| 2005年3月の活動
◇3月15日 参議院経済産業委員会にて加納時男議員が質疑をおこないました
◇3月31日 参議院経済産業委員会にて加納時男議員が質疑をおこないました
◇3月15日 参議院経済産業委員会にて加納時男議員が質疑をおこないました 第162回通常国会の経済産業委員会では、3/8に中川昭一経済産業大臣の所信が述べられ、これを受けて3/15に一般質疑が行われました。

加納時男議員は自民党理事として質疑のトップバッターに立ち、下記の質疑を行いました。
1.経産省職員のインサイダー取引告発の件について、まことに遺憾。
2.EPAはどのような地域から優先的に進めるのか。
3.昨日の美浜発電所事故調査委員会での特記事項の説明を。
4.地球温暖化防止対策における原子力の役割をどう評価しているのか。
(以下、会議録より抜粋)
平成十七年三月十五日(火曜日)
午前十時開会
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本日の会議に付した案件
○経済、産業、貿易及び公正取引等に関する調査
(経済産業行政の基本施策に関する件)
(公正取引委員会の業務に関する件)
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○委員長(佐藤昭郎君) ただいまから経済産業委員会を開会いたします。
この際、中川経済産業大臣から発言を求められておりますので、これを許します。中川経済産業大臣。
○国務大臣(中川昭一君)
(経産省職員のインサイダー取引嫌疑の件について説明)
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(中略)
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○委員長(佐藤昭郎君) 経済、産業、貿易及び公正取引等に関する調査を議題とし、経済産業行政の基本施策に関する件及び公正取引委員会の業務に関する件について質疑を行います。
質疑のある方は順次御発言願います。
○加納時男君 自由民主党、加納時男でございます。
冒頭に、今、中川大臣から報告のあった件について申し上げたいと思います。
経済産業省の職員が職務に基づいて得た情報、これを手掛かりとして株取引を行って不当な利益を得た、このことは誠に遺憾なことでございまして、行政に対する国民の信頼を著しく損なったことを私どもは重視したいと思っております。今日は、司直が入っているところでございますので細かいことはそこに任せるといたしまして、この場で是非確認をしていきたいことがあります。
今回の問題は二つの面で私は問題があるのではないかと。一つは規律の問題、もう一つは志の問題でございます。
規律の面でいいますと、例えば国家公務員の株式取引に関する事務次官申合せというのがありますが、これでは、所管企業の株取引の自粛とか職員の指導ということをやっておりまして、これから見ますと不十分ではなかったかと思います。また、国家公務員の倫理法がありますが、これに私は引っ掛かるかと思ったんですが、これは引っ掛からないんですね。これは、株取引の報告を義務付けていますけれども、対象が審議官以上になっているので、今回の人は係長でございますので、これには該当しないのかなと思っています。METIの内規がございますけれども、九五年の省議決定、職員は所管の業界に関係する株だとか未公開株を取引してはいけないというのがありますから、明らかにこれには違反していると思います。昨日告発されたのは証券取引法違反ということでありまして、これは正にインサイダー取引であるということですから、これはこれで明らかにクロであると思っております。
私の質問は、これらの規律が十分であるのかどうか。これは、法律の面になりますと我々の責任ではございますが、加えて内規、これは御省でやっていることでございますが、内規の面で十分であるのか、あるいはこれまでやってきた事務次官申合せに基づく職員の指導というところに遺憾があったのかどうか、これは今日ここですべて解決するとは思いませんが、こういったことについての今後の方向についての覚悟を伺いたいと思いますし、もう一つ、私がもっともっと大切なのは、最近、これも今日の朝刊に大きく載っておりましたが、公務員の離職が多いということ。
離職をして立派な国会議員になったという方もこの席におられるので、私は離職が全部悪いとは言いませんけれども、外国に国民の税金で留学して、戻ってきて、そして今度は外資系の企業に入って、日本の国を売り飛ばすとは言いませんけれども、外資の導入の先鞭を着けているといった人たちを公務員に見ます。
私の教え子にも、公務員になって外資に、留学をして戻ってきて外資系に転職したのがいるので、経済産業省ではないんですけれども、ほかの官庁でありますが、非常に私は遺憾に思っているんですが、こういったこと、つまり志の問題だと思うんです。公務員を志した以上は国益、そして地球益のために、現在だけではなく未来の人々のために身を粉にして働くというのに私は非常に敬意を表しているわけでありますが、そういった志が何か欠けているのではないか。
特に、経済産業省になってからはいいかもしれませんが、通商産業省時代に、特にその末期といいますか後期において、お金こそすべて、優先ということで、エネルギー政策についてもともかく安ければいいんだといったようなことが、風潮が余りにも蔓延して、エネルギー政策基本法で我々がつくった、議員立法でつくったセキュリティーとか環境ということを重視することを忘れて、そして、目先安ければ、安いものを買えばいいんだよという、お金お金というのがこういった不届きな職員を生み出したんではないだろうかと。もっと志を高く持ってもらいたいと思いますが、今日は、大臣の覚悟を一言伺いたいと思います。
○国務大臣(中川昭一君) 結論から申し上げますと、加納委員の御指摘のとおりだと思っております。
まず、規律に関しましては、これはもう、あくまでも法律違反でございますけれども、それ以前の問題といたしまして、御指摘のように、国家公務員法上は、審議官以上の株取引は報告をしろという決まりがございます。
今回はこれには該当しておりませんが、二点目としては、我が省の内規といたしまして、職務に関すること、例えば企業の株取引についてはきちっと報告をしなければならないということになっておりますが、これはインサイダー取引である以前に、インサイダー取引の疑いとして告発されたということの事実以前にこれに反したわけでございまして、そういう意味でこの職員の規律というものは著しく欠けていたと、経済産業省の職員として著しく欠けていたというふうに申し上げなければなりません。
