| 2003年6月の活動
参議院 経済産業委員会 での 加納時男 理事 の質疑(電気事業法及びガス事業法の一部を改正する等の法律案)
6月3日、および、6月5日、参議院 経済産業委員会において、「電気事業法及びガス事業法の一部を改正する等の法律案」に関して、加納時男 理事が以下のとおり質疑を行いました。
◇ 6月3日 一般質疑
◇ 6月5日 参考人質疑
<参考人>
・社団法人日本経済団体連合会副会長
新日本製鐵株式会社代表取締役会長 千速 晃 氏
・作家
慶應義塾大学文学部教授 荻野アンナ氏
・東洋大学経済学部教授 植草 益 氏
6月3日 一般質疑
○加納時男君 おはようございます。自由民主党の加納時男でございます。
先般、電気事業法等の一部改正に関する提案理由説明を平沼大臣からお伺いしました。その中に、三年後の見直し規定があることによる見直しもあったけれども、もう一つ、エネルギー政策基本法の制定を踏まえて今回見直しを行ったと、こういうふうに御説明があったと思うんですが、どのように踏まえられたのでしょうか。お伺いしたいと思います。
○国務大臣(平沼赳夫君) 加納先生にお答えをさせていただきます。
昨年策定されましたエネルギー政策基本法におきまして、エネルギー政策遂行上の基本方針が定められているところでございます。今回の制度改革に当たりましては、この基本方針に基づきまして、さらに過去の制度改革の成果も踏まえつつ、供給システムの更なる改革による安定供給の確保と環境への適合を図りまして、これらの下で電力供給に関する需要家選択肢の拡大を図る、このことを理念としているところでございます。
具体的に簡単に申し上げますと、安定供給についてでありますが、まず、川上から川下まで一貫体制にて電気、ガスの供給を行う責任ある供給体制としての一般電気事業者、一般ガス事業者制度を維持をすると、こういうことにいたしました。
二つ目には、電気についてもガスにつきましても、一気に全面自由化を行うことではなくて、引き続き部分自由化の枠組みを維持することによりまして、規制需要家への安定供給、これを確保する。
また三つ目は、このほか、一般電気事業者及び一般ガス事業者は引き続き供給計画の提出等を求めることとし、事業者の設備形成について政府が承認をし、必要な場合には勧告等を行うことができるようにしております。
また、環境適合につきましては、まず、CO2の排出をしない原子力、水力等の電源の推進が必要なところ、これらの電源は初期投資が非常に大きくて、また投資回収期間が長い、こういったことがございますので、特に小売自由化の進展下におきましては投資環境の整備が重要となるわけであります。このため、全国的な電力流通の円滑化、卸電力取引市場の整備などに加えまして、需要が著しく落ち込んだときに原子力発電等を優先的に給電させる優先給電指令制度の整備など、これらの電源の強みである長期にわたる安定的な運転が行えますよう、環境整備を行うことにしているわけでございます。
また、天然ガス供給のための導管網の整備あるいは託送供給に関するルールを整備をいたしまして、化石燃料の中でもCO2の排出量が少ない天然ガス供給体制の一層の整備を図る、こういったことをこの改正の中ではお願いをし、政府といたしましては、今後とも、エネルギー政策の全般にわたり、エネルギー政策基本法を踏まえまして、安定供給と環境適合、この要請にこたえていかなければならないと、このように思っているところでございます。
○加納時男君 安定供給と環境適合という大原則の上に、需要家、消費者の選択肢を拡大する、競争原理を発展させるという大臣のお考えは全く基本法の精神に一致するものであり、納得のいくものだと思っています。
少し具体的なことを、じゃ政府参考人の方に伺いたいと思うんですが、今の大臣のお話を伺って私は誠にごもっともだと思うんですが、そこではてなと思うことがあります。それは、じゃ、そのようなことでこれまでの電気事業なりガス事業なりの審議会が諮問をしてきたんだろうかということであります。
例えば、諮問事項を見ますと、これ電力の、電気事業審議会とか、今は電気事業分科会と言っていますが、例えば平成九年の審議会の諮問事項は、国際的に遜色のないコスト水準を目指し、我が国電力のコストを中長期的に低減する基盤の確立を図るためどうあるべきかという、コスト、コストというので終わっています。次に、割と新しい平成十三年の電気事業分科会での諮問事項を読んでみますと、電力の安定供給を効率的に達成し得る公正かつ実効性のあるシステムの構築に向けてどうあるべきかということでありまして、安定供給という言葉は入っていましたけれども、少なくも、安定供給と環境との適合を前提として、その上で市場原理を発揮させるという、今、大臣がおっしゃったような、正に基本法の精神とは若干ニュアンスが違うんじゃないかなという気もしないではないわけであります。
時代の推移だから仕方がないということもあるんでしょうが、そういうこともあってか、最近の状況を見ていますと、競争原理は非常に強調され、自由化、自由化ということで進んできたけれども、その光もあるけれども影の面も出てきたと思います。
例えば、供給責任意識が欠けて、新しく市場に札を入れて札を落として契約をして、さあ供給計画に入れたという段階で、この委員会でも取り上げました、土壇場でキャンセル、いわゆるドタキャンをやるような新規の参入者がIPPで出てきたことであるとか、あるいは、値段は確かに安いんですけれども、使っている燃料というのはほとんど全部石炭だという新規参入者ばかりであって、そういうところから電気を買っておられる官庁もあるというところでございます。これが決して悪いというんじゃなくて、そういう仕組みを作ったことに問題があったのかないのかということでありますが、そういうような様々なひずみも出てきている。
