六年務めたんでしょっちゅう行っていますんで大体内情は分かるつもりなんですが、中には非常に原子力が好きじゃないヨーロッパの一部の国がしょっちゅう発言する、もう不思議な会議なんですが、そのIEAの閣僚理事会で五月二日に中川大臣がなさった演説は、実に私は的確だったと思っています。
 要点、御本人がいる前で要点言っちゃいけませんけれども、私、三つ大臣は強調されたと思っています。
 第一は、世界がエネルギーで取り組むべき課題は、これ三つあると。一つは省エネルギー技術だ。エネルギー利用の効率化は、エネルギーの安全保障、そして環境保全のためにも重要であり、両立させるもので、供給ばかり言うんじゃない、まず需要が大事だと。非常に私はいい御発言だったと思っています。省エネが一番。
 第二に大切なことは、脱石油とは言われなかったようです。石油の安定確保とはっきり言っておられます。特に上流部門、それから中流、下流、精製設備等も入りますが、こういったところに対する投資が不足しているんじゃないか。これも非常に私は鋭い指摘だと思っています。
 この石油、確かに石油依存度は全体としては減らしてきています。日本で言えば、一次エネルギーの七五%を占めていたものが、最近は原子力と天然ガス、そして省エネルギーもあって五〇%まで減っていますし、発電で言えば、かつて七七%が石油火力だったのが、今日、一一%です。七分の一に減っている。いろんなことをやって石油依存度を下げてきたけれども、それでもなお日本で五割、先進国で四割強を占めている石油、この石油の安定確保は大事だということを大臣がおっしゃったのは、私は非常に重要なポイントだと思っています。
 三つ目は、エネルギーの多様化の促進が大事で、環境、セキュリティー、両面をにらんだ多様化が大事だ。その面で最も力を入れて大臣が言われたのが原子力の重要性ということでありまして、そして、量は少ない、まだ少ないけれども、補完として再生エネルギー、日本語で言うと新エネルギーですけれども、英語でおっしゃったようですけれども、再生エネルギー、リニューアブルズの推進ということも重要であると。
 簡単に要約しちゃうと、省エネルギーと石油の安定確保とそれから原子力等の供給の確保と、こういう非常に重要な三点をおっしゃったと思うんです。私、これはエネルギー政策として正に政府の方針であってほしいし、また、エネルギー基本法、我々が作った基本法に基づくエネルギー基本計画でもはっきりとこの方向が出ている。
 それに比べると、この官邸のホームページ、時間の制約だと、私、あえて言いたいんですけれども、それもあったんでしょう、非常に誤解を招きやすいんですけれども、一体、政府の方針として新エネで脱石油というのは決まったんですか。
 これを大臣にまず伺いたいと思いますし、原子力についての大臣の思いも伺いたいと思います。
○国務大臣(中川昭一君) 今、加納先生から御指摘の、まず、五月の二日、パリでのIEA閣僚会合において私から冒頭発言をした内容は、正に今御引用していただいたとおりでございます。
 更にそれを一つ付け加えさせていただきますと、日本は世界一の省エネ国家になったと。エネルギー効率は、アメリカの三分の一、あるいは中国の十分の一、あるいはインドの十六分の一、これはIEAの統計でございますけれども。
 したがって、当委員会でもよく話に出ますように、三十年前に比べて、産業用のエネルギーというものはもうほとんど横ばいである。我々は胸を張って世界一のエネルギー効率国家であるということを自慢をしてきたわけであります。何もこれは私が自慢すべきことじゃなくて、日本国を代表して自慢しておりますので、関係者の御努力のたまものでございます。そのことをまず当委員会の先生方に御礼かたがた御報告を申し上げます。
 と同時に、日本だけが頑張ってもしようがないんでありまして、アメリカが四分の一エネルギーを使っている、あるいは中国、インドがこれからどんどん増えるという中で、まあこれ川上の話はまず別にしまして、川下の部分でじゃぶじゃぶと世界じゅうからただかき集めて効率の悪いエネルギーを消費ということは、これは決して良くないことである。したがって、日本が重視しておりますエネルギーの効率化のための技術というものを、是非、ほかの国々にも我々は移転する用意があります、とりわけ、中国、インドを始めとする東アジアの国々に一緒に省エネをやりましょうよということを私の方から提案をし、採択されたところでございます。
 あと二点目、三点目については、御指摘のとおりでございますので省略させていただきますけれども、そういうことで、日本としてはもとより資源がない、しかし、世界で第二番目の経済国家として、あるいは一億二千六百万人が快適に暮らすための民生用、あるいはそれを補完するための運送用を含めてエネルギー効率を良くしていく。あるいはまた、それともう今や表裏一体であります環境問題、温暖化対策等についても我々は、今御指摘のとおり、新官邸、太陽光、あるいは小規模ですけれども熱と発電のコージェネレーション施設とか、そういうものもお手本として入っておりますし、万博においても日本館等々でそういうものに配慮した施設を造っているわけでございます。それが私のといいましょうか日本政府を代表したエネルギー政策でございます。