今、私は国家公務員法と申し上げましたが、国家公務員倫理法の間違いでございました。訂正をさせていただきます。
今、捜査当局の捜査を今見守っている状況でございますけれども、取りあえずできることといたしまして、昨晩、全職員に対しまして、今のルール、つまり審議官以上の株取引、それから職務に関係する企業の株取引についてのルールというものをもう一度自ら点検するようにということを命じました。これは私が職員に命じたわけでございます。
それからもう一点、これはある意味では内規の改正ということになるかと思いますけれども、今までの国家公務員倫理法上の審議官以上の株取引を報告をするようにというルールでは今回の事件はそれに該当しなかったわけでありますけれども、重大な、国民及び国会等に対する信頼あるいはまた御迷惑をお掛けしたということで、事は重大ということを判断をいたしまして、昨晩、私が、すべての経済産業省の職員の株取引、つまり審議官以上だけではなくて新入職員からすべての職員の株取引についてこれは官房の方にきちっと報告をするようにということを昨日の夜、したがって営業日としては今日からということになるのかもしれませんけれども、そういうふうにするようにというルールを決定をしたところでございます。
本人等の処分等の問題はこれから出てくるかと思いますけれども、いずれにいたしましても、加納先生も御指摘のように、現在まだ捜査の進展が始まったばかりでございますし、これからまたどういう形になっていくかということも現在進行形でございますから、今の段階では、このことだけを昨日やりましたけれども、決してこれで十分だというふうに、終わったというふうな認識は私自身決して持っておりませんので、今後とも必要な措置、信頼の回復、それ以前の規律のきちっとした徹底のために、本当はやりたくないんですけれども、こういうことをやらざるを得ないという状況になったということは大変残念でございますけれども、国民の信頼あるいはまた先生方の信頼や御指導を引き続きいただくために今後とも必要な措置をとっていかなければならないというふうに考えております。
それから、志の問題につきましては、これはもちろん高い志、これはいろんなことを意味する言葉だろうと思いますけれども、自らに厳しくとかあるいはまた国家のためにというような観点からの志だとするならば、今回の事件はそれに反することというふうに言わざるを得ません。
また、加納先生が御指摘になった例として、優秀で志を持って入って、またいろんなところで経験を、役所として、国家公務員として経験をさしてもらって、大分自分としても勉強になってノウハウを蓄積できたから、さあこの辺で次のところにさっと行くかという例がたまにというか、時たまといいましょうか、まあその量の問題は別といたしまして見られるということにつきましては、これはまあ国家公務員は特に厳しく自らを律しなければいけませんけれども、例えば企業なんかでもよくあるわけでございまして、余りにも、海外留学から帰ってきてさっさと辞めるというのは私も個人的には、一般論としてちょっとこれはいかがなものかなと。国家やあるいはまた企業のお金、あるいはまたその力によって、もちろん御本人の力もあると思いますけれども、しかし、みんなのお世話になって、そして行かしてもらって、そして得るものを得て、そしてはい、さようならということであるとするならば、私はやっぱりトータルとしては志が低いというふうに、私としては、これは個人的な見解で恐縮でございますけれども、そういうふうに判断をせざるを得ないというようなケースもあったというふうに私も認識をしております。
○加納時男君 ありがとうございました。
私は、何も株の取引を公務員はするなと言っているわけではなくて、公正にやってもらいたい、ルールには違反するな、そして倫理観を持ってやってもらいたいということでありまして、今お話しのように、すべての職員がすべての株取引について報告をする、名前貸しというのが今あるようでございますので、家族も含めてやるかどうかこれも重要なところだと思いますが、国会議員もそういう点ではフェアにやっているつもりでありますが、是非とも国民の疑惑を招くような行為を避けてもらいたいということに、一点に尽きますので、お願いしておきたいと思います。
それで、私、質問通告大分したんですけれども、残り時間が少なくなりましたので、ちょっと焦点を絞って質問さしていただきます。
一点はFTA、EPAへの取組と課題でございます。
ちょうど一週間前、先週のこの時間に中川大臣は、FTA、自由貿易協定、それからEPA、経済連携協定でありますが、これについて信頼関係を土台にして日本と世界経済全体にとって有意義な成果を実現すべく、スピード感を持って通商政策に取り組んでいくと明言されたわけであり、私は強くこれを支持したいと思っております。
事実、大臣は就任後、メキシコEPA、積極的に動かれまして、いよいよ来月発効というところまで参りましたし、フィリピン、非常に大きな問題ありましたが、大筋合意と私は理解しております。マレーシア、タイについてはもちろん物品、サービス、さらには人の移動、それから投資等について、調整項目残ってはおりますけれども、最後の詰めにいよいよ入ってきているなという感じでございます。
タイについては、早期交渉入りを我が国として求めていると。先方はいろんな御事情もあるので慎重にそれについて今検討をしておられるというふうに聞いているわけでございますが、今後の方向として私、大事なことは、どのような地域から取り組んでいくのかという優先順位、この一点に絞って、じゃ、今日聞かしていただきたいと思います。
よく、取り組みやすいところから取り組むとか、それから日本にとって利益の大きいところ、つまり工業製品の輸出しやすいところとか、あるいは日本にとって損失の少ないところ、もっと言い換えれば国内産業の打撃の少ないところ、あるいは相手の損失の少ないところといったことがありますけれども、一つの考え方としては、得られる利益、FTA等によって得られる利益からそれによって失う損失を引いた差の大きいところから選んでいくというのも一つの考え方かと思うんです。
内閣府の経済社会総合研究所の資料をちょっと拝見してみますと、こういった計算をしてみると、一番その差の大きいところ、つまり一番コストパフォーマンスが良さそうなところの一位が何と中国なんですね。二番がASEAN、三位EU、四位タイ、五番韓国というふうになっているわけです。