環境を全然考えなかった、それからまた供給の安定性、セキュリティーということを十分に認識しないまま自由化だけが進んできたことに対する反省があって、今回、今、大臣がおっしゃったような三つの観点を取り入れたのでしょうか。エネ庁長官に伺えたらと思います。
○政府参考人(岡本巖君) お答え申し上げます。
今回の制度改革は、先ほど大臣から御答弁申し上げましたように、単に自由化によるコストの引下げを目的とするものではございませんで、安定供給と環境への適合及びこれらの下での需要家の選択肢の拡大を図るということを本旨としているところでございます。
先生御指摘の、いわゆる新規参入者の方々の市場での参入というのは逐次進んでまいってはおりますけれども、今、そのシェアは〇・八九%程度に、自由化市場で〇・八九%程度にとどまっているところでございます。
それから、新規参入者の方々、確かに化石燃料系の電源を主として使いながら参入してくるという実態にあるわけでございますが、今、電力会社が実際の需要を相当上回る発電設備を保有しておりまして、そういう中で、先生御案内のように、発電設備の建設には相当の時間が掛かるということもございますので、当面、新規参入者がそういった電源を更に大きく拡大していくということは想定し難いと考えております。
むしろ、今回の制度改革の中でにらんでおります取引市場、卸電力取引市場というものを使いながら、新規参入者の方々も原子力を含むいろんな電源を調達しながら参入していくという方向が考えられるんではないだろうかというふうに私どもは見ているところでございます。
それから、環境との関係では、これまた先生御案内のとおり、私ども、取引市場を通じて原子力のようなそういういわゆる環境に適合した電気というものがより広く利用されていくということが期待できますというふうに思っておりますが、それに加えまして環境調和型の大規模電源の推進が図られますように、優先給電の指令制度でありますとか、あるいは送電容量の配分に当たってもそういう電気には優先配慮がなされるように工夫してまいりたいと考えております。さらに、昨年国会で制定されましたRPS法に基づきまして新エネルギー電気のようなものの利用拡大も図っていくことを期待しているところでございます。
○加納時男君 分かりました。ありがとうございました。
次に、省令についてちょっと伺いたいと思います。
今回の改正案を見ますと、省令によるという表現が非常に目に付くように私には思えました。そこで、法律事項と省令事項をどのように区分しておられるのか、伺いたいと思っています。
私は省令を一概に否定はしておりません。技術の進歩であるとかあるいは社会情勢の変化、あるいは事柄の特性から見て余りにも細かいことに属するものを一つ一つ法律でやっていくことは世の中の進歩あるいは変化に機動的に即応できないので、私は省令はあってちっともおかしくないと思っています。問題は、程度の問題だと思います。もう一つ、質の問題であって、国民の権利義務を実体的に決定するような重要な事項は省令によるというのはまずいんじゃないかと、これは法律として国会で議論して決定すべきではないだろうかというような気がしますけれども、この辺はどのように考えておられますか、伺いたいと思います。
○政府参考人(迎陽一君) 法律による命令への委任の範囲の問題でございますけれども、国民の権利義務にかかわります事項については基本的にはすべて法律で規定するというのが建前であるわけでございますけれども、非常に複雑な、先生御指摘もございましたような複雑な事項、あるいは専門的な事項等もあるわけでございます。
そうした技術的、専門的な事項、手続的な事項、あるいはただいま御指摘のありましたような状況に応じて迅速に改正をしていく必要があるといったような事項、こうした事項については合理的な範囲内で命令に委任をするというのが全体の法体系となっておるわけでございまして、そうした中で、今回の法律案につきましても適宜適切な事項については省令に委任、政令ですとか省令に委任をするというふうなことで立案をしたものでございます。
○加納時男君 それは結構だと思うんですが、非常に重要な事項でもやはり省令に委任するという傾向がとかくありがちだということは一言申し上げておきたいと思っています。
余り細かいことは言いたくないんですけれども、例えば今回の電気事業法改正案の二十四条の三の第一項、これは一般電気事業者の託送供給のところなんですが、わずか五行ぐらいの短い文章の中に省令によるというのが三か所出てくるわけですね。今回の全体の法律では、大して長い法律じゃないんですけれども、改正案さっと見たところ、省令によるというのは二十か所以上あるのでちょっと多いんじゃないかなという、印象で物を言っちゃいけないんですが、そういう印象も受けます。
実は行革本部の議論に参画したことありますが、そのときに、やはり省令事項が少し多いんじゃないかと、やはり重要事項は法律でやるべきだという議論もありましたので、それも参考に、今後でいいんですけれども、今後は是非留意しながら運用していただきたいと思っている。私の意見は、あくまでも国民の権利義務を実体的に決めるような事項は省令では困ると、これは法律でやってほしいということは申し上げておきたいと思っております。
次の質問に移りたいと思います。
市場自由化の問題でございます。