 他方、四月十五日に行われました総合エネルギー対策推進閣僚会合におきまして、脱石油に向けて全省庁挙げて取り組むべきという指示があったことも事実でございます。
 これは加納先生が心配されるとおりといいましょうか、これは現実的には、エネルギー全体で五〇%、発電でも一〇%を占める石油を、現在一%に満たないいわゆる新エネ、まあ燃料電池でありますとかあるいは新しいいろいろな、バイオでありますとか、そういうものでいきなり、いきなりといいましょうか、将来にわたって全部代替して石油をなくすということではないわけでございまして、そういう意味で、とにかく、より、日本の石油、原子力あるいは石炭、水力、その他新エネ、大きく基幹エネルギーというふうに分けますとそういうものをバランス良く取っていくんだということで、特に新エネの技術、太陽光は御承知のとおり世界の半分の発電量を日本でやっておりますし、先ほど申し上げたように、省エネあるいはまた温暖化対策技術が世界に冠たる日本は、新エネというものにより世界をリードしていく自負と責任がある。そして、それを世界に移転をしていくという貢献もしていきたいという意味で新エネを頑張りましょうというふうに申し上げたわけでございます。
 それについての小泉流キャッチフレーズといたしまして、あえて脱石油ということを総理自ら使われたわけでございまして、決して、この石油についても二〇三〇年に向けても五〇%から四〇%、一〇ポイント下げるという目標はございますけれども、やっぱり四〇%、半分近くはやっぱり石油ということに頼っていくわけでございますから、そういう中で最大限の我々の技術力を発揮して、日本のみならず世界のエネルギー状況あるいはまた温暖化対策等の環境面に向けて積極的な役割を果たしていきたいということでございまして、御心配のとおり、言葉じりだけ見ると石油をやめて新エネへと、これは技術的にも、少なくとも我々の計算の範囲内では、時間の範囲内ではとてもできる話では現実的にもございませんし、また、エネルギーのポートフォリオという観点からも、石油を捨ててしまうとか石油を極端に減らすということは、決して国民経済的にも私は、好ましい、ベストの選択だとは思っておりませんので、ひとつ新エネをやっていこうという一つのキャッチフレーズとして、小泉式用語法として脱石油から新エネということでございまして、政府として進めていくべきエネルギー政策というものは、当委員会等での御審議に基づきまして、冒頭、IEAで私が申し上げたようなことが基本的な方針であるということを是非とも御理解をいただきたいと思います。
○加納時男君 今の大臣の御説明で非常によく分かりまして、ありがとうございました。
 おっしゃったことの中で、一、二、ちょっと感じたことですが、一つは太陽光ですね。確かに私も太陽光の推進、その一翼を担ってきたつもりでありますし、ここまで進んできたのは非常にうれしく思っています。日本の太陽光、政府の政策、そして企業の開発努力があって世界一の効率。そして、おっしゃったとおり、世界の生産の二分の一を占めるという、ある意味では大変成功したと。ならば、これで石油に代替できるのかと、そこだけがポイントだと思っています。
 今、太陽光どんどん増えていって、これで二〇一〇年には五百万キロワットぐらい、そこらじゅうに太陽光がつくって、できればということですけれども、そういう夢が実現したと仮にして、五百万キロワットという物すごい太陽光がついにでき上がった。それで一次エネルギーの何%を占めるんだろうか。冷酷に申し上げますと、〇・二%でございます。〇・二%になるかどうか分からないけれども、最大やって〇・二%。それをもって、現在五〇%、一次エネルギーの五〇%を占めている石油の代替というのはちょっと、オーダーが二けたぐらい違うんじゃないかというのが私の感想でございます。
 いや、太陽光はそうかもしれない。それなら風力があるよ。風力も同じようにして、今どんどんこれまたいろんな促進策を取って増やしてきています。三百万キロワット、あっちこっちにやたらできたイメージですが、それで、それならすごいだろうと思いますが、これまた〇・二%。〇・二と〇・二足せば大したもんだと言うけれども、足しても〇・四。とても五〇%とか四〇%の石油とちょっと、代替というのはちょっと無理かなということで疑問がありましたけれども、大臣の御説明で非常によく分かりました。
 そういう意味では、既に日本の電力の三五%を占めている原子力、これを環境と供給の多様性、両面から積極的に推進していくんだというふうに大臣のお言葉を今理解したところでございます。
 念のための確認ですけれども、このたび、京都議定書が二月十六日に発効しまして、今までの温暖化大綱じゃなくて京都議定書目標達成計画、我々、長いのをみんな短くする癖があるんで、通称目達と、こう言っておりますけれども、この目達の中に、目達を閣議決定したわけですが、その中に原子力がしっかりと位置付けされたと思います。これ、念のための質問でございますけれども、この目達の中で原子力を積極的に推進していくと、こういう理解で、大臣、よろしいでしょうか。
○副大臣(保坂三蔵君) この部分は私どもから答弁させていただきます。