私は、中国についてだけちょっとこう気になっているのは、中国の場合、最大の課題というのは実は投資環境の整備といいますか、ビジネス環境が非常に整備されていないという点がビジネスマンからはよく訴えられているわけであります。知的財産の保護が不十分で模倣品が多いとか、それから送金が非常に手間が掛かるとか、国内の法律制度、規制、それから税制が安定しない、変わってしまう。これ非常に投資の立場からするとやりにくいところであります。こういったこともあるので、単にこの調査報告書の順番で中国が一番メリットがあるとは私は必ずしも思わないんですが、今後のFTA、EPAの取組への大臣の覚悟を聞かしていただければ有り難いと思っております。
○国務大臣(中川昭一君) 日本は、いわゆる経済貿易立国としてこれからも生きていかなければならないわけでございますので、世界じゅうの国々と仲よくし、そして広い意味の経済的な関係を広げていくことが、日本はもとよりでありますけれども相手の国にとってもプラスになるという基本的なスタンスは、これはもう加納先生と共有させていただくことができると思います。
そういう意味で、今、これも今年一年大事な作業でございます、いわゆるマルチの場のWTOと、それからいわゆる個別の経済連携であるFTA、EPAというものが車の両輪だと、どちらも前進させていかなければならないというふうに考えております。
そういう中で、何を戦略にしていくかということでございますけれども、例えばアメリカなんかを見ますと、アメリカは、まあ経済もそうですけれども、かなり政治的なことを意識したFTA戦略を取っているやに私は判断をいたします。例えば、中東に、どんどんどんどん中東とのFTAを進めていくでありますとか、あるいはまた、これは例としていい例か悪い例かよく分かりませんけれども、豪州とはFTAをあっという間に結んだけれども、豪州とある意味では経済的に非常に一体であるニュージーランドはアメリカとやりたいと言ったんですけれども、アメリカはノーと言って交渉を進めないと。これは何を意味するのかはまあいろいろ、ここから先は推測でございますから申し上げませんけど、現実としてそういうことがあるわけでございます。
EUなんかは、EUも積極的にいろんな国とやっておりますけれども、例えばEUに加盟していないヨーロッパの国々とも、例えばスイスなんかとEUはFTAを結んでおります。と同時に、EUは、それ以外の地域を見ますと、いわゆる旧植民地といいましょうか、EUとしては旧宗主国であるアフリカとかカリブとか、そういうところの国との経済関係を、おおむね発展途上国でありますけれども、そことのEPAをかなり積極的にやっているというようなところも見られます。
さらには、メキシコとかモロッコなんかは十字路戦略といって、FTAをできるだけ多くの国と結ぶことによって東西貿易あるいはまた南北貿易の一つの交差点としての位置付けとしてこれから経済発展をしていこうと、いろんな戦略が見えて取れるわけでございます。
それでは、日本はどういうことになりますかというと、日本は、世界じゅうとさっき申し上げましたが、確かに世界のいろんな国の方々とお話ししていると、日本とやりたい、FTAを結びたい、EPAを結びたい、そしてまた日本の先端技術を導入したい、中小企業の振興のためにいろいろとノウハウを投資をしてもらいたい、いろんな要望を、えっ、こんな国からも言われるのかなというぐらいに、私は非常にある意味ではそれだけ日本に対する期待が大きいんだなというふうに思っておりますけれども、一々、今言われたからじゃやりましょうというほど、実は我々の方のいろんな意味での能力には限界があるわけでございますので、おのずから優先順位を付けなければならないわけでございます。
そのときには、やっぱり先ほど申し上げたように、やりやすいところからという意味では第一番目のシンガポールが非常にやりやすかった、日本としての初めての相手国としてはとってもいい相手と結ぶことができたと。次はメキシコという、ある意味では大国でございますけれども、いろいろありましたけれども、いよいよ先生御指摘のように四月からスタートをする。現在は、御承知のとおり、いろんな国ございますけれども、やっぱり日本の近い国、御近所である韓国、そしてまたフィリピン、ASEANの中で日本に一番近いフィリピン、そしてまたASEANの中のある意味では経済的に一番力があり、また日本とも関係の深いタイ、そしてまた、いろんな意味でこれまた日本と関係の深い、そして独特の工業先進国を目指しておりますマレーシアと今交渉をしております。
まあ交渉ですから、お互いのトータルとしてプラスにはなるということはお互い認識ありますけど、個別になるとやっぱりセンシティブな部分がお互いあって、そこをどれだけ譲れるか、あるいはまた譲り合うかと。そしてまた、それによって一足す一が三にも五にもなるようなEPAをつくっていくことが文字どおり志の高い交渉結果をやろうということであるわけでございまして、そういう意味で、あえて優先順位ということになりますと、関係閣僚で一応合意したこととしては、今申し上げたような国々、東アジア、ASEANの国々、そしてまた四月からはASEAN全体ともやってまいりますし、そのほかインドネシア、チリとも、インドともこれからスタートの前の準備作業、まあお勉強みたいなこともスタートをしていきたいというふうに考えているところでございます。
事務的には大変これはもう大きな作業、一つの交渉をまとめるには大変な作業が事務的に掛かるわけでございまして、同時に六つも十もやるというのは大変なことでありますけれども、今御指摘いただきましたように、スピード感を持ってやるということで、極端に言えば、譲るところは譲り守るところは守ると同時に、高い志を持って大局観を忘れずにやっていけば、こういった国々と結ぶことによってお互いにハッピーになっていくと思います。
さらには、チリというものも私どもの頭の中には実はございます。チリというのは、南米のゲートウエーという位置付けとしてチリというものも、向こうも大変熱心でございますので、現実にはまだ入っておりませんけれども、私どもの頭の中にございます。
いずれにしても、一つ一つをスピード感を持って、そしていい交渉を一つ一つまとめていきながら、積極的にWTOとEPAと両方、特にEPAの方をいろんな国々、一つ一つ、一杯ありますので、進めていくということで、日本としてのEPA戦略を持って相手国を始め世界の経済の発展、生活レベルの発展のためにEPA戦略が貢献できるようにしていきたいというふうに考えております。
○加納時男君 ありがとうございました。
それでは次に、美浜三号機の事故について原子力安全・保安院長に質問したいと思います。