先ほど岡本資源エネルギー庁長官が、市場自由化というのはいろいろ進んできているけれども、トータルで見て、今、浸透率といいますか参加率は〇・八九%だというお答えがあって、非常に遅々たるものだということがあります。これについて、市場自由化の成果をどう評価するかということを質問したいと思っております。
私の問題意識を先に申し上げますと、この自由化の成果というのは、トータルとして何%入ったかということじゃなくて、実際に極めて重要な部門でどの程度の参加があるのか、それから、そもそも目的として参加率がターゲットであるのか、そうじゃないのか。私はそうじゃなくて、これは重要部門への参加率というのが一つと、それからもう一つは料金が下がったかどうか、これが問題だと思うんです。たくさん参加したけれども料金が下がらなかった場合には市場自由化の成果なしと、行政の失敗だと思いますが、もし参加率が全体としては少なくても拠点部分では多くて、それに引っ張られて全体の価格が下がっているならば、非規制部分だけじゃなくて規制部分にも市場自由化の成果が均てんされたものとして、私はこの行政は成功だったというふうに見たいと思っています。
一、二、質問の前に数字を挙げてみたいと思うんですが、ちょっと調べてきたところで見ますと、例えば今やっているのは、電力でいうと二千キロワット以上、ガスでいうと年間百万立米以上のいわゆる大口に限定して、これから今度は中口といいますか、いよいよやや小口のところまで入っていこうというのが今の方向でありますが、今日現在のというか、ごく最近の現在でいいますと、例えば一番激戦と言われております特別高圧、二万ボルト以上ですが、の電圧で送っている業務用、商業用であります。この部門でどのくらい新規参入者があったのかと調べてみますと、全国で大体六%強といいますから、かなりの数字です。特に、業務用のメッカといいますか、ビルとか官庁とかそういうところが集中しておるのが東京でありますから、東京電力管内を取ってみますと、何と今年の五月で、昨日調べたんですが、一五%になっていると。これはもう驚くほどの数字でありまして、これは大変な私は効果があったんじゃないかと思っているわけです。
そもそも電力の場合は大口産業用というのがあって、これは自家発の比率が三分の一ある、完全に自由市場の自家発が三分の一ある。ガスでいうとLPG、これは自由市場でありまして、これが二千六百万件もあるわけであります。ガスの消費者の需要家の半分はLPG、半分が都市ガス、こういうことなんで、LPGは規制産業じゃありません、自由市場であります。だから、電気、ガスは規制産業だらけだという外国の指摘は大間違いだと思っています。こういう自家発が三分の一あって、しかも特高の業務用の拠点地域では一五%も新規参入があるというのは明らかに自由化が進んでいると。
それから、料金がどのくらい下がっているのかというんですが、私の大ざっぱな計算でございますと、最近の十五年間ぐらいの値下げ率、電気でいいますと約三七%ぐらい下がっておりまして、これは非常に大きいと思っております。
こういうこともあって内外価格差もかなり急速に縮小しつつあるということでありますから、市場自由化をそういうふうに見ると成果はあるとも言えると思うんですが、この市場自由化の成果について行政の見解を伺いたいと思います。
○政府参考人(岡本巖君) 正に先生御指摘のとおりかと思います。
大口の自由化ということが二〇〇〇年から実際に進み、さらには、それにさかのぼって卸電力市場においてIPPという形での競争が入ってくる、そういったこともあって、各電気事業者の方々においてそれぞれの立場で効率化に向けて真剣な取組が進められてきている、その結果が、自由化部門はもとより、規制需要家の部門を含めまして、電気料金の引下げという形で広く国民に均てんする利益というものが現に発生してまいっているかと思います。
私ども、料金ということで見ました場合に、電灯と電力を合わせました電気料金の単価で見ますと、制度改革前の平成四年度とそれから直近の十四年度を、これを単純に比較してみますと約一五%下がっておりまして、制度改革の効果というのはこういう形で広く現に具体化されているというふうに認識をしております。
ガスにつきましても、小売の部分自由化等を通じまして効率化の努力が進んでおりまして、この結果、平成七年度の制度改革以降、大手の事業者を中心に約八%から一二%程度の値下げが行われておりまして、全需要家の八割がそのメリットを享受するというような形で成果が現れてきつつあるというふうに認識をいたしております。
○加納時男君 分かりました。それでは、今までの市場の自由化は成果があったというふうに私も認識しますし、政府の方もそういう認識であるということで理解をしたいと思います。
先ほど大臣のお話の中にこういうことがありました。一挙に全面自由化ということは考えていない、市場自由化についても段階を追ってやっていくんだということをおっしゃったのを先ほど印象深く伺いました。
私の質問は、全面自由化ということについて大臣がどのようにお考えかを是非伺いたいと思っているわけでございます。
といいますのは、小口とか家庭まで含めました電気やガスの全面自由化、これは果たして国民的な利益なのかどうかということが、私ども、消費者団体の方からもヒアリングをやったときに疑問が提示されておりました。大口、中口まではいいけれども、小口まではちょっと待ってもらいたいというのが消費者の方からもお話ありました。例えば、ガスのメーターが頻繁に取り替わるというのも非常に煩わしいし困ったことであるということで、本当に消費者にとっての例えば利益とすれば、自分で供給者と交渉をする、そういう交渉能力がなきゃいけないし、情報についても詳しく知らなきゃいけないし、それほどまでにするまでの意味があるんだろうか。
