活動内容

2004年4月の活動

◇4月6日 「激励する会」開催のご報告
◇4月1日 参議院 経済産業委員会における かのう時男理事の質疑


◇4月6日 「激励する会」開催のご報告

 平成16年4月6日(火)18時から、経団連会館「ダイヤモンドルーム」において、「参議院議員かのう時男君を激励する会」が開催されました。
 当日は政財界の友人・知人・サポーターなど約500名にご出席をいただきました。
 出席者はかのう時男議員夫妻の出迎えを受けられ会場へ。定刻、出光ケイさんの司会で開会。まずパーティーの発起人代表として奥田碩・日本経団連会長よりご挨拶をいただきました。次にご来賓の先輩衆参両院議員の皆様より丁重なるご祝辞を賜りました。ご登壇の順にご芳名を記させていただきます。ここに厚く御礼申し上げます。
 小里貞利・衆議院議員、谷垣禎一・財務大臣、森田一・衆議院議員、加藤紘一・衆議院議員、内田茂・東京都議会議長、甘利明・衆議院議員。
 他にも多くの国会議員・地元議員の皆様にご出席をいただきました。
 続いてかのう時男後援会会長である今井敬・日本経団連名誉会長からご挨拶をいただきました。ここでかのう時男議員より、決意を新たにご出席の皆様へ謝辞を申し上げました。
 乾杯のご発声は川崎二郎衆議院議員より頂戴いたしました。
 和やかな懇談の輪の中、かのう議員がお一人お一人にご挨拶に伺い、多くの方々より温かい激励のお言葉をいただきました。また当日頂戴いたしました多くの祝電が披露されるとともに、ご出席の多くの皆様からもご祝辞をいただきました。
 中締めのご挨拶は香西昭夫・日本経団連副会長より頂戴し、にぎやかな雰囲気のうちにお開きとなりました。
 当日ご出席いただいた皆様、さまざまな形でご協力下さった皆様、誠にありがとうございました。

奥田碩・日本経団連会長、日本経団連副会長の皆様、 ならびにかのう時男議員夫妻

川崎二郎・衆議院議員による乾杯のご発声

かのう時男・参議院議員より謝辞


◇4月1日 参議院 経済産業委員会における かのう時男理事の質疑

4月1日、参議院 経済産業委員会において、
「工業標準化法(JIS法)の一部を改正する法律案」
「独立行政法人産業技術総合研究所法の一部を改正する法律案」
「鉱山保安法及び経済産業省設置法の一部を改正する法律案の一部を改正する法律案」
に関して、かのう時男理事が、以下のとおり質疑を行いました(会議録より抜粋)。

平成十六年四月一日(木曜日) 午前十時開会

(中略)

○加納時男君
 おはようございます。加納時男でございます。
 まず、工業標準化法の一部を改正する法律案につき伺いたいと思いますが、最初に大臣にお尋ねしたいと思います。
 工業標準化法、いわゆるJIS法が制定されたのは戦後間もない昭和二十四年でございました。この制度は、それ以降、まだ疲弊していた我が国の産業の合理化、効率化を図り、品質の向上を図る上で大きな役割を果たし、その結果国際競争力も強化されてきたものと私は認識しているところであります。その歴史を持つJIS法について、今回の改正はどのような趣旨でどのような改正を行うものであるのか、そのねらいについて、大きなねらいだけで結構でございますが、大臣に伺いたいと思います。
○国務大臣(中川昭一君)
 おはようございます。
 今、加納委員からの御指摘でございますが、JIS法、それから、これに似たような法律としてJAS法というのがございますけれども、あのときは非常に品質が悪くて、ひょっとすると体が悪くなってしまうとかけがをするとか、そういうことに対して最低限の基準を付けていこうと、作っていこうということで、JIS法、JAS法が制定されていった経緯がございます、昭和二十四年、六年という時代でございますが。
 世の中、製造物責任法とか、あるいは消費者、あるいはユーザーの非常に、いわゆる目利きといいましょうか、厳しい品質に対する評価というものが高まってまいりましたので、その趣旨を踏まえて、これからは単に上からこれが最低基準だぞということではなくて、消費者の、ある意味ではリスクといいましょうか、消費者がきちっと判断をしたものに対して最低限の法整備をしていこうということが時代の要請ではないかというふうに思っております。したがいまして、任意の規格でございます日本工業規格、いわゆるJISの制定と、それからJISへの適合を評価して証明する制度、JISマーク制度及び試験事業者認定制度、これはJNLA制度と、こういうものをより時代に合った形で充実をしていきたいということで、この法律の改正というものをお願いをしているということでございます。
○加納時男君
 ありがとうございました。
 続いて伺いたいと思いますが、平成十四年三月に公益法人に対する行政の関与の在り方の改善、改革実施計画というものが閣議決定されております。これを踏まえて、JIS法に基づくJISへの適合性を評価して証明等を行う制度についての国の関与の在り方を見直して登録制度へ移行するということでありますが、これはどのような検討をしてこのような改正に至ったのか、その経緯及び理由について概要を伺いたいと思います。
○副大臣(泉信也君)
 委員御指摘のように、十四年三月の閣議決定を受けまして、政府は、JISマーク表示制度及び試験事業者認定制度につきましては十七年度までに登録機関による実施に移行するということに決めておるわけでございまして、昨年の六月には日本工業標準調査会において、登録機関による認証制度への移行、多様なニーズに対応するJISマーク表示制度の対象商品を限定する制度を廃止するといった今回の法改正の基本的な方向が示されたわけであります。