今朝の新聞に載っていたんですが、美浜三号機の事故に関する原子力安全・保安院、NISAの事故調、事故調査委員会が昨日福井で開かれたというふうに報じられております。特記事項、これを簡単に紹介してください。
○政府参考人(松永和夫君) お答え申し上げます。
私ども原子力安全・保安院といたしましては、昨年起きました美浜三号機の事故を重く受け止めまして、事故調査委員会を設置して事故の原因究明と再発防止策の検討を進めてまいりました。
昨日は、九回目のこの委員会が今御指摘のとおり福井県福井市で開催されましたところでございますが、その審議の要点を申し上げますと、前回、三月三日の議論を踏まえまして、関西電力から再発防止策に関する報告書についての追加報告が提出をされました。これに対しまして、保安院が評価の視点、観点というものを示しました上で、御議論いただいたわけでございます。
関西電力におきましては、安全優先、メーカー及び協力会社との役割分担の明確化、情報共有あるいは発電所に対します要員、資金等の経営資源を十分に投入をするといった内容の社会へのコミットメント、あるいはそれに基づきます行動計画の展開という案を示したわけでございます。
これに対しまして、複数の委員から、関西電力やあるいはメーカーや協力企業に対する調達管理を改善するといった点について、具体的な内容がなお不十分であるという指摘もございましたけれども、おおむね了承されたというふうに理解をしております。
今後は、昨日の議論を踏まえまして、事務局で、昨日もお諮りいたしましたけれども、原子力安全・保安院といたしましての最終報告書の案を修正をいたしまして、三月三十日に開催予定でございます十回目の事故調査委員会で取りまとめをしていただきたいというふうに考えております。私どもといたしましては、審議の状況あるいはその結果を福井県、美浜町といった地元の関係者の皆様に対しましても十分説明してまいりたいというふうに考えております。
○加納時男君 ありがとうございました。
昨日の様子が大体分かりました。
この問題は、私どもは、昨年事故が発生したのが八月九日だったですね。翌日、直ちに大臣が現地に入られました。私もその直後にまた現地へ入ったわけでありますが。この委員会においては、閉会中に現地調査を行い、また参考人質疑も行い、いろいろ議論してまいりまして、我々の恐らく共通の認識だと思うのは、事故は極めて遺憾である、基本的原因が三菱重工の点検リスト漏れ、そしてこれに対する関電の不十分な外注管理などに表れております事業者の品質保証体制の欠陥だというのが、この議論を通じて当委員会でも指摘されたところだったと思います。
今のお話を伺いますと、昨日の関電の報告に対して、各委員の指摘も踏まえ、関電が更に具体化したもの、昨日は五つのコミットメントと三十の行動計画が出たというふうに承っておりますが、これを更に昨日の指摘、それから原子力安全・保安院からの指摘を踏まえて練り直したものを再々提出をする、それを基に報告をまとめるというふうに私は理解しましたけれども、それで間違いなければ、この質問は終わりたいと思います。
最後になりますが、環境とエネルギーについて伺いたいと思います。残り時間が三分五十秒ぐらいになってしまいましたので、もうたくさん通告してありますが、一点だけ伺いたいと思います。
地球温暖化防止における原子力の役割についてだけ絞ってお伺いしたいと思います。京都議定書の発効を受けまして、削減目標を達成するということが急務になっておりますけれども、これの中で、私は、先週の大臣の、中川大臣の所信表明を伺っておりまして、これを達成するために省エネの推進、新エネルギーの導入、京メカ、京都メカニズムの活用と、この三点を強調された。それから、項を別にしてこの原子力に触れていらっしゃったわけ。ちょっとこれ、気になったところであります。やはり削減目標を達成するための原子力の役割をどのように考えておられるのか。
よく経済産業省から出てくる資料を見ていますと、温暖化防止対策、経済産業省以外の官庁もそうでありますが、省エネとか新エネ、ガスシフトあるいは化石燃料によるコジェネ、これの面的利用などはだあっと並んでいるわけでありますが、どうも原子力への取組のメッセージが弱く、先般の首相の施政方針演説でも、私は時間を計っていたんですが、約五秒間、原子力ということを触れられただけで、あと五分間ぐらいはほかのこと、まあ別に郵政とは言いませんけれども、ほかのことにあったので。
こういうことから見ましても、もっと政府としての原子力に対する、もちろん安全性を前提にしての話でありますが、安全性を前提にするのはあらゆるエネルギーが共通でありますが、特に安全性に留意しながら原子力の推進が、現実にこれがあって日本ではCO2を二〇%減らし、そして世界では一〇%CO2を削減しているわけであります。これの私は推進なしには温暖化防止は、達成は著しく困難だと思いますが、所感を伺って、私の質問の結びとしたいと思います。
○副大臣(保坂三蔵君) 御答弁申し上げます。
地球温暖化対策に関しましては、需要と供給の面でそれぞれ対策を打っていかなくちゃならないことは、既に委員、先刻御承知のところだと存じます。
需要につきましては、率直に申し上げまして、今回国会でお世話になっております運輸・民生部門プラス産業界からの協力等々、法的な規制あるいはまた支援等で活発化してまいりますが、問題は、やはり非常に大きなウエートを占めておりますのは、供給面でのCO2対策等につきましてはもう積極的にやっていかなくちゃならないことが喫緊の課題になっているわけでございます。
新エネルギー対策、あるいはまた天然ガス対策、加えて、旧来軽んじられておりました石油や石炭につきましても、科学的な知見の下で調整的にまた活用していかなくちゃいけない。こういう対策を現在打っているところでございますが、最も効果的なのは、やはり何といいましても原子力の活用という点は再度着目しなくちゃいけない、このように思っております。
議員立法でおまとめいただきましたエネルギー基本法におきましても明瞭になっておりますとおり、またその後、核燃料サイクルが再度確認されましたとおり、日本の政策、国策といたしまして、向後原子力エネルギーには最大重要課題として取り組んでいく必要があると存じております。
ちなみに申し上げますと、例えばサマータイム等でどのぐらいの省エネができるかなどの試算をいたしましても、例えばコンマで数字が寄与するしか出ないわけでございますが、かつて東電で全部の原発が止まったとき、福島の原発が止まったとき等の影響を見てみますと、率直に申し上げまして、あれだけで四・九%ぐらいの消失を、我々は失ったと、いわゆる寄与を失ったというような逆のデータも出ておりまして、この原子力エネルギーを活用することと、それから活用しなかった場合のその差を考えますと、非常に大きな差が出てくると思っております。