一方で、全面自由化をやって失敗した外国の例が幾らもあるわけでありまして、それから自由化から逆戻りして再び規制に入るという事例もアメリカで随所に出ているわけでありますが、そういった中において、ただ全面自由化を求める声が一部にあることも事実であります。
新規参入者のお話なんかを聞いておりまして、果たして小口まで全部やれと言っているのかどうかも、伺ってみると疑問もあるところがございました。全面自由化に至った場合に、例えば最終供給保障、だれからも電気やガスを買えない人に対してだれが最終的に生活に不可欠なものを供給するのかとか、それから離島とか僻地といったところにやはりある程度安定した品質の電気やガスを届けるいわゆるユニバーサルサービスというのを無視していいのか、必要ならばどういう仕組みでこれを保障するのかとか、様々な公益的課題があるじゃないか、あるいは市場自由化をやっていって供給体制も非常に弱体化していった場合に国際エネルギー戦略の主体が失われるんじゃないかと、いろんな疑問が委員会でも議論がされてきたわけですが、こういったことを踏まえて、大臣は全面自由化についてはどのようなお考えか、伺いたいと思います。
○国務大臣(平沼赳夫君) お答えさせていただきます。
生活必需財としての電気、ガスの重要性にかんがみまして、家庭用需要の自由化については、それまでの規模の大きい需要までの段階的な自由化への状況などの制度改革のまず成果を十分に検証して、私どもは慎重に検討しなければならないと、こういうふうに基本的に思っております。
御指摘がございましたように、供給の信頼性をまずいかに確保すべきかという問題がありますし、またエネルギーセキュリティーや環境保全等の課題を、いかにこの二つを両立させていくか、こういう側面もございますし、これも御指摘がございましたけれども、最終保障、それやユニバーサルサービスをどのようにして確保するか、これも大きな課題だと思っておりますし、また需要家の保安意識を踏まえた保安責任の在り方、これもどうあるべきか、こういった具体的な制度上の課題についてやっぱり十分に慎重に検討をしていかなければならない、そういう基本的な私どもは今スタンスであります。
○加納時男君 大臣が十分慎重に検討しなければならないというのは全く賛成でございます。そのように是非慎重に扱っていただきたいと思います。
そこで、やや専門的な質問になりますが、仮に将来、全面自由化を行うとすると、それは省令事項か法律事項か、どちらでしょうか。これは政府に伺いたいと思います。
○政府参考人(迎陽一君) 今回提案申し上げております電気事業法、改正電気事業法の体系は、部分自由化を前提としたものであります。したがいまして、規制需要の部分をすべて撤廃して全面自由化を行うというふうな場合には、現行法にございます供給区域ですとか供給義務、あるいは料金認可といったような条項が空文化をするというふうなことになるわけでございます。それから、ユニバーサルサービス等についての別途の手当て等行う場合には、これは多分その法改正が要るというふうなことになろうかと思っております。
したがいまして、全面自由化を行う場合には法律改正を行うというふうなことが必要であるというふうに考えております。
○加納時男君 私もそう思います。これは、世の中には量的変化と質的変化という言葉があると思うんですが、二千キロワットから五百キロワットとかあるいは百万立米から五十万立米というのは、言わば段階的に、さっき大臣の言葉で言うと部分的な自由化という枠組みの中でのステップ・バイ・ステップであるというふうに考えると、これは量的な変化だと思います。これが全面自由化になるということは、要するにゼロということになるわけですから、数字がゼロになるということは質的な変化になるというふうに考えますと、これは法律事項になるだろうと。今、迎部長の答弁されたのは私は正確だと思っております。そういうことで、是非これは、今日の確認としては法律事項になるというふうに私は理解したいと思います。
次に、先ほど、これも大臣の冒頭の御発言にあったんですが、川上から川下まで一貫した体制で電気とかガスを送る責任ある供給主体というのが大事だと、そういう意味で、一般電気事業者制度、一般ガス事業者制度を存続する、これが安定供給のあかしであるというふうに大臣ははっきりおっしゃって、私もそれはおっしゃるとおりだと思っています。
質問は、そうすると、この提案理由にあり、また大臣が言われた、今言われた、一貫した体制で責任ある供給体制を守る、存続するということは、いわゆる発送、配電とかガスの製造、販売、これを分離するアンバンドリングというものは否定したんだと、アンバンドリングを否定したものと読めるんですが、そういうことでいいんでしょうか。これ改正法案には、今の一般電気事業者・ガス事業者というもの、一般的なものを残すということで担保したと、そういうことなんでしょうか。そこを確認したいと思います。
○政府参考人(岡本巖君) 瞬時瞬時に需給の均衡を図る必要があるという電気の特性を踏まえますと、短期、長期を問わず電気の安定供給を図るためには、発電設備と送電設備の一体的な整備、運用というのが求められております。