 加納委員からお話がありましたとおり、中川大臣の過日のIEAでの発言は、大変各国の閣僚から注目を浴びております。なかんずく原子力発電につきましては、エネルギーの多様化の中で、大変安定供給に優れた面、そしてまた地球温暖化ガスの抑制という二局面から、これは重要な役割を果たしているという認識につきましての訴えも十分できたものだと存じております。
 先生おっしゃるとおり、四月二十八日に京都プロトコールの目標達成計画が閣議決定されました。この中でも、原子力発電は重要な役割を占めている、このように明記されております。したがいまして、政府といたしましても、今後、国民のよく理解を得た上で、安全性というものを大前提にしながら、原子力発電の推進のために鋭意努力してまいりたいと存じております。
○加納時男君 保坂副大臣、ありがとうございました。
 大臣、副大臣に今までずっと伺ってまいりました。以下、若干具体的なことを政府委員の方に伺いたいと思っています。
 原子力が重要だということになりますと、原子力の稼働率についてどう考えるのかということを、まずエネ庁長官、小平長官に伺いたいと思います。
 原子力の設備利用率ですけれども、欧米や韓国を見ていますと、九〇%台に達しております。中でもアメリカの利用改善が顕著でありまして、一九九〇年以降新しい発電所は一つもできてないんですけれども、設備利用率は非常に良くなりまして、その結果、発電電力量は三五%も増加しているようであります。設備利用率が八〇%だったのが九〇%台に一〇ポイント上がったというのは大変な出来事だと思います。新増設がゼロであっても、実質的に二千万キロワットあるいは三千万キロワット近い発電所を新しく造ったのと同じ効果が現れているわけであります。温暖化防止で言ったら、キロワットじゃなくてキロワットアワー、どれだけ電気をおこしたかが大事なところであります。
 なぜそれが成功したのかと私なりに理解しているところでは、長サイクル運転、日本だと十三か月ごとに必ず止めて、何のトラブルがなくても止めて全部ばらすわけですが、整然と動いているもの、運転実績のいいものはもっと長く運転していいよと、いわゆる長サイクル運転、それから定検を重点化すること、合理化すること、そして熱出力、電気出力を弾力的に扱うこと、こういったようなことがあったと思うんです。
 こういう九〇%台の世界相場に対して、さっき大臣は省エネで日本は世界一と言われたんですが、この原子力の稼働率だけに限定してみると、日本は八〇%で悪いんです。じゃ、日本は計画外停止率、原子力が計画しないで止まる率は高いのかといったら、実は世界一低いんです。一番いいわけであります。省エネと同じで世界一なんです。だけれども、ルールでよく止めることになっているので稼働率が上がってないというのも事実であります。遺憾な事故があったのももちろん事実でありますけれども。
 こういう日本が低い稼働率で、水準でいったときには、議定書の目標達成に対しては、私は、大きな力は出ないんじゃないだろうか、逆に言うと、ここを改善できるかどうかが京都議定書目達、目標達成の大きなかぎを握っていると思っています。もちろん安全確保、これは大前提であります。その上で、利用率の向上を図る環境対策が重要じゃないかと思いますけれども、そういう政策面から見て、まず小平長官に伺いたいと思います。
○政府参考人(小平信因君) お答え申し上げます。
 ただいま先生から御指摘ございましたとおり、目標達成計画を実現いたしますためには、原子力発電を基幹電源といたしまして今後とも推進していく必要がございます。現在稼働中の五十三基に加えまして、二〇一〇年度までに現在建設中でございます三基の着実な稼働を実現することはもちろんでございますけれども、先生からただいま御指摘ございましたように、これに加えまして、電力の二酸化炭素排出原単位を更に低減するというためには、原子力発電の設備利用率の一層の向上が必要でございます。
 こういう原子力設備利用率向上のための取組といたしましては、既に多くの原子炉で導入が進んでおります定格熱出力一定運転に加えまして、安全の確保が大前提となりますけれども、原子炉の運転中に待機状態で停止しておりますポンプ等の予備機等の点検、補修を行うことなどの取組も想定されるところでございます。
 国といたしましても、事業者と協力しながら、安全の確保と原子力発電所立地地域の地元の方々の理解の促進に努めながら、今後とも稼働率の向上のために努力をしてまいりたいというふうに考えております。
○加納時男君 ありがとうございました。
 この同じ質問に対して安全規制面、保安面の問題が私は当然重要だと思いますけれども、松永保安院長、見解を伺いたいと思います。
○政府参考人(松永和夫君) お答え申し上げます。
 原子力発電所の設備利用率につきましては、今、加納委員御指摘のとおり、事故やトラブルが発生いたしますとその分低下をいたしますので、設備利用率向上のためには、まずは日々の安全の確保ということが大変重要であるというふうに考えております。その上で、設備利用率を向上させるための方策といたしまして、ただいま小平長官の方からお答え申し上げましたように、定格熱出力一定運転という考え方が既に取り入れられております。さらに、これに加えまして、一回の定期検査に要する時間の短縮、あるいは事業者の点検や国の検査の合理的な運用というふうなことで運転停止期間の短縮を図る、こうした考え方が電力事業者の間でも議論をされているというふうに承知をしております。