そういうわけで、原子力エネルギーの活用に関しましては、専門家でありますまた加納先生の御意見等、先生方の御意見取り入れながら、国家的な戦略の中心に置いていく、これが本省の計画でございます。
○加納時男君 ありがとうございました。
大臣、今の副大臣の御答弁がありましたけれども、大臣としてそのとおりであるということであれば、是非、一言で結構でございます、覚悟を伺いたいと思います。
○国務大臣(中川昭一君) 原子力エネルギーというのは、加納先生も御指摘のように、安全と御地元を始め国民の理解というものが大前提でございますが、その上に立ちまして、非常にメリットのある基幹エネルギーだというふうに考えております。一つは、発電所が稼動いたしますと、そのコストが非常に安いでありますとか、あるいはまたCO2を発生しないでありますとか、そういうメリットもあるわけでございます。
そういう意味で、エネルギー政策だけではなくて温暖化対策としてもこの原子力発電というものは極めて重要な位置付けになり、今後我々の計画よりもちょっと、新しく原発ができる数というものは今のところの状況では少ない状況でございますけれども、いずれにしても、今も保坂副大臣からもお話ありましたように、二〇〇三年に東電の原発が十七基止まったことによって、止まっていなければCO2の排出量が四・九%減ったというデータもあるわけでございますから、その後また四つ新規に発電所が建設・稼動いたしますと、これがまたCO2削減に一・七%貢献すると。これ足すと六・六%ですから、もう一四%近い削減目標に対して七%近い部分が、普通に原子力発電所が動いていればこれはもうその分貢献できるわけでございますので、何度も申し上げますが、安全と国民の御理解ということが大前提でありますけれども、その温暖化対策という地球環境の面からも重要な役割を今後ますます持っていくというふうに考えておりますので、重要な政策として位置付けたいと思っております。
○加納時男君 ありがとうございました。
時間がちょっと超過しておわびします。
それから、環境省においでいただきながら質問ができなくて大変申し訳ないので、是非とも次の機会には質問させていただきます。
ありがとうございました。
(以下略)
◇3月31日 参議院経済産業委員会にて加納時男議員が質疑をおこないました
3/31の経済産業委員会で、加納時男議員は今国会2度目の質疑を行いました。
今回は「日本アルコール産業株式会社法案(※)」の審議です。

質疑の概要は次のとおりです。
(法案審議に先だって)
0.美浜発電所事故の最終報告の状況について
(アルコール産業株式会社法案について)
1.法案提出の意義、狙いについて。
2.工業用アルコール部門の専売廃止・民営化が遅れた理由は何か。
3.現在までのNEDOと民間の製造シェアはどう推移しているか。
4.即、完全民営化ではなく、一旦特殊会社を設立する理由は何か。
5.特殊会社での製造は民業圧迫にならないか。イコールフッティングの競争
をしてもらいたい。
6.新会社の副業進出はありうるか、そしてそれが民業圧迫にならないか。
7.工業アルコールは地味だが重要な分野。副産物の有効活用を含めイコール
フッティングによる競争を期待し、支援したい。
※「日本アルコール産業株式会社法案」
・工業用アルコールは3公社5現業と言われていた専売事業の一つだった。
・s57に製造を政府直轄からNEDOにいち早く移管(ただし専売)。
・H13に専売制度廃止。NEDO製造販売は激変緩和として5年間継続と
なった。この期間終了に際し、特殊会社を設立し、NEDOのアルコール
製造部門を分離移管するもの。
(以下、会議録より抜粋)
平成十七年三月三十一日(木曜日)
午前十時開会
─────────────
○委員長(佐藤昭郎君) 日本アルコール産業株式会社法案を議題といたします。
本案の趣旨説明は既に聴取いたしておりますので、これより質疑に入ります。
質疑のある方は順次御発言願います。
○加納時男君 自由民主党の加納時男でございます。
アルコール法審議に先立ちまして、新聞によりますと、関西電力美浜発電所の三号機二次系配管破損による蒸気漏出事故について、昨日、政府の第十回事故調査委員会が開かれ、最終報告書がまとまったとあります。
この事故発生以来、閉会中ではございましたが、この委員会で現地調査を行い、そしてまた参考人質疑も行い、審議もやってまいりました。そのとき、九月二十七日だったと記憶していますけれども、原子力安全・保安院から中間取りまとめが出ました。その中で、本件を単なる事故ととらえることなく、これにより得られた様々な教訓を今後の原子力発電所の事故やトラブルにおける、文章を省略しますが、防災対策の一層の充実に生かすべきであるというふうにありました。
そこで、伺います。事故原因を踏まえた関係者、関西電力、三菱重工業、そして日本アーム、さらに国といったものの責任はどうか。そして、この中間まとめにありました再発防止対策につなげるとありますけれども、その昨日の結論の要点を伺いたいと思います。
○政府参考人(松永和夫君) お答え申し上げます。
委員御指摘のとおり、昨日、美浜発電所三号機事故調査委員会が開催をされまして、最終報告書が取りまとめられておりますので、その内容につきまして御説明申し上げます。
まず、事故の直接的な原因でございますけれども、事故が起きました配管が点検リストから漏れていたため、その配管が侵食、腐食で減肉をいたしまして、ということでございますが、そうした事実を長年見落としてきたということであるということでございます。同時に、事故の根本的な原因は、関西電力、三菱重工業、日本アームの三社における不十分な保守管理、品質保証の体制にあるという指摘になっております。具体的には、関西電力、三菱重工業ともチェック作業や相互の意思疎通を怠り、当初、三菱重工業が起こしました点検リスト作成のミスを長い間修正できなかったわけでございます。また、関西電力の外注管理が不適切であったために登録漏れが見逃されてきたわけでございます。また、これとは別に、関西電力における工程優先の意識というものが現場において強かったために、過去において一時期、配管の技術基準の不適合の常態化ということが判明をしたというふうに指摘をしております。
関西電力におきましては、したがいまして、保守管理能力の向上と外注管理の徹底が急務でございまして、また安全に関する企業風土、価値観を改善するための持続的な取組が不可欠でございます。関西電力は、これらの指摘を踏まえまして、再発防止報告書や行動計画を原子力安全・保安院に提出をいたしました。