特に、エネルギーセキュリティーの確保及び環境負荷の軽減の観点から優れた特性を有する原子力発電や水力発電等は初期投資が大きく、投資回収期間が長いという特徴を有しております。こうした長期固定電源を引き続き推進するためにも、電源の開発とそこで発電する電気を送電する大容量の送電設備の形成等との一体的な実施が必要不可欠でございます。この点については、ガスの設備形成についても本質的に同様でございます。
こうした観点から、今御提案申し上げている法案におきましては、川上から川下まで一貫体制による供給を行う責任ある供給主体としての一般電気事業者及び一般ガス事業者の位置付けを現行法から変えることなく維持することによりまして、アンバンドリングという考え方は私ども取ってないところでございます。
○加納時男君 おっしゃることは理解しました。
私の理解は、このアンバンドリングを否定しているというのは、否定した、今回明らかに否定していると思うんですが、またそうおっしゃっていますが、否定したのは、取りあえずアンバンドリングはやめておこうということじゃなくて、電気とかガスの今おっしゃった特質があって、それからまた、それに加えて我が国の固有の事情、資源に乏しく、よその国と電気もガスも連系がされていない、需要の変動が急峻であるとか国土が狭いといった特徴から一貫した責任ある供給体制が不可欠だ、それが川上から川下まで一貫した体制が不可欠だということでアンバンドリングを本質的に否定しているというふうに私は理解します。これはこれ以上やると何かこれ、哲学論争みたいになりますので、ここで止めておきたいと思うんですが。
やや技術的なことを伺いたいと思います。
一部の方の意見なんですが、例えば、行為規制がきちんと機能している限り、発送一貫体制の維持が大切ということを述べている方がおられます。
これは一体どう解釈したらいいのか。これは、行為規制が不十分だとアンバンドリングにすべきだということか。要するにイエス、ノーで言うと、行為規制がありますと、その行為規制が機能していますかと、イエスである、機能していると言ったならば一貫体制は維持しましょう、行為規制が機能していますか、ノーですと、機能していませんと言うと、じゃアンバンドリングにしましょうというふうにも聞こえるわけですね、読めるわけです。
非常に重要なところなんで、これ是非、どう考えるのか、その行為規制が不十分だとアンバンドリングすべきだということなんですかということの確認をしたいと思います。もし行為規制が不十分だとすると、だれがそれを不十分だと判断してどのように対応するのか、それを伺いたいと思います。
○政府参考人(岡本巖君) ネットワーク部門の公平性の維持のために、私どもはあえて組織的にネットワーク部門を分離するということをしなくとも、行為規制が有効に機能する、そういう方向で今御提案申し上げているところでございます。
この行為規制の中身につきましては、省令なりあるいはガイドラインという形でその具体的な中身というのを特定をしてはっきりお示しをするということをしようと考えておりますが、行為規制が、そういう形でお示しをしたにもかかわらず有効にそれが機能していないというような場合に、それはアンバンドリングにすぐ向かうというようなことではありませんで、行為規制をしっかり遵守していただくという方向に向けて、この法律の中で、最終的には業務改善命令というようなこともありますので、私どもは、この本ネットワーク部門の公平性というものを担保するということについては、今御提案申し上げております行為規制ということをベースにしてそれは十分に達成できるというふうに考えておりますので、そういう姿勢で法律の運用に当たってまいりたいと考えております。
○加納時男君 行為規制は、今の御発言にもあったように、法律事項じゃなくて省令とかガイドラインでなされるものだと理解しています。そういうものでもってアンバンドリングを左右するものではないと。行為規制がきちんと機能するように、行為規制をむしろ改善をしていってアンバンドリングにはならないようにするというふうに私は今の発言を理解したいと思います。もし違っていたら後ほど否定してくださって結構ですが、私はそのように今のは受け止めました。
そこで、もう少し細かい話になりますが、今回の改正案では一貫体制が義務付けられているようなわけでありますが、例えば今後、発送電を分離するような形での分社化とか会社分割、持ち株会社というものはこの改正案では不可能だというふうに理解していいですか。これ、かなり大事なところなので、確認したいと思います。
○政府参考人(迎陽一君) 御指摘のとおり、本改正案では発送一貫体制の維持を前提としておりますので、発送電を分離するような形での分社化ですとか持ち株会社化というふうなものは想定されておりません。
○加納時男君 分かりました。
これまた、今度は少し財産権の問題に入るんですが、憲法上の財産権の問題があります。構造分離策を仮に立法するとした場合に、これは立法上可能なのかどうかということであります、全く仮定の質問ですけれども。仮に構造分離が必要だということに行政が決意をしたといった場合、立法措置で強制できるものかどうか、これ非常に疑問なんですが、どうでしょうか。
○政府参考人(迎陽一君) 今回、構造分離を強制するというふうな措置を講じておりませんので、精緻な検討をしたわけではございませんけれども、構造分離を強制するというふうなこととなりますと財産権に対する強い制限である、制限を課するというふうなことになろうかと思います。そうしたことでありますると、それに見合うだけの高度の公益上の要請が存在をするかというふうな点については十分慎重な検討が必要になろうかと思います。
今回審議をお願いしております改正法案についてはそうした構造分離の措置を講じておりませんので、今御指摘のような憲法上の問題が生ずるというふうなことはないというふうに考えております。