 これらを踏まえまして、今回の法改正に取り組ませていただくわけでありますが、認証機関に関しましては行政の裁量の余地のない登録制度へ移行するということが一つ、また認証機関の業務の規定や手数料もいわゆる届出制にするということにいたしたわけでございます。
○加納時男君
 今の御説明で大体分かりました。
 そこで、伺いたいと思うんですけれども、法改正が国民にもたらす影響という点を今度は伺ってみたいと思います。
 今回の法改正によりまして、JISマーク表示制度については、その認証を行う主体を主務大臣又は主務大臣が指定する認定機関から、今お話があったように、主務大臣の登録を受けた認証機関に移行することになるわけであります。それからまた、いわゆる事業者認定制度、JNLA制度と言っておりますが、これは主務大臣の認定を受けることができる制度から主務大臣の登録を受ける
ことが制度へと、つまり認定から登録というふうに大きく変わるということ、今御説明にもありました。
 そうなると、質問でございますが、登録制度へ移行することによって事業者及び消費者にとってはどのようなメリットがあるのか、それからまた信頼性が確保できるのか、この辺りを伺いたいと思います。
○大臣政務官(菅義偉君)
 事業者にとりましては、自己の判断でJISマークという、あるいはJIS適合表示の両方を選択をできる。そのことによって事業者間の円滑な取引や新たな取引先の開拓もできるだろうと。さらにまた、消費者にとっては、このJISマークが様々な商品にも表示されることになりますので、商品選択についての情報や利便性が向上されるだろうというふうに思っております。さらに、民間のビジネスチャンス、これも今度の改正で広がる。さらに、透明性、合理化性ですね、合理化、こういうものも高まってくるというふうに思っています。
 ただ、今委員が言われましたように、一番はいわゆる信頼性でありますから、このJISマークにとっては信頼性がその制度の根幹でありますので、このことについては厳しく対処していきたいというふうに思っております。
 例えば、登録認証機関が登録要件に合致しているかどうかというものを監視をする。さらに、消費者の通報等に応じて報告徴収や立入検査を適宜実施し、必要な措置を取らせる。さらにまた、このJISマーク表示を認められた製造業者、これに対しては国が報告徴収や立入検査も行うと。そういう形でしっかりと行われているかどうかという検査をする。これに違反をして、あるいは問題があった場合、表示の除去もしくは抹消命令、鉱工業品の販売の停止命令も出すと、このことぐらいも考えておりますし、さらに、市場で流通するJISマークの製品については試買検査、これも引き続き行っていくと。こういうことをしっかり行って信頼性を引き続いて確保していきたいと、こう考えています。
○加納時男君
 信頼性確保について十分に配慮していきたいということでありますので、是非それをお言葉どおりやっていただくようにお願いいたしたいと思います。
 少し細かい話になって恐縮なんですけれども、私、実は、自民党の中のガス分科会という政策分科会がありますが、そこの主査を務めておりますのでガスのことをちょっと例に取りますが、ガスストーブというのがあります。これはガス事業法では安全基準が、安全マークの基準があります。PSTGと言っているんですけれども、プロダクト・セーフティー・オブ・タウン・ガス・エクイプメント・アンド・アプライアンシスの略だと思うんですが、PSTGという制度があります。似たようなことは電気事業法で電気用品の中でも、PSEと言っておりますが、そういったようなマーク、安全マークがあります。これは実は消費者安全のための強行規定なんですね。このマークの表示をしなければならない。そうすると、JISとの関係をいろいろと考えてみたんですが、これはJISじゃなくて、それぞれの事業法に基づく安全確保のための消費者安全のためのマークであると。
 JISというのは、歴史的にずっと見ていきましても、粗悪品があってはいけない、製品の品質をそろえていく、あるいは生産を効率化していく、そういうための規格をずっと作ってきたというのが経過だと思うんです。そうすると、こういう強行規定を、JISを一本化しろとは決して言いませんけれども、JISという基準の考え方も、安全とか環境、これ消費者が今非常に望んでいる
ことでありますが、安全とか環境に配慮した規格といった観点からこれに対して行われる見直しも進めていくべきではないかと思いますが、この辺はどのようにお考えでしょうか。
○政府参考人(経済産業省産業技術環境局長 小川洋君)
 今、先生の方から御指摘いただきましたのは、いわゆる強行法規におきます強制的な技術基準、それにかかわります特定のマーク制度でございます。
 このJISマーク、JIS規格、JISでございますけれども、任意の規格、それからその情報提供、あるいは先ほどの品質管理を向上させるといった目的の制度でございますけれども、最近、御指摘のように安全問題あるいは環境配慮の意識の高まりというのがございまして、安全性や環境に配慮した製品、これに対する消費者のニーズは非常に高くなっております。そういう動きに対応して規格の制定をしていきたいとまず考えてございますし、情報提供という意味ではそうしたことをJISマークの表示の中にも盛り込んでいきたいというふうに考えてございます。