保安院といたしましては、関西電力が現場への要員あるいは資金の投入を増やすという社長のコミットメントに基づいた再発防止対策が確実に実行できるのかどうかということを、今後、特別の保安検査等を通じて厳正に監視、指導していくこととしております。
また、三菱重工業につきましても、不適切な保守管理は、プラントの建設・保全の中核を担うメーカーといたしまして自己規律を欠いた行為である、同社のみならず原子力安全全般への不信を、損なうものであると、こういう指摘がされております。保安院といたしましては、三菱重工業に対しましても厳粛な反省を求め、その再発防止策と社内改革活動が確実に実施されるかどうかということを厳しく注視してまいりたいと思っております。
また、国といたしましても、今回の美浜発電所三号機の事故を反省いたしまして、教訓として重く受け止めまして、再発防止対策に全力で取り組むべきであると指摘をされております。具体的には、事故が起きました部位につきましては、平成十五年の制度改正によりまして、それまで事業者の自主点検にゆだねられていたものを、法律上の義務である定期事業者検査の対象としていたところでございますけれども、昨年末にこの対象の明確化を図るための省令改正を行いました。また、本年二月におきましては、配管の肉厚管理の方法を詳細に定めた通達を発出しております。
さらに、保安院といたしましては、これら事業者の自律的な保守管理、品質保証活動の徹底を図るために、新しい安全規制の考え方というものが継続的に、安全規制を継続的に改善すると同時に、事業者における再発防止策の実行というものをきちんとフォローアップしていきたいというふうに考えております。
以上でございます。
○加納時男君 ありがとうございました。報告書の要点が今ので非常に分かりやすく説明されたと思います。
今伺っておりまして、要するに直接の原因は、既に我々の委員会でも議論されましたエロージョン・コロージョンによる減肉破断であると。だけれども、その背景として企業の側にも大きな、もちろん企業には大きな責任がある。それは外注管理であるとか品質保証であるけれども、更に重要なこと、今回の指摘で、今のお話で重要だったと思うのは、配管の技術基準不適合の状態が続いていた、あるいは常態化していたといいますか、普通の状態になっていたというところに言わば安全文化の劣化があるというのが私は非常に強い指摘だと思っております。
国の責任についても今触れられました。私の記憶では、たしか一九八六年だったと思いますが、アメリカのサリー原子力発電所で全く同じような二次系配管の破損事故があり、これを教訓としてアメリカでは対策を講じたわけでありますが、日本では企業の自主点検にゆだねていたと、言葉は悪いんですけれども、ゆだねていたというところが国としての私は一つの責任であったのだというようなことがこの報告にあるんではないかと思っております。
そういったことから、今、松永院長が言われた国としての肉厚管理の指針であるとか、あるいは省令の改正、保守管理、品質保証の徹底を図っていくという方向は私は間違っていないと思っています。関西電力の社長のコミットメントと五つの基本行動も、私は、そこに述べられていること、三菱重工の所信も述べられていることは私は評価したいと思います。しかし、文書を書いたらばいいんじゃなくて、これをいかに実行するかが大事であると思います。
こういったことを踏まえまして中川大臣に伺いたいと思いますけれども、昨日のこの最終報告書に対して中川大臣の所感をお伺いいたしたいと思います。
○国務大臣(中川昭一君) おはようございます。
今の加納委員の御質問につきましての詳細については、今、保安院長から報告したとおりでございますが、改めまして、十一人、うち五名の方の尊い人命が失われたこの事故につきまして、監督責任者といたしまして心からお悔やみを、お見舞い、そしておわびを申し上げなければならないというふうに思っております。
十回にわたる事故調査委員会を開いていただき、昨日、調査委員長から私に対しましてこの最終報告書というものをいただきました。厳粛に受け止めさせていただいているわけでございますが、その場でも申し上げましたように、この報告書に基づいてきちっと実績を上げるといいましょうか、やるべきことをやることによって二度とこういう事故を起こさないということが最終的な目標でございます。
したがいまして、関西電力あるいはまた三菱重工、そして経済産業省、原子力安全・保安院、我々も大いに反省をしなければいけないわけでございますし、今、院長から申し上げたように、我が省としても制度の変更といいましょうか強化をしたところでございます。そしてまた、御地元の皆様方にもきちっと御説明をし、御理解をいただかなければいけないということで、この後、保安院長には福井県美浜に派遣させまして、事情を説明しなければいけないというふうに思って、行くことになってございます。
いずれにいたしましても、当委員会でも何度も御指摘をいただいたことも踏まえまして、関西電力、三菱重工、その他関係者、特に経営者から従業員に至るまできちっと真摯に重大に受け止めて、二度とこういうことを起こさないように全力を挙げるよう強く要求をし、また引き続き、強く厳しく監視をしていかなければならないと思っております。我々もまた改めて安全行政に全力を尽くすことをお誓いをしたところでございます。
以上でございます。
○加納時男君 ありがとうございました。
それでは、これからどのように進めていくのか、当委員会としてもしっかりと見守ってまいりたいと思います。大臣の今の御決意を是非実行していただきたく、よろしくお願いいたしまして、本題のアルコール法に入りたいと思います。
日本アルコール産業株式会社法案でございますが、初めに大臣に、続けてで申し訳ございませんが、お伺いいたします。
今回、この法案を提出する意義、そのねらいですね、これについて大臣からお願いいたしたいと思います。
