活動内容

2004年2月の活動

◇2月9日 参議院 国際問題に関する調査会でのかのう時男理事の参考人質疑

「新しい共存の時代における日本の役割」のうち、東アジア経済統合促進のための課題について、理事を務めるかのう時男議員が参考人質疑を行いました(会議録より抜粋)。


平成十六年二月九日(月曜日)
   午後一時開会
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出席者は左のとおり。

会 長 関谷 勝嗣君
理 事  
  愛知 治郎君
  加納 時男君
  山崎  力君
  岩本  司君
  田村 秀昭君
  緒方 靖夫君
   
委 員  
  入澤  肇君
  河本 英典君
  小林  温君
  椎名 一保君
  西銘順志郎君
  三浦 一水君
  今泉  昭君
  小川 勝也君
  田名部 匡省君
  高橋 千秋君
  広野 ただし君
  荒木 清寛君
  池田 幹幸君
   
事務局側  
  第一特別調査室長  渋川 文隆君
   
参考人  
  全国農業協同組合中央会専務理事     山田 俊男君
  東レ株式会社顧問               大川 三千男君
  東京大学東洋文化研究所教授  田中 明彦君

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本日の会議に付した案件
○国際問題に関する調査
 (「新しい共存の時代における日本の役割」のうち、東アジア経済の現状と展望(東アジア経済統合促進のための課題)について)
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(中略)
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○かのう時男君 自由民主党の加納時男でございます。
 今日は、三人の参考人の方、非常に有益なお話をいただきまして、ありがとうございました。限られた五分間という時間で、私の発言時間ですが、二点に絞ります。
 一つは、田中参考人に伺いたいと思っております。
 今日、鋭くもおっしゃったように、現代の経済外交の特徴は、多数、複雑な交渉、対内、対外のツーレベルのゲーム、そしてマルチとバイの外交の併存と。私風に言うと三点、先生は四点ということですが、こういうふうな特徴というのは同感でございます。
 そこで、例えば対外交渉をやるときに、相手は一人なのに対して、日本は三省あるいは四省のそれぞれトップ、準トップが同時に出掛けていくというのは変じゃないかとおっしゃるのは同感であります。
 参考になるものとしてUSTRがあると思います。USTRは、アメリカ通商代表部でありますが、私もよくお付き合いしておりますが、これは大変な強力な権限がありまして、対内的に各省の利害を調整する、そして対外的には代表交渉の一本の窓口となって、ワンボイス、USワンボイスということで発言する。日本は、マルチボイス、ボイシズと言うんですか、たくさんの声が出るというところで、ちょっとこれ違うわけですね。
 そこで、どうしたらいいのか。今、設置法体制の見直しと、もう一つ、対外経済担当大臣の任命とおっしゃったんですが、大臣だけ任命しても本当にいいんだろうかと。
 一つの案として、私はこういう案もあり得ると思うのは、JTR。JTRというのは、JTとかJRがありますが、JTRというのはジャパン・トレード・レプリゼンタティブズ、要するに日本通商代表部というようなものを、強力なものを作り、総理直属のものを作り、それは各省庁よりも一つランクが上の大臣が担当すると。そこに強力なスタッフが付くと。そこで、いろんな調整はもちろん必要ですが、その上で、そこでまとまったものは、日本は対内的にも対外的にもワンボイスでいくというふうなアイデアがありますが、これについて先生の御所見を承りたいと思います。
 質問だけ最初させていただくと、第二の質問は農業の問題であります。
 農というとすぐ農業と言うんですが、私はこれ非常に抵抗がありまして、農というのには三つの切り口があると思います。
 一つは、文化としての農。例えば、美しい田園とか中山間地域の活用だとか、自然、生態系との共存だとか、今日、山田参考人がおっしゃったように水資源の涵養とか、それからまたコミュニティーとしての農村。いろんな意味で文化としての農というのは私は非常に大切にしたいなと思っています。
 と同時に、二つ目に食糧としての農というとらえ方があると思います。つまり、農業基本法にもあります、自給率の向上というのが食糧としての農の肝だと思います。米というのにすぐみんな頭がいきますが、米だけではなく、穀物とか、実は飼料というのが大変に自給率が低いわけでありまして、これは私は非常に日本の安全保障上大きく憂慮されるところではないかと思いますが、そういう食糧としての農。
 それから、三つ目が、今日も議題になったのは、実は産業としての農業。農と農業は違うというのが私の主張でございます。農業といいますと、どうしても産業・通商政策との調整が必要になってきますが、何といっても、この答えといいますか方向性としては、現状、比較劣位に入りますので、生産性を上げることこそ解決の急務だろうと思っています。そのためにも、余りにも小規模な農地の集約化であるとか、あるいは、直ちに法人が全部やるというのがいいかどうかは問題ですが、少なくとも現状の農家を出発点とした、法人化による大規模な農業経営による規模の利益を得ること、あるいはそこに企業の論理を導入すること、さらには流通の近代化、こういったようなことが大事だろうと思っております。
 東アジアでは先ほど来御指摘があったように小規模で零細なものが多く、非常にこの問題を取り上げるのがセンシティブであるというのは十分分かっておりますが、センシティブだからこそ、逃げるんじゃなくて、センシティブなものをいかに解決し、そして、大川参考人がおっしゃったような改革と開放といった、開国といったことをこの農でもやっていくべきではないだろうかと。
 私は、質問をまとめますと、文化としての農、食糧としての農、産業としての農、三つの農を良い加減に考えていく。これ、具体的には、例えば除外品目を設けるとか、それを段階的に減らすとか、いろんな折り合いがあると思うんですが、良い加減の折り合いこそ大事ではないかと思うんですが、これについて御示唆をいただければいいのかと思います。
 余り能のある質問じゃなくて申し訳ございませんが、以上三点を伺い、ちょうど五分になりましたので終わります。