 検査を含みます原子力安全規制の在り方につきましては、私ども、日ごろ事業者との意思疎通を円滑にいたしまして、事業者からの提案に対しましてはよく耳を傾けてまいる、そういう考え方でございます。その上で、保安院といたしましては、新しい技術進歩を踏まえたり、あるいは民間の企画を国の評価後に導入するなどによりまして、規制の不断の見直しを図ってまいりたいというふうに考えております。ただ、その際、基本となりますのは、今、加納委員も御指摘のとおり、安全に支障を生じないということが大前提でございまして、設備利用率を上げるために安全の水準を切り下げるというふうなことがあってはならないというふうに考えております。
 以上申し上げましたように、日々の安全確保のために規制の執行に万全を期しますとともに、新たな設備利用率向上策のいろいろなアイデアにつきましても、科学的、合理的な基盤に立って厳正な評価や審査を行ってまいりたいというふうに考えております。
○加納時男君 ありがとうございました。今、目達について少し踏み込みましたので、原子力をまず伺いました。
 目達に関連して、政府のグリーン調達について簡単に伺いたいと思います。
 市場原理第一主義、市場原理主義というのは私が大好きな言葉でありますが、ただ、これだけでエネルギー政策をやってはまずいんではないだろうか、もっと大切なエネルギーのセキュリティーと、そして環境調和が大事だというのがエネルギー政策基本法、その上での市場原理というふうに位置付けされているのは御存じのとおりであります。政府のエネルギー調達もそういう考え方に沿って私はやってほしいと思っているところであります。
 ところで、公用車、政府が使う車については、値段が若干高くても環境にいい車に切り替えようという方針の下に、この三月、一〇〇%公用車は環境に優しい車に替わったことは、私は政府としてすばらしい決断だったと思っています。その反面、エネルギーの調達については、入札をしてともかく安いものにしようということを積極的にやってきた結果、中央官庁においては、建て替え中の文部科学省を除いて全部化石燃料を使う新規事業者の方に契約を変えたようであります。言葉はちょっと悪いんですけれども、政府が率先実行していろいろやることはいいんですけれども、何かCO2の増加を率先実行してやっているようにどうも聞こえるという批判が国会でもありましたし、自民党でもございました。
 政府はこれ、いろいろ、この意見を取り上げまして、実は今回の目達の中に、省CO2、CO2を少なくする電力を調達しようということをうたったということでございますが、具体的にこれは今後どのように進める考えがあるのか、まだこれから検討しているのか分かりませんが、検討中のことがあれば伺いたいと思います。
○政府参考人(小平信因君) 今御指摘のございました政府の電力調達でございますけれども、平成十二年三月の電力の小売部分自由化以降、庁舎を始めといたします国有施設のうち、自由化対象のものにつきましては、会計法で原則とされておりますとおり、競争入札により契約を行っているところでございます。
 この結果、中央省庁の庁舎を始めとする政府調達案件を落札することによりまして、特定規模電気事業者が事業シェアを拡大するなど、落札価格が相当程度低下しているということも見られておりまして、電力市場におけます有効な競争の促進に一定の貢献をしてきたものと考えております。他方で、今御指摘がございましたとおり、目標達成計画におきまして、先ほどのお話のとおりの旨が盛り込まれております。
 したがいまして、経済産業省といたしましては、現行の購入方式を改めまして、電力市場におけます有効な競争の確保と、原子力を含めましたCO2削減に資する電源の推進をともに図ることが可能な調達方法を平成十八年度から導入をしたいというふうに思っておりまして、どのような調達の在り方がいいのか、今検討を進めているところでございます。
○加納時男君 それでは、検討を進めていただきたいと思います。
 同じ関連で、CDMについて伺いたいと思います。
 京都メカニズムの一つにクリーン開発メカニズム、CDMがあります。まず、全世界を一つのマーケットとして考えたならば、最も投資効果の多いところから順番に投資をしていって、最後の追加投資、限界生産力が均等になるようにすると世界で一番効果が出る、これはまあ常識でございますが、その発想で出てきたのが、京都会議のときに、妥結のときに生まれたCDM、京都メカニズムの、中でもこのクリーン開発メカニズムであります。
 当然、このクリーン開発メカニズム、先進国で、先ほど中川大臣がお話があったように、省エネルギーが最も進んでいる日本、更にそこで追加の省エネルギー投資をやるよりも、ほかの国で省エネルギー投資をやった方が大きな効果が地球レベルで上がると。同じように、CDMを考えていくと、原子力もそうではないだろうかということになってきます。
 当然、原子力もCDMの対象にしてよいと、すべきであるというふうに我々考えているわけでありますが、CDMの理事会は、非常にその中に原子力の嫌いな方も入っておられる、ヨーロッパの方ですが、ありまして、これまで理事会ではCDMは取り上げないということ、原子力をCDMの対象にしないということで理事会で決めて今日に至っていますが、これでいいんだろうかという疑問がありますが、どのようにお考えか、伺いたいと思います。