 JISマークの情報提供機能を充実させよというのは消費者の声でもございますので、今回の改正によりまして指定商品制が廃止されることを契機といたしまして、個別製品のJISマークと併せて安全や環境配慮といいました特定の側面、例えばスラグなんかを原料にしましたエコセメントというのがございますが、そういったものはリサイクルというのがJISマークに付けられるとか、そういったことが考えられますし、より高いレベルの基準を示すグレードと、そういった規格を作りましてグレードに合わせた表示ができるようにすると。例えばシックハウスの原因となりますホルムアルデヒドの放散量の程度をグレードで分けて示すと、そういったことが考えられるわけですが、そういった形を通じましてJISを抜本的にそういったJISにしていきたい、整備をしていきたいというふうに考えてございます。
 こうしたことによりまして、優れた製品の差別化、それとともに消費者への的確な情報提供というのは従来よりも図られる、商品選択の幅が広がるというふうに考えてございます。
○加納時男君
 今の局長の説明は非常に分かりやすかったと思いますね。
 いずれにしましても、JISが長い歴史を経て新しい時代を迎えております。安全や環境に関する消費者への情報提供としての、そのツールとしてのJISの活用ということも今のお話のように今後進めていっていただきたいと思います。
 この工業標準化法の質問の最後に、最近起こった事件についての関係を伺いたいと思っております。
 三月二十六日に六本木ヒルズの森タワーで起きた自動回転ドアによる死亡事故は本当に痛ましいことでございます。この一つの大きな事故の背景、その後ろには更にたくさんの事故に至らなかったけれどもそれに近いものがあり、その更に後ろには小さな兆候がたくさんあると、これをハインリッヒの法則と言っておりますが、そういうことから、こういう類似のことがあるのではないかというふうに懸念をしているところでありますが、今日の朝刊を見ますと、ほかのビルにおいて既にごく最近十六件も自動回転ドアによるトラブルが発生しているということも報告されておりまして、これはこれ自体大きな問題だと思っております。
 今日はJISを議論している場でありますので、JISに絡むところで質問をさせていただきます。
 まず、自動回転ドアはJISの対象となっていますか、いませんか、伺います。
○政府参考人(小川洋君)
 お答え申し上げます。
 六本木ヒルズで事故を起こしました自動回転ドアにつきましては、日本工業規格JISは制定されておりません。
 JISの制定は、製品の普及状況を踏まえながら、品質の確保の必要性等、総合的に勘案してこれまでやってきたところでございます。JISを含めまして、今回事故を起こしましたような自動回転ドアにつきましては安全基準が定められてないわけでございますが、こうした大型の自動回転ドアが比較的最近我が国に導入されたこともありまして、普及数が限られたと、そういったことなどによるものでございます。
○加納時男君
 今の回答じゃ、私は十分納得できないですね。普及率が低いと言うけれども、十分普及していますよ。急速に普及してきたから追い付かないと言うけれども、急速に普及してきたら急速にシステムを、チェックシステムなりあるいは消費者の保護を考えるべきだと思います。ちょっと厳しいことを言って悪いけれども、本当に本気で国民の目線から見たらば、急速に普及したから間に合わなかったというんじゃちょっと残念なんで。終わったことは終わったことですから。
 今やらなきゃいけない、これからやらなきゃいけないことは、これは経済産業省だけの問題じゃないと思います。これは例えば、こういう施設ですから、例えば住宅というふうに、とらえ方、あるいはマンションととらえると国土交通省になるのか、建物ですから建築基準かと思います。
 そこで、是非この問題は、ここで今までが何が悪かったということだけ言っているんじゃなくて、これからどうするかと、再びこういう事故を起こさないためにはどのようなことが必要なのか。これは実は経済産業省も国土交通省もまたがると思いましたので、今日は国土交通省からも大臣政務官にもおいでいただいて、恐縮でございますがおいでいただいていますので、国土交通省か
ら先に、国土交通省としてどうこの問題をとらえ、どう対処するのかという、今日は細かいことまではまだ決まって、いろんなこと調査中ですから決まっていないのは分かっていますが、覚悟を伺いたい。その上で、経済産業大臣に御覚悟のほどを一言伺いたいと思います。
○国土交通大臣政務官(佐藤茂樹君)
 今も加納委員の御指摘のとおりでございますが、私も二人の子供がおりまして大変人ごととは思えない、そういう今回非常に痛ましい事故が発生しましたことは極めて遺憾でありまして、亡くなられた方の御冥福を心からお祈りをいたします。
 その上で、国土交通省として今当面取っている施策、またこれからの方向性につきまして簡潔に述べさせていただきたいと思うんですけれども、特に、今回のような不特定多数が常時利用する施設で死亡事故が発生いたしましたことを国土交通省といたしましても大変重く受け止めておりまして、早速、二十六日の翌週の二十九日に二つのことをこの自動回転ドアを製造している主要メーカーに要請をいたしました。
 一つは、設置実態の報告をしっかりとしてもらいたいということでございます。これが一つの要請でございます。もう一つは、当面の事故防止対策として、回転運転の休止をするか、あるいはもし使用する場合にもしっかりとそのそばに警備員を配置する、そういうことをしっかり要請をいたしまして、当面のガイドラインが整備されるまでの事故防止対策の徹底を今図っているところでございます。