○参考人(田中明彦君) 加納先生おっしゃられたJTRでありますけれども、これは一つの考え方として十分成り立ち得ると思っております。
 ただ、私これを申し上げなかったのは、短期の対策といいますのは、現にFTA今やっているわけで、この現状のプロセスの中でもし今このJTRを作りましょうということを始めますと、これは日本の、何というんでしょうか、役所の通弊といいましょうか、いわゆる組織いじりに言及されると日本の役人の皆さんはこれに抵抗することに全精力を費やすようになるんですね。ですから、現下の情勢で、もし自由貿易協定を作りましょうということを一生懸命やっているときに省庁再編あるいは新組織を作りますというふうに言いますと、若干私は非生産的なことが起こるんではないかというふうに危惧しておりまして、短期のことでは申し上げませんでした。
 ただ、これは中長期的に考えますと考え得ることでありまして、特に日本の場合は対外経済交渉について経済産業省とそれから外務省との役割分担ということがやや問題含みになってきておりますので、JTR構想ということを考える場合には正にそのような経産省あるいは外務省の経済局などの体制の見直しを含めた形で行っていくということが必要になってくると思っております。
 どうもありがとうございます。

○参考人(山田俊男君) 加納先生の御指摘になりました三つの農という考えに全く大賛成であります。大変御示唆をいただきましてありがとうございます。
 先生、とりわけその中でおっしゃいました、食糧としての農につきまして先生御指摘の、穀物と飼料穀物の自給率が低いという御指摘であります。
 おっしゃるとおりでありまして、我が国は実は穀物と飼料穀物合わせまして三千万トン近いものを、それこそ関税ゼロで輸入しておるわけであります。もっとも、一部、麦についてのみ、食用の麦についてのみ今関税を掛けておりますが、あとは圧倒的に関税ゼロであります。一方で、高関税の品目について、米を始めとして十品目程度があるわけであります。我が国がいかにも高関税の国でありまして、かつそれを、FTA等の推進の邪魔になっているのが農産物であるという指摘ありますが、事実のやっぱり認識は少し違うんじゃないかというふうに考えているところでありまして、そういう面では飼料穀物等三千トンもの関税をゼロにしているということが我が国の農産物の何といいますか、外交交渉の力を大変弱くしている部分がある、弾力的な対応ができていないというふうに受け止めているところであります。
 ところで、十品目の高い関税につきまして、関税の品目につきましてどう対応するかということでありますが、制度的な対応をきちっとやることによりまして対策が十分講じられるんではないかというふうに認識しているところがあります。
 しかし、それにしましても、新大陸型の大規模農業には決してなり得ないわけでありますし、それから、農地をそれこそこういう形で所有しているわけでありますが、規模を拡大する以上は、農地を所有ではなくて利用の形でどんなふうに拡大できるかということがあろうかというふうに思っておりまして、私有財産制の国ではあるわけでありますけれども、しかし、利用を拡大する手だてにつきまして法制度上の大胆な検討があってもいいんではないかというふうに思うところであります。
 それから、先生御指摘の法人化につきましてはそういう形で大賛成でありますが、実は、法人化が進んでいないのは土地利用型の農業について進んでいないわけでありまして、多様な、株式会社も含めました参入は施設型なり畜産の経営におきましては相当進んでいるわけであります。その分だけやはり土地利用型の農業の難しさがあるわけでありまして、その場合の手だてでありますが、土地は集落を中心にしまして水管理や国土保全等々多様な機能が果たされているわけでありますから、集落をベースに営農組合を育成して、それが徐々に法人化に発展していくという、そういう、若干息が長いわけでありますけれども、手だてを是非講じていただきたいというふうに考えているところであります。

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(以下省略)