○政府参考人(齋藤浩君) 先生御指摘のとおりでございまして、CDMにつきましては、実は二〇〇一年のいわゆるマラケシュ合意、COP7でございますが、その際の決定におきまして、原子力のプロジェクトについては、CDMとして仮に削減を稼いできても、先進国がそれを自分の国の削減量として使うべきじゃないという決定がなされてしまいました。そういうことで、先生御指摘のとおり、結果的にはCDMの中に原子力プロジェクトが入らない状態に現状にはなっておるということでございます。
 私どもといたしまして、世界的な規模での原子力の利用促進というのは、やはりエネルギーの安全保障の点、また温室効果ガスの削減に関しましても大変有効な手段ではないかというふうに考えております。
 そこで、昨年の十二月に、産業構造審議会の環境部会におきまして、将来の枠組みに対する中間取りまとめというのをしていただきました。その際に、CDMにつきまして、原子力の安全の確保と、それから途上国に幅広く原子力発電所を建てるということもございますので、核不拡散に対する十分な対応というものをした上で原子力発電プロジェクトがCDMの対象となるべきであろうという答申をいただいております。
 早速それを私ども活用さしていただいておりまして、昨年十二月にCOP10ございましたが、その際に、私どもはサイドイベントということで、その提言いただきましたものについて御披露を申し上げまして、世界の方々にこういう考え方を取るべきではないかという提案をさせていただいているところでございます。幸いなことに、京都議定書の発効に伴いましてCDMを積極的に活用していこうという実需が出てきております。
 それからもう一つは、将来の枠組みの議論がどんどん進んできているということでございますので、こういう国際的な検討の場におきまして、私どもは今のような考え方を積極的に提言をしていきたいというふうに考えております。
○加納時男君 どうもありがとうございました。
 COP7で、原子力をCDMの対象にするのは、リフレインというたしか英語だったと思いますが、慎むんだと、やらないんだという決議をしたことも今のお話でよく分かったところであります。
 同時に、今、日本は、いろいろ議論があるにせよ、せっかく京都で約束したあの議定書の目標を日本は全力を挙げて達成するように努力する、このことが一つでありますが、加えて、二〇一〇年前後、第一約束期間を超えたこれからの長期の地球レベルの気候変動防止に向けてどのような枠組みがいいのか。アメリカとか中国、インドが参加しない、世界のごくわずかな国だけが参加するような、そんなものじゃなくて、正に世界最大の大国、エネルギー大国でありCO2大国でもあるアメリカの参加、そしてやがては世界の過半を占めるCO2を発生することが確実な発展途上国を仲間として迎え入れられるような、そういう枠組みを日本が提案していくべきであるというのが一つと、それからもう一つは、今おっしゃったCDMをその中で生かしていくと、これが不可欠だと思いますので、是非その方向で御努力いただきたいと思っているところでございます。
 さて、法案のちょっと具体的な内容について、二、三、残った時間で伺いたいと思います。
 まず、炉規法でございますが、核原料物質、核燃料物質及び原子炉の規制に関する法律の一部を改正する法律案というのが正確な名前になると思いますが、この炉規法の中で幾つか伺いたいと思います。
 一つは、廃止措置中の、廃止、原子力発電所の運転をやめた、もうこれで壊しますということを決めた発電所における安全規制について伺いたいと思っています。
 廃止措置に入りますと、原子力発電所はその廃止措置の進み具合に応じて施設の放射線等のリスクがなくなって、減ってまいります。そして、燃料も運び出しちゃう。そうすると、もうそこには発電しようにもしようもなくなっているわけであります。したがって、その燃料に伴うリスクがなくなってくる。そのために規制は段階的に変えていくのが当然だと思っています。
 ところで、先般ちょっと見てきたところ、びっくりしたことを見たのは、日本原子力発電所の東海でございますが、この東海発電所、既に廃止措置に入っております。廃止しました。この廃止をしている発電所において、運転員が制御室にいるわけです。いついるのと言ったら、いや、二十四時間交代勤務でいますって言うんですね。何しているのと言ったら、別に何もしていませんと。で、なぜいるのと言ったら、そういう規則になっている。何の規則ですかと言ったら、保安規定だと。保安規定って、確かに保安規定も私読んでみたら、そう書いてあるんですね。交代勤務によって原子炉施設の監視を行う、確かに書いてあるわけですね。書いてあるからやっているんですと言うけど、じゃ、なぜこの保安規定変えないのと言ったら、これは変えられないと。それは省令によって、炉規法三十五条の一項の規定を受けた省令、実用発電用原子炉の設置、運転等に関する規則というのが、これ省令ですけど、これも私、こういうのを調べるの好きですからすぐ調べたんですが、それ見たら確かにそう書いてあるんですよ。原子炉運転に必要な人員がそろっていなければ運転はしないことと。