 その上で今後のことでございますが、今回のこの事故を契機として、自動回転ドアの事故防止対策を検討するために、後ほど大臣もお述べになると思いますが、経済産業省と共同で学識経験者であるとかまた実務経験者等をしっかりと集まっていただいて検討会を設置して、当面、今一回目をもう四月の早い時期に早急に開催いたしまして、おおむね三か月程度で設計者や管理者が守るべきそういうガイドラインを整備すること等を今しているところでございます。
 そのガイドラインの整備、普及を急ぐことがまず重要であると考えておりますけれども、その検討会の結果次第では、委員が質問の中で触れておられましたけれども、将来的な法改正も視野に入れたそういう検討をしてまいりたい、そのように考えております。
○国務大臣(中川昭一君)
 私も小学生の子供がおりますので、回転ドア、大人が使ってもちょっと、かなり力が要るなという感じを私自身ふだんから持っておりましたけれども、そういう中で、センサーがうまく稼働していなかったとか、あるいはまた、いろいろとうまく作動しないようにやっていたということですから、私は一義的にこれは企業の責任だろうというふうに思っております。
 したがって、経済産業省としても国土交通省と一緒に対策を取っていかなければならないんですが、規制をすれば済むかという問題でもない。まず、企業としてきちっとやってもらいたいなと。今我々は、官から民へということを小泉内閣としてやっているわけでございますから、きちっとまず民間が自己責任においてやってもらいたいなというふうに思いますけれども、しかし、そういう中で、犯罪、犯罪といいましょうか、業務上過失致死の疑いがありということでございますから、そこはきちっと、これは捜査当局の捜査もきちっと踏まえた上で行政としても万全の対策を取っていかなければ、本当に気の毒なこういう事件、事故が発生をしてしまったことを二度としないように行政としても最善の努力をしていかなければならないというふうに思っております。
○加納時男君
 ありがとうございました。
 大臣並びに政務官からもお話がございました。この問題、子供、孫、そういう方を持っていらっしゃるお立場もあり、非常に身近な問題としてお考えだと思います。私も子供が四人、孫が八人おりますが、子供たちのやっぱり命というものは、自分の子であれお隣の子であれ、皆同じでございまして、一つ一つの命を大切にしていくということは政治家としての基本だと思っているところでございます。
 もちろん、官から民へ、そして自分のことは自分で始末をするということは世の中の基本であることは私もそのとおりだと思っておりますが、それに加えてとあえて言うんですね、加えて、やはり国民の命、安全を守るための官の役割は重要であるということも再度指摘させていただきたいと思っております。官より民へということにあって安全が阻害されてはならないということは、ひとつ重要な歯止めを掛けておかなければいけない。そういうことで、当面の対応策、続いて関係者によるガイドラインの整備、次に必要に応じての法律改定といった今手順が示されましたが、その方向で結構だと思いますので、是非とも早急に立ち上がっていただきたいと思っております。
 ありがとうございました。以上をもちまして、国土交通省の政務官、局長さん、結構でございます。ありがとうございました。
 それでは、残った二つの法律について伺いたいと思います。
 まず、産業技術総合研究所法の一部を改正する法律案について、この独立行政法人産業総合研究所、産総研の概要と、これまでやってきた成果、独立行政法人化してから今年で、この四月でちょうど三年になると思いますが、成果についてポイントを伺いたいと思います。
○政府参考人(小川洋君)
 お答え申し上げます。
 独立行政法人産業技術総合研究所でございますが、旧工業技術院の研究所など十六の組織を統合いたしまして、平成十三年四月から設立をされました研究開発を行います公務員型の独立行政法人でございます。
 その研究対象といたしましては、ライフサイエンス、情報通信など最先端の分野から、計量標準、地質調査、そういった知的基盤の分野まで幅広いものを含んでおりまして、常勤職員も三千二百名、うち研究職員が二千五百名を擁します我が国最大の公的研究機関でございます。
 独立行政法人に移行して以来の成果ということでございますが、今申し上げましたように十三年度に独立行政法人に移行したわけでございますけれども、先ほど申し上げましたライフサイエンス、情報通信、それから材料、ナノテクと、そういった研究分野を中心に産業界とも積極的に連携を図りながら、将来の産業への発展が期待される技術シーズをいろいろ満たす研究に取り組んできたところでございます。
 この結果、平成十四年度におきましては、研究論文数は独立行政法人に移行する前の十二年に比べまして、一・三倍の四千百十九件、受託研究件数は二十六倍の百三十一件、受託研究額は四十五倍の九億円に増加をし、また民間企業への技術移転にかかわります特許実施契約件数は二倍の二百九十六件、これに伴います実施料収入が六倍の三・一億円というふうになってございます。
○加納時男君
 今いろいろ数字も挙げて、いかに成果が上がってきたのかというお話がありました。特許料収入が上がったこと、それから民間からの受託が増えたこと、これは私は率直に認めます。評価します。いいと思います。受託収入が、今の御説明ちょっとメモしましたけれども、発足前の四十六倍になったと。これを聞くと国民の方は四十六倍、すごいなと思います。