○加納時男君 ありがとうございました。
衆議院の参考人質疑、実はいろいろ勉強させてもらいました。参考人ですからいろんな御意見がございます。その中にちょっと気になることがありました。それは、ISOやRTOがふさわしいのであって、垂直一貫経営維持と行為規制の強化には無理があるという御意見を述べられた方がおられます。私は、いろんな御意見があっていいので、何が正しいとか正しくないとかということは一切言いません。私の質問は非常に単純でありまして、今のこういった御意見と今回の政府案は考え方が同じなんですか違うんですかということだけを伺いたいと思います。
念のため、ISOと言っているのは、私の理解ではインディペンデント・システム・オペレーター、いわゆる独立系統運用者と日本語で言うんでしょうか、アメリカで失敗したものであります。それから、RTOというのはリージョナル・トランスミッション・オーガナイゼーションの略で、日本語で言うと何と言うんでしょうか、地域送電機関と言いましょうか、そういうもので、アメリカでやろうやろうと言って、抵抗が非常に強いものです。
よその国でうまくいかないものを日本に押し付けようという外国資本がいることは事実であり、それにまた賛同している一部の日本人がいるのは事実ですが、今言った参考人を私、非難しているわけじゃないんですが、こういった参考人の御意見と今回の政府案の考えは同じか違うか、これだけを伺いたいと思います。
○政府参考人(岡本巖君) ISOとかRTOという場合にはいわゆる発送電部門の運用を電気事業者から独立した中立機関にゆだねるということになるわけでございますが、私どもはその点は取りませんで、設備形成及び運用を含めまして電気事業者にネットワーク部門の運用を含めた一元的な対応をやっていただく。ただし、それをやるに当たって一連の情報についての、アクセス情報を他部門に流すとか、それから収支の面で内部補助的な運用をするというような、そういう弊害を除去するために御提案申し上げております一連の行為規制を取るということ。それから、ネットワーク部門の利用については、中立的な機関でルールメーキングはしっかりやっていただくということで考えておりますが、運用までそちらでやっていただくISOなりあるいはRTOという考え方は取っていないところでございます。
○加納時男君 非常にいろいろ細かく伺って恐縮でございました。
ここまでいろいろ伺ってきたことを一言で言いますと、これ大臣に伺いたいんですけれども、新聞には、新聞記事には、アンバンドリングを実は経済産業省は考えているようだと、それに従っていろんな検討を始めていると。中にはかなり具体的な記事もありまして、去年の十一月十三日付けの東京新聞は、経済産業省が東電に五分割を打診と、大きな見出しが出ております。今年に入って、三月七日に毎日新聞で、一面だったと思いますが、原発事業の分離検討、棒を引っ張って経済産業省と、こう書いてある。知らない人は経済産業省はアンバンドリングをやろうとしているんだというふうに読めるわけであります。
アンバンドリングについては、今までのお話をずっと伺ってきて、大臣から長官、それから部長を含めまして、一貫して今回の法改正はアンバンドリングを意図していないということをはっきり伺ったし、またアンバンドリングに対してかなり否定的な意見を明確に伺ったつもりであります。
私が伺いたいのは、アンバンドリングをしろという意見が世の中にあったっておかしくないし、言論は自由ですからいろんな意見があって、一つの省内でもいろんな意見があっていいんですけれども、私の質問は、大臣、こういうことなんです。これは、新聞に載ったのは、経済産業省がアンバンドリングをやろうということを検討していらっしゃる、あるいは打診していらっしゃるのは事実ですかどうか。省として事実かどうか。そういう個人がいるとかいないとかというのは別として、省としてはどうでしょうか。そして、大臣の考えは、アンバンドリングというのはどうお考えでしょうか。これを伺って、この項は終わりたいと思います。
○国務大臣(平沼赳夫君) 今御指摘ありました、一部に経済産業省がアンバンドリングを打診をしたと、こういう記事があるわけですけれども、こういう報道されているようなアンバンドリングを打診したという事実は一切ないわけでありまして、当省といたしましても、直ちにこれらの記事が事実無根である旨周知するとともに、折に触れ関係者等にこのような事実は一切ないと、こういうことを明確にお伝えをしていると、こういうことでございます。
考え方でございますけれども、これは長官からの答弁にもありました、瞬時瞬時に需給の均衡を図る必要があるという電気の特性を踏まえますと、短期、長期を問わず電気の安定供給を図るためには、発電設備と送電設備の一体的な整備、運用が求められるわけであります。特に、このことは原子力等の大規模電源においては必要不可欠なことだと思っております。
私といたしましては、こうしたことにかんがみまして、送配電部門の公平性、透明性の確保は情報遮断の行為規制によることとしまして、発電、送電、配電及び小売を一貫して行う一般電気事業者の制度を維持することが適当と判断をいたしました。今回、一般電気事業者制度を維持した本法案を提出をいたしましたのもこのような判断に基づいていると、こういうことでございます。
○加納時男君 大臣のお考え、大変よく分かりました。共鳴いたします。ありがとうございました。
少し電気が続きましたので、今度はガスに移ってみたいと思います。