 これ、運転しないならば、運転するならもちろんこの規則大事なんですが、この炉はもう運転やめちゃった、運転しない、将来も運転しないんです。それが決まっちゃったんで、こういうのは人はいなくてもいいんじゃないかと思うんですけれど、これについてルールの変更というのは、恐らく検討していらっしゃるんじゃないかとは思いますけれども、検討中でしたらその方向性を伺いたいと思います。
○政府参考人(松永和夫君) お答え申し上げます。
 廃止措置に移行いたしました原子炉施設では、原子炉の運転が停止をされて、また炉心からの燃料取り出しも終了しております。したがいまして、供用中に、運転中に考慮すべき事故あるいはこれに起因をいたします放射性物質の環境への漏えいといった危険性は確かに低減をしております。したがいまして、今御指摘のとおり、廃止措置期間中の安全規制につきましては、こうした廃止措置の特性あるいはその進捗などに応じた段階的な規制にするということが重要であるというふうに考えておりまして、今回、炉規制法の改正案ということでお諮りをしている次第でございます。
 御指摘の日本原電の東海発電所は、ただいま廃止措置中でございます。ただ、空調換気系あるいは廃棄物処理系などの一部の施設につきましては引き続き運転をしておりまして、御指摘のとおり、まだ法律改正がされていないということもございまして、原子炉本体の運転中と同様の規制を適用しておりまして、中央操作室には二十四時間体制で運転員が勤務をしているというのは御指摘のとおりでございます。
 今申しましたとおり、廃止措置期間中の安全規制につきましては、廃止措置計画を通じた監督が適切に行われれば段階的な規制にするということが正しい方向であるというふうに私ども考えておりまして、そういう意味では、現在の規制内容は必ずしも廃止措置中の施設の特性を念頭に置いて整備をされたものではないと、こういう指摘を踏まえまして、今般の法律改正に基づきまして今後整備する省令などの検討の段階で、今、加納委員御指摘の点も含めて、適切な規制の在り方についてきちんと対応してまいりたいというふうに考えております。
○加納時男君 省令の改正で十分できるという今お答えだったので、結構でございます。私は、何か今けしからぬと言っているんじゃなくて、これ、不思議なことが起こると。気が付かないことが世の中にいろいろあるんですから、いいんですよ、世の中ね。それで、気が付いたら直していく。直すよって言ってくれたんで、私は納得です。直さないと、今の法律でこういうことなんだって言うならば、そんなら議員立法で法律を変えちゃおうということになっちゃうわけでね。そんな激しいことを私は言っているつもりはないんで、おかしいことはおかしいと認めた松永院長は、私、勇気のある方だと思うし、それは直してください。それ、それだけで深追いしません、もうこの話は。これ、直してくだされば結構です。
 同じようなことをちょっとまた伺いたいと思います。今度の法律案の改正によって新しく出る話について、ちょっと気になることがあるので伺います。
 これ、炉規法を今回改正しますが、改正案、条文全部読みました。そうしたところ、七十二条の三項だったと思いますけれども、国家公安委員会や海上保安庁は、その職員に、原子力事業者の事業所に立ち入り、帳簿とか書類等の物件の検査をすることができると。私、これ、結構だと思いますよ。この必要性は理解します。
 質問は、分かったんですけど、同じところに行って同じ帳簿を、今日は国家公安委員会が来ました、あしたは海上保安庁が来ます、あさっては原子力安全・保安院が来ます、それぞればらばらに同じ目的で同じところに同じもので行くというのは二重三重になっちゃって、それぞれがまたばらばらに勧告をしてくると、指示をしてくるって、これ、ちょっと非効率的じゃないかなと思うんで、これらの機関がやるのは結構なんですけれども、事前に関係機関の間で調整をして、それじゃまとめてやろうというふうにすると非常に効率的ではないかと思うんで、この二重三重の規制というのはこれからやる話ですから、今から気を付ければ十分できると思うんですが、是非考えてほしいと思うけれども、いかがかと。
 実は、似たような事例、経済産業省じゃないんですが、ほかの官庁でたくさんありました。もういろんなところが次から次へと調査に来るというんで、ばらばらの書式でばらばらのものを全く同じものについて出している。こういうのは港湾関係でも実はあったわけですが、かなり今回改善したわけですが、是非、これからやる話ですので、今日是非、これは今後の進め方を伺っておきたいと思います。
○政府参考人(松永和夫君) お答え申し上げます。
 今般の法律改正では、核物質防護規定関連の運用に関しまして、国家公安委員会、海上保安庁長官が主務大臣に元々意見陳述できる規定になっておりましたけれども、この意見陳述に際しまして、事業者の防護措置の実情を踏まえて的確にこれを行えるようにすると、こういう趣旨で国家公安委員会あるいは海上保安庁長官の配下の職員が立入検査できる、こういう規定を追加した次第でございます。
 この規定の運用につきましては、事業者の負担が過度にならないようにこれら関連の治安機関と密接に連絡調整を行いまして、具体的には原子力安全・保安院が立入りを行うときに合わせて一緒に立入りをしてもらうというような形の運用をきちっとまとめておきたいというふうに考えております。