 私、若干数字についてはこだわりがあるものですから、すぐに全体の中のウエートとこう考えますが、四十六倍に増えて九億円ですね。九億円自体は大きいか小さいかということであります。私は増えたことは決してけち付けているんじゃないし、皆さん方の努力は認めていますが、九億円というのはこれは世間常識から見ると、この産総研の事業規模ってどのくらいなのか。補正予算が入ったりして増えることがありますが、それを除いて大体九百億円、補正で増えたときに千四、五百億円という、私の記憶です、違っていたら訂正してください。ざっくりいって一千億円と考えて、一千億円の規模のところで、物すごく増えてきた民間からの受託が九億円、これを大きいと考えるか、小さいと考えるか。私はまだまだ不満ですね。もっともっとウエートがあってしかるべきではないだろうか。それだけの魅力のあるものに、民間から仕事をもらえるようなそういう機関になってほしいという、これは希望でありますが。
 そういうので、この九億円だから四十六倍に増えたのはちっとも違ってません。計算したって間違いなく四十六倍ですから、小川さんの言っているのにけち付けているんじゃ決してないんだけれども、増えたけれども、まだまだ全体の収支規模から見ると低いんではないかなと思います。それから、特許料収入、これも私かつて一億円だったように記憶していましたから、今、その前から見ると、六倍とおっしゃったのでその前多分五千万円ぐらいだったんですかね。それが六倍に増えて三億円。ですから六倍に増えたこと、三億円である、これはもうおっしゃっているとおりで正確だと思います。
 私の言いたいのは、特許料三億円というのは十分だとお考えですかということであります。もう非常にいろんな方々がここに精鋭が集まってきて、特許をどんどん生んでいけば特許料収入はどんどん上がるはずなんで、短期間に増えたということは評価しますけれども、これで全体の収支規模から見て私は高いとは言えない。ちょっと辛口の言い方すると、努力は認めます、けれどもその努力の結果、現在いる地点の点数を付けると決して高い点ではないですねと、まだまだこれから、もっと言えば、やってもらう余地がたくさんありますねということを念押しをしたいわけです。
 質問でございますが、全体の収支規模を約一千億円と見て、それから見て特許料収入の三億円、それから受託収入の九億円というのは低いと、私はかなり低いと思いますけれども、その理由と、これをこれからもっともっと高くしてほしいんですが、そのための対策、考え方があれば説明していただきたいと思います。
○政府参考人(小川洋君)
 お答え申し上げます。
 特許の実施料収入、五千万が三億円強でございますが、それから民間企業からの受託収入、少ないという御指摘でございます。御理解賜りたいのは、産総研というのが、民間では取り組みにくい基礎的な研究や先端的な研究を行っているという事情があるということ、この点をまず御理解いただきたいと思います。
 しかしながら、産総研は、こうした公的な役割を果たす一方で、産業界への研究成果の移転あるいは産官学連携の強化というものを、独立行政法人移行を契機に今までより一層積極的に取り組み始めたということでございます。その結果、先ほど申し上げました、申し上げたような、先生からごらんになりますとまだ小さいじゃないかという御指摘でありますけれども、その前から比べてみるとそのベクトルの方向は確実に増加する方向、また成果が上がりつつあるということでございます。
 これからでございますが、産総研に与えられました役割というのがございますので、そこの期待される役割でありますところの研究開発をきちっとやっていくと。一方で、先ほど言いましたように、産官学連携あるいは成果の普及といったことを通じて、今回御審議いただいています非公務員型への移行と。これはいろんなメリットがございますので、そのメリットも生かしながら、今まで以上に民間企業との研究交流、人事交流を活発化いたしまして、特許実施料収入あるいは受託収入、受託研究の収入といった自己収入の増加に一層努めていきたいというふうに考えてございます。
○加納時男君
 今の御回答で結構だと思います。その方向で是非やっていただきたいと思います。逆に、今回提案されている非公務員型というのは、私は元々、もっと最初からやるべきだと思っていた一人でありますので、その方向で行くならば、この今日指摘した問題は解決の方向に向かうんじゃないか。ベクトルは小川さんの言っているのと私の申し上げているのと完全に合っていると思いますので、その方向で努力をしていただきたいと思います。
 そこで、その非公務員型のことについて伺いたいと思います。これが今回のこの法律の一番のポイントだと思いますが、まず、公務員型の独立行政法人としてスタートして三年たつわけですが、これから今回非公務員型の独立行政法人に移行するということでありますが、その理由についてまず伺いたいと思います。これは大臣、副大臣ですか。
○副大臣(泉信也君)
 産総研に対して、数字の絶対値はともかく、努力に対する温かい評価をいただきましたことにまずお礼を申し上げたいと思います。
 十三年度の設立以来、研究活動を通じまして、産業競争力の強化に取り組んできたところでございますが、しかし、産総研がその目的をもっと的確にスピーディーに果たしていきますためには、先生御承知のように、学界、産業界、そうしたところとの活発な研究交流を通じて、産総研自体の研究能力の向上が必要であるということが第一点。
 そしてまた、産業界との積極的な人的交流や、成果を生み出した研究者自身の起業、業を起こすですね、起業等を通じた研究成果の効果的な普及、こうしたことが喫緊の課題であると私どもは認識しておるわけであります。