今回、ガス事業法で、私が拝見しまして一番印象に残ったのは、ガス導管事業者というコンセプトを導入し、これによって一方ではインセンティブを与え、他方では義務を課した、供給接続義務ですが、これを課すということで非常に新しい行政だと思っています。これを導入した理由ですね、これをまず伺いたいと思います。
○政府参考人(岡本巖君) 我が国では天然ガスのほとんどを海外からの輸入LNGという形で賄ってきておりますこととの関係で、国内で需要密度の高い地域ごとにLNG基地が建設され、その周辺に分散的に導管網が整備される、そういう形で進んでまいったところですが、このために、関東などの一部の地域を除きまして、需要地間を結ぶ幹線導管や需要密度が低い地域の導管網というのは、いまだ十分に整備されていない実態にございます。こうした中で、安定供給を確保しつつ、ガスの需要家が実質的に選択肢を拡大することができるようなガス市場を形成していくためには、広域的なガス取引の活性化を図ることが不可欠だというふうに考えるに至りました。
具体的には、一般ガス事業者が整備する導管に限りませず、原則としてガスの供給用に用いられるすべての導管について、その整備を円滑に行っていただく環境整備を進めるということ、二番目に、その利用に関する共通ルールを整備する、このことが、この二点が重要であるというふうに考えまして、こうした点を踏まえまして、今回の改正案では、一つは、これまで大手四事業者のみに課されておりました託送義務をすべての一般ガス事業者に拡大をするということを御提案させていただいております。それに加えまして、ガス供給用の一定の要件に該当する導管を有する事業者をガス導管事業者と法律上位置付けまして、このガス導管事業者に対しては、一般ガス事業者と同様の託送供給義務を課すとともに、他方で導管の設置を円滑にするための一種の公益特権というものを与えて導管網整備を促進する、そういう趣旨で今回、導管事業者という制度を御提案申し上げているところでございます。
○加納時男君 導管事業者を導入した理由というのは、今御説明がありました。確かに、広域的なガス取引というものが不十分でありますし、数字で見ますと、日本のガス導管というのは諸外国に比べると数百分の一程度の延長しかなくて、普及率でいうと、施設率といいますか、五%しかないわけでありますから、非常に後れているなと思います。そういう意味では、今回のガス導管事業者という位置付けも意味があるんだろうと思っています。
次に伺いたいんですが、ガス導管が普及が日本は非常に後れているんですが、今、天然ガスは国産がほとんどなくて輸入が圧倒的に多いとかいうことがありましたけれども、ガス導管の普及が後れている理由というのは、整理するとどういうことになるでしょうか。
○政府参考人(迎陽一君) ただいま長官が申し上げましたように、需要地と需要地を結びますような長距離の幹線パイプラインというのは、関東周辺などの一部の地域を除けば、まだ途上にあるというふうに理解をしておるわけです。
この理由でございますけれども、国内の天然ガス資源が我が国は非常に少ない、供給の大宗が海外からのLNGの輸入によって賄うというふうなことになっておるわけです。したがいまして、比較的大規模の需要地ごとにその近傍にLNG基地が建設をされまして、そこまで船で運んできてしまうというふうな形がその供給形態になっていると。LNG基地から段階的にパイプラインの普及というのは周辺に延びていくというふうな形に我が国の場合なっているというふうなことであろうと思います。それから、導管網を敷設する際のコストが高いというふうなこともその一つの要因かというふうに考えております。
○加納時男君 大体分かりました。
海外のLNGを輸入して、そのLNGの基地から導管で周辺に徐々にガスの供給を行っていくということが一つと、国産ガスが少ないと、その前提の話ですが。
そういうお話ですが、ならばもう少し考えてみると、例えばガスの原単位が非常に小さいということも実は、小さいためにガス導管を敷設してもペイしないんだということもあるんじゃないかと。どっちが鶏でどっちが卵か分かりませんが、ガスの原単位を私もちょっと調べてみたんですが、家庭用で言うとアメリカのわずか五分の一ですね、非常に小さいと。電気もガスも消費量は日本人はアメリカよりか少ないんですが、特にガスの消費量は原単位が非常に小さいと。その背景として、灯油とか電気との競合があるということもあるだろうと思いますが、そういった面で、これもガス導管のこれから普及を図っていくというときには、ガス原単位の上昇がないとやはりペイしないんじゃないかということが政策的にもあるんじゃないかなとも思います。
それからもう一つ、LPGというのを非常に私も興味あるんですが、これが今、二千六百万件消費者を抱えていまして、都市ガスと全く同じ量ありますよね。こういったことがやはり外国に比べると日本のガス体エネルギーとしては特徴的なことであって、このLPGがこれだけ普及したということが、またガス導管を一方では必要としなかったのかなとも思います。今日は研究会じゃないんでこの程度にしたいと思いますけれども、こういったこともこれからも更に勉強していきたいと思っています。
そこで質問なんですけれども、ガス導管事業者を、概念を導入してインセンティブと義務付けをしていく、接続供給義務を課していくと、これはとてもいいと思うんですが、具体的に道路利用だとか土地利用、土地使用などについての公益事業特権はうまく与えられることになったんでしょうか、ならないんでしょうか。いろいろ議論があったと聞きますが、状況を教えてください。