 ちなみに、その上での事業者への是正措置命令あるいは指導というものにつきましては、従前より、主務大臣でございます経済産業大臣が一元的に行うということにしておりますので、こうした法的な枠組みは引き続き変更はございません。
 いずれにしましても、治安当局と密接な連携を図りながら、加えて事業者負担への配慮ということも十分勘案しながら、適切な法律の運用というものを図ってまいりたいというふうに考えております。
○加納時男君 その方向で是非よろしくお願いいたします。
 次に、細かくなりますけれども、法案の中で一つ新しいコンセプトであります設計基礎脅威について質問したいと思っています。
 この法案では、核物質防護のための規制強化の一つとして設計基礎脅威を設定するということになっています。この言葉、設計基礎脅威というのはちょっと日本語としては余りなじみのない言葉のような響きがします。元の英語はDBT、デザイン・ベーシス・スレット。それ直訳すると、確かに一つずつ日本語にすると、設計で基礎で脅威だからということなんだろうと思いますが、元々のIAEAのガイドラインではこのDBTをどのように定めているんでしょうか。
○政府参考人(松永和夫君) お答え申し上げます。
 IAEAの最新のガイドラインでは、この設計基礎脅威、デザイン・ベーシス・スレットにつきましては、核物質の不法移転又は妨害破壊行為を企てるおそれのある潜在的内部者及び、又は外部からの敵の属性及び性格、これに対して核物質防護システムが設計、評価されると、こういうふうに記述をされております。
○加納時男君 ありがとうございました。よく分かりました。
 今の御説明をちょっと私なりに理解してみると、要するに、DBTというのは核物質防護システムの設計に当たり考慮すべき脅威、つまり想定脅威といいますか、そういう日本語に近いのかなって理解をします。
 そこで、具体的なイメージを伺いたいと思うんですが、実はこの設計基礎脅威の内容を明らかにするということは、正に今おっしゃった内部の通報者だとか外部の敵だとかに対して塩を送ることになるので、機微情報だと私は理解しております。その上であえて伺うのは、イメージが少しでもこういう場を通じて国民の方々に伝えたいと思っているからであります。
 要するに、五W一H風に言うと、一体だれが、そして何のためにどこでどのように何をするのかというような、そんな話だろうと思います。外部の人なのか潜在的内部者なのか。それから、目的としては核物質を盗み出すこと、あるいは不法に移転することなのか、原子炉施設、原子力施設の妨害とか破壊なのか。いつ来るのか、これは分からないと思います。平日の昼もあるし、夜間、それから休日なんか特にねらわれると思います。それから、場所はどこか。サイトの中なのか外なのか。一体何をねらってくるのか。こういうレベルでは区分Tというのがありますが、再処理施設だとか、それから「もんじゅ」のような研究開発施設。それから、区分Uというのが原子力発電所なんかが入りますが、この区分Tなのか区分Uなのか。それから、どういう手段で、ハウですね、やるのか。例えば武器なのかミサイルなのか弾薬なのか。NBC兵器と言っていますが、核それから生物兵器、化学兵器を使ったこういう脅威なのか。外からの脅威なのか中からの脅威なのか。暴力的な脅威なのか、あるいは暗証番号を盗み出すというような極めて情報戦略的な脅威なのか、いろいろあると思うんですが、例えばこんなようなことという、一つぐらいで結構ですから、もし分かりやすい例があったら教えてください。
○政府参考人(松永和夫君) お答え申し上げます。
 DBTの内容の概略は、テロリスト等の仮想敵の攻撃目標、人数、携行武器、戦術、攻撃能力等を具体的に想定したものでございます。事柄の性格上、詳しくは申し上げられませんけれども、イメージで申し上げますと、例えば、原子力施設における核物質の盗取あるいは施設の妨害破壊行為等を目的といたしまして、複数名のテロリストが自動小銃等の小型火器を持ち、武装車両を用いて実力行使で警備システムを突破をいたしまして、安全上重要な施設でございます冷却施設の破壊を企てると、あるいは監視システムの網の目をくぐりまして隠密裏に施設内に侵入をいたしまして、中央制御室の占拠を企てると、こういったような行為を想定をしているところでございます。
○加納時男君 大変機微なお話を、いや若干オブラートに包みつつ、しかも非常に分かりやすく説明していただいてありがとうございました。
 さて、その脅威でありますが、この核物質防護対策の強化の一環として、内部事情に精通した人間の不正行為だとか情報漏えいといった内部脅威対策がある、これに対して対応が必要だということは、何か四月二十六日の新聞によりますと、保安院ではそういうことを検討を、方向性をまとめているという新聞記事があったので、若干伺いたいと思います。
 内部脅威を排除するためには、私は三つあると思います。一つは、フィジカルプロテクションと言っていますが、物的な防護施設。二つ目は、出退管理と言っていますが、出入りの管理。それから三つ目が人的管理。今ここで質問したいのは、その人的管理のところであります。