 また、少し観点が違いますが、国立大学が今日から非公務員型の国立大学法人に移行をするわけでございまして、大学との連携、また一方では競争という観点からこれに対応していく、そのためには、非公務員型がこうした時代の要請、そしてより活力を生む方法である、こうした考え方で非公務員型に今回移させていただきたいと考えておるところでございます。
○加納時男君
 今おっしゃったことは、全部ごもっともなんですね。今、泉副大臣がおっしゃった、他の研究所や企業との研究員の交流を活発にさせていきたいとか、それから、研究員が兼業する、あるいは業を起こす、アントレプレナーとして新しく創業する、こういったようなことをよりやりやすくする、それも非公務員型の方じゃないとできないだろうとおっしゃっている。それから、有能な人材を採用する、したいとか、人事も研究開発者としてふさわしい資格を持った人を採る、決まった問題をたくさん解いた人という画一的な採用で採ってきた人じゃなくて、弾力的に人の採用、それから処遇もできる。それから勤務時間もかなりこれフレキシブルにできるとか、いろんな面で考えると、この研究開発型の組織というのは実はかなり弾力性を持った方がいいんじゃないだろうかというのは、常識的に考えて妥当なところだと思います。
 そうなると、今の御説明を伺っていると余計分からなくなってくるのは、急に昨日今日、国立大学の法人化だけは別として、昨日今日出てきた話じゃなくて、これは当初からこの産総研は非公務員型として出発すべきだったんじゃないのかなという気もするんです。もう終わったことを言ってもしようがないけれども、これ、どうしても私ずっと気になっていたことなんで、是非この場で伺いたいと思います。
 まとめてみると、例えば新しい研究テーマの発掘、有能な人材の採用、処遇、配置、研究員の交流、そして技術移転、様々な観点から見て非公務員型が望ましかったのにもかかわらず、それをやらなかった理由は何でしょうか、伺いたいと思います。
○大臣政務官(江田康幸君)
 お答えいたします。
 平成十三年の産総研の設立の時点におきましてはまず公務員型でスタートさせていただいたということの理由でございますが、一つは、計量法とかに基づく特定計量器の検定業務というのもここで行っておりますが、こういうものは国民生活、また社会経済の安定に深くかかわっている業務を行っております。また、十六の組織の統合をこれやらせていただいたわけでございまして、発足当初はその業務を万全に遂行するという必要がありましたこと。この二点等を総合、二点を含めまして総合的にこれを検討いたしまして、公務員型の独立行政法人としたものでございます。
 先生御指摘のとおり、現在におきましては、産総研の発足後、更に産業の発展のためにこの技術の果たす役割は非常に大きくなってきておりまして、私も研究機関に二十年ほど身を置いて研究を続けた人間でございますのでよくそれが分かりますが、この産総研にはこれから本当に民間との、産業界との活発な研究交流を通じてその研究能力を向上させていただきたいこと。また、産業界との人事交流も通じまして研究成果の効果的な普及を強く、そういう普及が強く要望されている、そういう状況になってきております。そして、先ほどもありましたように、国立大学が四月から、この四月からこれ独立大学法人に移行いたしましたので、連携、大学との連携、競争の観点からこうした動きに対応していく必要が今あるわけでございます。
 こうしたことから、産総研のこの業務全体を見据えまして、産総研がその目的を効率的に、効果的に達成していく上でどのような組織形態となることが最も適切かという観点から検討を行いまして、非公務員型で積極的な取組を推進、更に推進をしていく所存でこのように判断したものでございます。
 以上でございます。
○加納時男君
 ありがとうございました。
 この問題は、後ろを振り向くような議論じゃなくて、これから類似のようなことが世の中でいろいろ起こってくるときに、大事を取ってまず堅めにスタートするということも大事だとは思いますけれども、余りにもそれにこだわりますと、大きな改革のテンポが非常に遅れることがよく世の中でありますので、その反省材料として私は伺っただけであります。別に、今の答弁に対して言葉をあげつらって何か言うつもりはありませんけれども、今、二十年の研究生活とおっしゃった、それは私もとても大切な貴重な経験をなさって政界へ出られたことに深く敬意を表しておりますが、私も四十年間企業でやってまいりましたので、その経験も生かしてこれからも一緒に政策を議論していきたいと思っています。
 お話の中でちょっとだけ気になったのは、計量法の問題があるとか十六の組織の統合というのがあった。これはそれなりに分かるんですよ。計量法による検定関係の仕事もあるので、これは、例えばいきなり非公務員型にしちゃうと、争議なんかがあったときに公務が果たせなくなっちゃうから困ると、こういうことなんでしょうけれども、いろんな、争議であれ病気であれ担当者が具合が悪くなることはあります。そういうときに不可欠な仕事というのは、管理職が代行するとかいろんなことで補ってきているのが実態でありますから、これだけでは余り理由にならないのかなとも思います。
 それからまた、十六組織の統合だから大変だと、これも分からないではないんですが、今回、いきなり非公務員型になります東京大学なんかの例を見ますと、これは数千人の教職員いるわけですね。学生も、学生はそんなに多くないんですけれども、教員とか職員たくさんいる学校でありますが、それでも一挙に非公務員型に行くということで、三千人ぐらいの規模、二千五百人は研究員だから、大変だから公務員型でスタートしたというのは、理屈としては分からないではないんですけれども、やる気になったらやれたのかなという気もしますので、これからはひとつ改革をやるときには勇気を持ってやっていきたいということだけ申し上げまして、この質問は終わりたいと思います。