○国務大臣(中川昭一君) 言うまでもなく、この工業用アルコールというのは、三公社五現業と言われていた専売事業であったわけでございますけれども、八二年にこの製造部門をNEDO、いわゆる独立行政法人新エネルギー・産業技術総合開発機構、以下NEDOと申し上げますけれども、に移管をいたしましたが、引き続き専売制度が残っているという事情が続いておりました。そういう中で、度重なる閣議決定その他で専売から民営化への必要性というものを求められていたところでございますけれども、この工業用アルコールというのは、飲食、医薬、化学品等、国民に不可欠な基礎的物資でございます。これを安定的かつ合理的に管理をし、そしてまた経済活動の中で、あるいは国民生活の中で利用をしていただきたいということで、この法案につきまして主な内容は先日御説明申し上げましたが、NEDOのアルコール部門を取りあえず特殊会社として民営化をすること、そしてまた一定の期間内に早急に普通の民間会社にしていくこと、そしてまたアルコールの一手購入・販売制度は廃止をすることを御審議をいただくことが趣旨でございます。
しかしまた、諸外国と同じように、この管理につきましては、工業用といわゆる飲むアルコールとの区別はきちっとしていかなければいけませんので、その管理等については引き続き国の方でやっていくということを一方で置きながら、しかし現業部門、あるいはまた物資としての製造、流通、販売、そしてそれの使用については自由化をしていくという方向の一連の長い行革、昭和五十七年以降の行革の流れの集大成として位置付けてこの法案を提出をさせていただいたわけでございます。
○加納時男君 ありがとうございました。
今の大臣のお話の中で、旧三公社五現業というお話がありました。これを、民でやれるものは民で、民でやるべきものは民で、私は全部やるのがいいとは思っておりません、造幣だとか印刷の中で民でやるのは不適当なものもありますので、民でやれるものは民でやるという基本方針の下に、大臣がおっしゃるとおり、逐次民営化されてきて、アルコール部門については政府直轄からNEDOに移ったのが、製造部門の移管が、大臣おっしゃったとおり、昭和五十七年なんでございます。
これは政府委員の方に伺いたいと思いますが、それ以来、平成十三年まで専売制度が続いたわけです。これ、昭和、平成というのはちょっと年度は数えにくいんですけれども、数えてみましたら十九年間、約二十年も掛かったというのはどうもちょっと長いんじゃないだろうかと。もっと端的に言えば、この部門の民営化が非常に遅れたと思うんですけれども、それはなぜでしょうか、伺いたいと思います。
○副大臣(保坂三蔵君) おはようございます。
ただいま大臣から御答弁申し上げましたように、工業用アルコールの性質からいいまして、国民生活や経済産業に非常に不可欠な基礎的な物資でございます。したがいまして、昭和十二年のアルコール専売法の制定以来四十五年にわたりましてその安定供給あるいはまた質の確保について国が努力してきた、こういうのが昭和五十七年でございます。
昭和五十七年に確かに五現業が外れまして、国が造るということは取りあえずやめたわけでございます。NEDOに移管したわけでございますが、問題は、それからも長いじゃないかという問題がございます。
しかし現実には、NEDOに移管後、NEDOによるところの製造等に関しましては非常に効率的、また合理化が進んでおりまして、この点での評価がございました。また一方では、いわゆるユーザーへ向けての安定供給という点からいいましても、私たちといたしましては、これらは言わば専売制を維持することによって国が一元的に流通から利用まで管理する、これが実は安定供給に有効だという御評価も市場からあるいは国民サイドから受けてきたわけでございます。
ところが、それに甘んじてたわけではないわけでございますが、ここで維持してきたところ、平成十年の三か年の規制緩和、閣議決定がございました。そして、その中で指摘をされまして、平成十一年に私たちは民業化を決定をしたわけでございます。ただし、ユーザーサイドが数千に及ぶような小規模なユーザーもございまして、これはもう立ち所に、例えば五十七年に現業化された後に、国鉄は昭和六十二年、あるいはまた電電は昭和六十年と直ちに民営化したわけでございますけれども、我々の方は、激変を緩和するということで五か年の猶予をいただいたわけでございます。
この間に市場に信頼されるような体制を築くという努力をしてまいりまして、今回、最終的に民営化することの糸口といたしまして総仕上げを行うというのが今回の法律の根本でございます。
○加納時男君 その経過は分かりましたけれども。
それでは次の質問に移りますが、アルコールの製造業者はどれだけあるのかと。純民間というので私が資料で数えたところ、約十四社あると思います。NEDOと民間の製造部門のシェアの推移など、現在までどのようなことで来ているんだろうかということを伺いたいと思います。
○政府参考人(石毛博行君) お答えいたします。
工業用アルコールでございますけれども、糖みつあるいはサトウキビ、そういうものを原料とする発酵アルコールと、それから石油から得られるエチレンを原料とする合成アルコール、そういうものがございます。
NEDOのアルコール部門でございますが、発酵アルコールのみを製造をしております。
平成十六年度の製造数量は十七・八万キロリットルというふうになっております。それから、民間の製造事業者は、今、加納先生おっしゃったとおり、十四社でございます。発酵アルコールと合成アルコールの双方を製造をしております。平成十六年度の製造数量はそれぞれ、発酵で二・七万キロリットル、合成で十一・三万キロリットル、これら全部合わせまして、合計で三十一・八万キロリットルになっております。
NEDOと民間の工業用アルコールの製造シェアでございますけれども、民間製造事業者のまず生産能力に余剰がございまして、そういうものを活用してほしいと、そういう要請を受けまして平成八年から、オイルショックの際に原料入手が非常に難しいということで民間の製造事業者は製造委託を一時辞退をしておりましたけれども、それを平成八年にその調達を再開をいたしました。その結果、発酵アルコールの民間製造事業者のシェアが増加をしてきているという形になっております。
具体的に申し上げますと、発酵アルコールだけで見た製造のシェアは、平成八年度の一%から平成十六年度には一三%まで伸びています。合成アルコールを加えました工業用アルコール全体で見てみましても、平成八年度の四〇%から平成十六年度の四四%に増加をしてきていると、そういう状況でございます。
○加納時男君 じゃ、次の質問に入りますけれども、NEDOのアルコール製造部門のことでございますけれども、暫定期間終了後も特殊会社、今この法案が可決されるとでき上がる日本アルコール産業株式会社として存続させる理由は何でしょうか。今いろいろ御説明ありましたけれども、即民営化できないのか、できない理由を伺いたいと思います。
○大臣政務官(平田耕一君) できるだけ早く民営化をしたいということで目しておるわけでございますし、設立後二年以内に株式を売却を開始をするということは御承知をいただいておると思います。