 私はこの三つ、フィジカルプロテクションと出退管理と人的管理を組み合わせて効果的にやっていくのが内部脅威対策だろうと思っていますけれども、人的管理についてどのように考えられるのか。アメリカなんかの例をちょっと調べてみたんですが、アメリカは原子力発電所だけやっているわけではありません。あの国は国防とか治安とかテロ対策、特に九・一一以降はテロ対策に非常に力を入れておりまして、これはもう国家の安全だということであって、そのために、そういうものに、安全に関する仕事に就く者は、職歴だとか学歴だけじゃなくて借金情報、借金しているかどうか、アルコールとか薬物依存状況などの情報を集めまして分野横断的にこれを活用するんだというんですけれども、それは事実でしょうか。
 これに比べると、日本の場合は非常に個人のプライバシーということを強調してやりにくいんじゃないかと。私自体、個人情報とか個人のプライバシーは守りたいという立場に立っております。私益は守るべきだと。と同時に、一方、テロリスト、暗躍は許さない、テロ対策、安全対策という公益も大事だと。ここで公益と私益がぶつかるわけでありますが、どのように考えていくのか。現在までの検討状況があれば教えてください。
○政府参考人(松永和夫君) お答え申し上げます。
 内部脅威対策の必要性につきましては、かねてから御指摘もございまして、昨年の十二月から審議会において検討をしている最中でございます。
 御指摘のとおり、内部脅威対策につきましては、物的防護、出入りの管理、それから人的管理のこの三つの観点から整理をして対策を講じております。ポイントになりますのは、このうちの人的管理ということでございます。
 加納委員御指摘のとおり、この人的管理のうち、特に原子力施設の従業員等に対しますいわゆる信頼性確認、信用調査といいますか、そういうことにつきましても、諸外国の状況等について現在詳細に調査しているところでございます。
 これによりますと、イギリス、アメリカ、フランス等いずれの主要国におきましては、国家秘密を取り扱うことを業務とする国防分野等を中心に、国家レベルでの分野横断的な信頼性確認制度が整備をされております。この上で、原子力施設に立ち入る者につきましては、これらの分野横断的な国防・治安分野の信頼性確認制度に付随した制度という形で整備をされております。
 現在の検討状況でございますけれども、こうした各国の状況等を踏まえまして、日本においてどうした形で個人の信頼性を確認するための制度ができるのかということでございますけれども、現在検討が行われております審議会のワーキンググループにおきましては、内部脅威対策として真に実効性のある仕組みを実現するためには、諸外国の例に見られますように、脅威の排除に直結をいたします個人情報を国が収集、管理をいたしまして、それを各機関が活用する普遍的、横断的な制度とするということが重要であると、こういう指摘もいただいております。
 ただ、一方で、こうした制度と、民間企業への国の過度の介入になるのではないか、あるいは個人のプライバシーの侵害に当たるのではないかといった基本的な人権との関係につきましても併せて慎重に議論する必要があるということもこのワーキンググループの中で議論をされておりまして、現在更に検討を続けていると、こういう状況でございます。
○加納時男君 分かりました。
 公益、国防、治安、こういったことと、それからまた、私益、特に基本的人権、これをしっかりと両立させるという大変難しいこれ話ではございますが、分野横断的に進めること、そしてそれを扱う人間に完全な守秘義務を課すること、そして企業等における自主申告制等も活用する、いろんな方向があると思います。慎重かつ積極的な対応を希望しまして、私の質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。
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(以下略)


◇5月17日 第13回原子力工学国際会議(ICONE−13:in北京)にて基調演説

5/16〜20に北京で行われました「第13回原子力工学国際会議(ICONE-13)」に加納 時男議員は名誉議長として出席し、オープニングセレモニーで基調演説をおこなってきました。

詳しくはこちらをご覧ください。


◇自民党「エネルギー総合政策小委員会」で、議論を深める


 自民党のエネルギー総合政策小委員会(事務局長:加納時男議員)は5月も2回開催し、4月にスタートした議論をさらに深めました。
 5/13の小委員会では、日本エネルギー経済研究所の内藤正久理事長をお迎えし、「今後のエネルギー政策の力点 ―エネルギー安全保障問題を中心に―」とのテーマでお話しを伺いました。
 さらに5/25には、日本経団連・資源・エネルギー対策委員長の秋元勇巳様(三菱マテリアル名誉顧問、日本原子力文化振興財団理事長)をお迎えし、「日本の原子力エネルギー政策が直面する課題」のテーマでお話を伺いました。
 これにより、エネルギー政策基本法の基本、<セキュリティ><環境><原子力>の3本柱が総論として議論されたため、6月以降の小委員会は個別のテーマに踏み込んだ新たな展開をしていく予定です。

(秋元勇巳委員長をお迎えした5/25の小委)

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