 さて、最後のテーマでありますが、鉱山保安法及び経済産業省設置法の一部を改正する法律案について伺いたいと思います。
 鉱山といいますと、私はどうしても、どこの国を参考にするか、カナダとかオーストラリアというのはすぐに頭に浮かぶわけです。実は、オーストラリアにも何度も参りまして、この地で様々な金属、石炭、いろんな鉱山を見たり、あるいはウラン鉱山も現地を視察したりしまして、関係者の話、鉱業の実態、それから鉱山保安、いろいろ関心がありましたので調べてきたことがございます。
 その鉱山の多いオーストラリアにおいて、最近、西暦二〇〇〇年ですけれども、鉱山保安行政が改革されたというニュースをちょっと読みました。オーストラリアというのは、そういう意味では、日本に比べるとはるかに鉱山では経験が豊かな国だと思っていますので、我が国の鉱山保安法を今回改正するわけでありますが、きっと何か参考になる事案があるんじゃないかと思いますが、どんなことが参考になっているのか、いないのか、伺いたいと思います。
○政府参考人(資源エネルギー庁原子力安全・保安院長佐々木宜彦君)
 お答えいたします。
 オーストラリアでは、一九九〇年代の後半に労働者の死亡災害が下げ止まりの状況にあったということで、連邦政府と州政府が一体となりまして改革を行い、二〇〇〇年に鉱山保安の改善のための国家戦略枠組みを採択をいたしております。この枠組みにおきまして、鉱業に関する政府、事業者、労働者の役割と責任を明確にすること、事業者にリスク評価を行わせ、安全管理システムを構築させることなどの方向性が示されております。
 こうした方向で実際の法改正が行われておりますのがオーストラリアのクイーンズランド州であります。行政が事業者に対し法規範を遵守させる体系から、鉱山におけるリスクを把握し、そのリスクを許容範囲内に管理させ、行政はこうした事業者が行うリスク管理を監督するという体系に変わっているところであります。また、ニューサウスウェールズ州におきましても同趣旨の改革が進められております。
 私ども、今回の鉱山保安法の改正におきましては、昨年の九月に鉱山保安法改正の担当課長をクイーンズランド州及びニューサウスウェールズ州などに派遣いたしまして現地調査も行いまして、こうしたオーストラリアの取組も参考にしたところでございます。
○加納時男君
 ありがとうございました。
 非常にいい経験をオーストラリアしてきたと思います。オーストラリアの災害、炭鉱災害とか鉱山災害というのはもう激減してきたんですけれども、それが止まっちゃったと。つまり、いま一歩の努力をしようということで生まれたのがこの自主保安、リスクマネージメントという名前の一種の事業者の自主保安を前面に出し、国の役割は個別にチェックするんじゃなくて、その自主保安体制がシステムとしてワークしているかどうか、機能しているかどうかをチェックするといった考え方は一つの示唆を与えるものだろうと思っております。それを参考にされたということは今伺ったところであります。
 そこで大臣に、よろしいですか、一つ伺いたいと思います。
 鉱山保安法が制定されたのが昭和二十四年であります。当時はたくさんの鉱山で働く労働者がおられました。ところが現在ですと、例えば石炭の山というと、大手はたった一社だけになってしまいました。それから鉱山労働者の数をちょっと見ますと、昭和三十二年のときには五十万人もいたわけですが、今は一万五千人、ですから三十分の一ぐらいに全体が減ってきている。鉱山保安の規制の在り方についても時代に合ったものに変えていく必要があるだろうと思います。
 今、クイーンズランドの例でも院長からお話がありましたが、様々な状況認識、日本の鉱山の構造変化といったことも踏まえ、また自主保安の考え方の導入といった国際的な潮流も踏まえ、今回の法律改正の基本的な考え方について大臣からお話をいただきたいと思います。
○国務大臣(中川昭一君)
 今、委員御指摘のように、本当に鉱山、日本の場合、炭鉱が中心になっているわけでございますけれども、本当にいろんな事故が、悲惨な事故が続発しておりました。それが最近は企業努力、あるいはまた行政のいろんな形でこういうものに対しての事故の発生が少なくなってきたわけでございますけれども、しかし、元々あってはいけないことだろうというふうに思っておりますので、引き続きやっていかなければならない。
 今、保安院長の方から海外のお話がございましたが、ちょっと話がそれるかもしれませんけれども、例えば石炭とかそういう石油とか鉱山、一般的な鉱山で、結構海外で自然災害あるいはまた鉱山事故によってそれが供給に影響を与えているというような事象も発生しているやに聞いておりますので、これは日本は資源のない国として安定的に供給するためにも、事故をなくして、これは国の内外ともにでございますけれども、そういう形でやっていくためにこの法律が、一つは自己責任ということになりますけれども、きちっとした行政上のバックアップといいましょうか、そういうものがより新しい時代にふさわしい形で必要になってくるのではないかということでこの法律改正をお願いを申し上げているところでございます。
○加納時男君
 ありがとうございました。
 今回の改正の考え方については理解できるところだと思っております。