ただ、JRなどでも、北海道、四国、九州等、現在でも特殊会社として存続をしております。理由は個々にございましょうが、この場合は、やはり競争市場というものが、規模的なもの、それから設立される会社の規模等も考えますと、それらの中で、制約の中で販売戦略、資金調達等、民間企業としてしっかりと事業運営を確立するためにはやはり少しく時間をいただきたいということだろうというふうに考えております。
我々経済産業省といたしましても、できるだけこれらが早く確立されますように、そしてまた民間が株式を購入する場合にしっかりと経営情報を開示をして信頼を得るべく、早期にそれが完成するように努めてまいりたいというふうに思っておるところでございます。
○加納時男君 抽象的には何となく分かりますが、具体的にいま一つぴんとこないところがあるんですけれども、一言で言うと、何でしょうかね、ソフトランディングをしたいということでしょうか。
○大臣政務官(平田耕一君) 御指摘のとおりでございまして、できるだけ早く確立をしたいというふうに考えておるところでございます。正に、ソフトランディングと表現をしていただくならば、それも適切であろうかというふうに考えております。
○加納時男君 次に伺いますが、日本アルコール産業株式会社が完全民営化するまでの間、アルコールを、工業用アルコールを製造するわけでありますけれども、この製造を継続するのは民業圧迫にならないかどうか。民間とはイコールフッティングで競争してもらいたいと思うんですが、何分これは特殊会社でありますから、特殊会社がイコールフッティングをしないで事業を継続していくということは、私は民間に対してはいささか危惧を持つものでありますが、この辺りはどうでしょうか。
○政府参考人(石毛博行君) お答えいたします。
新会社が行います工業用アルコールの製造でございますけれども、ほかの民間事業者と同様に、特別な税制上の優遇措置だとか国からの予算措置といったものは講じないことになっております。
それから、新しい会社は、アルコール事業法上、これまでの一手購入あるいは販売というような独占的な地位はなくなりまして、ほかの民間事業者と同様に、許可事業者の一つとして扱われることになります。
更に申しますと、工業用アルコールの国内事業者の状況を見ましても、先ほども申し上げましたが、暫定措置期間中における民間の製造数量は増えてきておりますし、それから販売事業者なども増加するということで、競争環境は整備されつつあるというふうに思っております。民間の新たな参入あるいは既存の事業者の事業の拡大を阻むと、そういうような要因もございません。
そういうことでございますので、新会社はほかの民間事業者と比べて特に優越的な地位を有するものでもなくて、民間事業者と同じ競争条件の下でアルコール製造事業を運営するということになりますので、御指摘のような民業の圧迫というような懸念はないのではないかというふうに思っております。
○加納時男君 今の石毛さんのお答えの中で民間が増えてきたというところがありましたが、民間が増えてきたというのは、実はお酒と工業用アルコールと分けますと、お酒向けが日本酒離れというのもあって若干これ減ってきたというのもあって設備がかなり余剰が出てきた、それを生かして工業用部門に進出したということもあったと思うし、またそのように誘導したという行政は私は間違っていないと、別にいけないと言っているんじゃなくて、そういうこともあったのかなということを思いながら今聞いておりました。
一番私が懸念しておりました予算だとかあるいは税制で優遇措置をされるということになると、これはイコールフッティングにならないということでありましたが、今非常に明快な回答がありましたので、これ記録にも残りますので、私もそれはよく理解できたところであります。ありがとうございました。
そこで、民間との関係でもう一つだけ聞きたいと思いますが、日本アルコール産業株式会社は、今後、アルコールの製造・販売以外に、ほかの事業にも進出することが私は可能になると思います。それをまず、正しいかどうか答えてほしいと思います。そして、そのことは、もしイエスであるとするならば、また同じような話ですけれども、民業圧迫にならないかどうか、ここのところも伺いたいと思います。
○政府参考人(石毛博行君) お答えいたします。
現在、NEDOでは、完全民営化の後の経営基盤の強化に向けまして、アルコールの発酵製造工程から廃液というものが発生するわけでございますけれども、それを飼料あるいは肥料、そういうものにするという事業について、その新規事業の計画を検討しているというふうに聞いております。
この新規事業でございますけれども、今回の法案の第一条第二項にありますけれども、工業用アルコールの製造事業に支障のない範囲で、経済産業大臣の認可を得て開始をするということになっております。
この事業についての民間企業との競争の関係でございますけれども、先ほどアルコール製造について申しましたものと同様、この事業についても、特段の税制上の優遇措置だとかあるいは予算措置と、そういったようなものはございませんものですから、特に民間企業に対する圧迫というようなことにはならないというふうに思っております。
○加納時男君 私は、このアルコールの製造ということは非常に重要なものであり、冒頭に中川大臣がおっしゃったとおり、工業用の原料として、特に化学の原料として、また製薬の原料として、いろんなものに使われる、非常に地味でありますけれども非常に重要な分野であります。
それを造るに当たり、当然のことながら、副産物が出てまいります。副産物、まあ、廃棄物と言っちゃいけません、副産物とあえて言わせてもらいますが、そのバイオプロダクツの中には、皆様御案内のとおり、肥料になるもの、飼料になるものもあります。ただ、これを二束三文で売るんじゃなくて、研究の成果を生かして付加価値を付けて市場に出していくことは私はむしろ必要なことだと思っていますので、今、私、念のために聞いたんですけれども、製造に当たっては、十分に留意をして製造に支障のないようにすること、本来のアルコールのですね、それからまた認可があるとか、新しいことをやるにはですね、そういうことも私は大事なことだと思いますが、いずれにしても、この特殊会社に特権を与えずにイコールフッティングで競争させていく、そしてバイオプロダクツも市場に出していくということをむしろ支援したいと思います。
私の質問、以上で終わります。ありがとうございました。
(以下略)
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