 今のお話の中に若干関連するところもありますが、最近、鉱山事故ではないんですけれども、産業事故、これが連続して起こっているのは非常に残念なことだと思っていますが、これ、産業事故が相続いているのは偶然ではなく、何かその背景があるのではないかという指摘もありますが、原子力安全・保安院、または経済産業省の基本的な認識及び今後の対応について伺いたいと思います。
○政府参考人(佐々木宜彦君)
 昨年連続して発生しました重大事故は、安全が企業活動において最大限配慮されるべきものであることを考えますと誠に遺憾でございます。
 経済産業省といたしましては、関係業界に対し、産業事故防止のための注意喚起を行うとともに、昨年十二月に再発防止対策について中間取りまとめを行いまして、その内容を周知いたしたところでございます。
 この中間取りまとめのポイントといたしましては、安全保安体制の確立には経営トップの役割が重要であること、また、人的要因による事故防止のためのマニュアルの改善や教育の充実が重要であること、あるいは設備、部品など劣化状況の把握と設備年齢に応じた検査体制が重要であること、さらに、業界内、産業界全体での事故事例の共有をすることが重要であるというようなことがポイントになっております。
 また、本年一月には、主要業界の経営トップをメンバーといたしまして産業事故連絡会を開催いたしまして、業種を超えた事故の情報共有体制を整備しているところでございます。さらに、総務省の消防庁及び厚生労働省とも連携いたしまして、三省庁共同で昨年十二月に関係団体に通知をいたしているところでございます。また、個別事故の原因調査を踏まえまして、同種の事故再発防止のために必要な当省所管法令の改正等の手続を行っているところでございます。
○加納時男君
 検討の方向は分かりました。
 よく、すべてのヒントは現場にあると、三現主義なんて言いますが、現場、現実、現物というので、私の尊敬する元経営者で今評論家をやっていらっしゃる牧野昇さんは、工場長をやっていたときに、毎朝必ず現場をずっと歩くと、その中でいろんな話をしたり設備を見たりしているうちに、いろんなヒントが現場にある、仕事の改善のヒントも部下の悩みの表情も分かるんだよということを私に教えてくださいました。私も仕事をやっているときに、責任者をやったときには、必ず第一線をぐるぐる歩いたことが記憶に残っていますが、正に現場に行かなくなっている経営者があるいは現場育ちでない経営者が出てきたということも大事な問題かとも、大きな変化かとも思います。
 また、日本の品質、安全を支えてきた、今団塊の世代の方々がその中核にあったわけですが、その方々が今定年期を迎えつつあって、その後継者がなかなか育っていないとか、いろんな問題がこの背景にあると思いますけれども、それに加えて、やはり人の在り方、仕事のやり方、組織の在り方といった面でこの産業事故をいかに再発を防止していくのか、ゼロとか何とかというのは言葉はいいんですけれども、発生率を極限まで小さくしていくということが非常に冷静な物の言い方だと思いますけれども、そのための原因の分析と対策の樹立というのは、当然これはまず第一に企業がやるべきだと私は思っていますが、加えまして、安全行政の観点から、今、佐々木院長が述べられた方向で是非行政の方も力を入れていただきたいと思うところであります。
 さて、また鉱山の話に一つ戻して、あと一つ質問して終わりたいと思いますけれども、私、基本的に今回の法改正の方向はいいと思っています。自主保安、リスクマネジメントを企業が責任を持ってやる、その体制をしっかりと監督していくというのは、方向としては企業と行政との在り方としてもいい方向だと思っていますが、これができるのは実は、大企業はそういうPDCAは回せると思うんですが、今鉱山では残っているのに中小の鉱山が結構あるものですから、中小の鉱山でうまく実施できるだろうかちょっと懸念がありますが、これについてはどのようにお考えでしょうか。
○政府参考人(佐々木宜彦君)
 今回の改正案では、鉱業権者に対し、鉱山における保安上の危険を把握させ、これに基づく対策の実施とその見直しを義務付けております。これは、鉱業権者がその鉱山におけます保安上の危険を最も熟知していることによるものでございます。このような危険の把握、対策の立案、実施と見直しを重ねていく方法についてはリスクマネジメントと呼ばれることがありますが、その具体的な手法については、必ずしも一つの手法に限られるものではなく、様々な手法があるものと考えております。
 したがいまして、今回の改正によって必ずしも、例えば第三者の審査、登録機関の認証を取得するようなマネジメントシステムを導入することを義務付けるものではなく、どのような手法を採用するかは鉱業権者の判断にゆだねられるものでございます。こうしたことから中小鉱山の場合におきましても、自らの判断によりそれぞれの鉱山に見合ったリスクあるいはマネジメントを行うことが期待されるところでございます。
 なお、現在、業界団体にも働き掛けておりまして、こうしたガイドラインの策定を行わせているところでございまして、国といたしましても業界団体に対して指導、助言をすることといたしております。
○加納時男君
 ありがとうございました。
 業界団体としては日本鉱業協会というのもあるかと思いますが、こういった分野とのしっかりしたコラボレーションによって、中小企業の経営者も十分にこういったリスクマネジメントができるような、そういう条件整備をしていただきたいと思います。
 私の質問は以上で終わります。ありがとうございました。

(以下、省略)

以 上