○政府参考人(迎陽一君) ガス導管事業用の導管の敷設につきましては、導管網の効率的な整備を促すという観点から、土地の利用、土地の収用ですとか使用、あるいは立入り等についての公益特権が付与されることとなっております。また、道路における導管の占用につきましては、占用許可の運用面における配慮を行うというふうなことになっておりまして、この点につきましては、その具体的運用について、導管の円滑な設置のために必要な配慮がなされるよう、国土交通省との間で十分な調整をしていくということとしております。
こうした措置を講ずることで、導管網の効率的な整備を進めていきたいというふうに考えております。
○加納時男君 大体現状は分かりました。
実は申し上げたいことは、土地利用とか立入りだとか解決したようでありますが、道路における導管の敷設というのは非常に大事な点であります。この件、私は非常に関心を持っておりまして、今、迎部長言われたように、効率的な導管の整備ができるように、関係省庁と十分に協議を進めて円滑化を図ってほしいということをこの場で申し上げておきたいと思います。
また、話は次、変わりますけれども、パンケーキのことについて伺いたいと思います。
パンケーキというのは、送電をしている区域が異なる電力会社をまたいで電力を送る場合に振替料金を払うというのがパンケーキという言葉で言っておりますが、今回の法改正の提案理由の中に、振替供給料金、いわゆるパンケーキを廃止する、それに際して三つの点を留意しなきゃならないということで述べておられます。
三つの点というのは、第一に送電線建設等に関するコストを公平かつ確実に回収すること、二つ目はそのための送電費用の負担に関する適切な、言わば地域間での精算をやるということ、三つ目は電力供給システム全体としての効率性を害するような遠隔地への電源立地を抑制するという、かなり思い切ったことが書いてあるわけであります。
私の質問は、この三点はどのように担保されるんでしょうかと、これを伺いたいと思います。
○政府参考人(岡本巖君) いわゆる振替料金の廃止に伴います先生御指摘の三点のそれぞれについて、私ども今考えております対応の方向を御説明申し上げます。
まず最初のコストの公平かつ確実な回収という点につきましては、これまで振替供給料金を通じて回収しておりましたコスト相当分を、送り先の需要家が存在します地域の電力会社の系統利用コストに加算して一括して徴収するというルールに改めるという方向で考えております。
それから、二番目の費用負担の適切な精算という点でございますが、新しいルールの下で徴収した収入のうち、振替供給収入に相当する額を、今まで振替料金という形で得ておりました電力会社に支払います電力会社間の精算のルールというものを作っていくということで、公平、確実なコスト回収を図りたいと考えております。
三番目の遠隔地電源の抑制という点でございますが、この点につきましては二つの方向で考えておりまして、一つは需要地近接地への電源立地を促進するという観点から、今ございます託送制度における近接性評価の制度を継続するというのが一つでございます。それからもう一つ、遠隔地立地を抑制するという観点から、新規電源立地によりまして送電設備の増強が必要となりますような場合に、当該設備の増強コストの相当部分を原因者である電源の設置者に求めるということを基本に制度を設計していくということを考えておりまして、以上のような三つの方向で御指摘の三点については対応してまいりたいと考えているところでございます。
○加納時男君 これは非常に抽象的に書かれていたので、どういうものかなかなかイメージがわきませんでしたけれども、今の御説明で非常にイメージ分かりました。よく分かりました。ありがとうございました。
次の質問ですけれども、同じく提案理由書の中にこういうことがあります。パンケーキ廃止後の状況により、必要とあれば、遅滞なく廃止の見直しを含めた振替供給制度の見直しを図る。ざっくりと言えば、要するに取りあえずやってみると。いろいろ問題があったり反対意見が強かったけれども、新規参入者の要望もあるのでパンケーキはいったん廃止してみようと、しかしうまくいかなかったらすぐに元に戻ると、こういう大変勇気のあることが書いてあるわけです。これは自民党の議論の中でも非常に大きなテーマになったことであります。
提案理由に書いてあるのはこれで結構なんですが、私の質問は、これは見直しを図るというのは、だれがどのように判断して、どのような手続で見直しをするんでしょうか。見直しの具体的なやり方についてイメージがちょっとわかないものですから、説明をしていただきたいと思います。
○政府参考人(迎陽一君) 具体的には、振替料金廃止後の状況につきまして、具体的な電源立地の状況、あるいはその会計書類ですとか、そういったものを国がチェックをして、私どもとして、提案理由説明にございます三点の留意事項を確保することができているかどうかということをきちっと判断をしていきたいと思っております。
これが、こういった事項が確保することが困難であるというふうなことが考えられる場合には、これは例えば審議会を活用するとか、こういったことで、その関係の事業者の方あるいは有識者等の御意見を伺いながら制度の見直しということを行うというふうにいたしたいというふうに考えております。
○加納時男君 ありがとうございました。
じゃ、残り時間がちょっと迫ってまいりましたので、あとの五分程度は大臣にお伺いしたいと思います。
ちょっと大きなテーマになりますけれども、今、市場の自由化、今日の法案審議でも段階的に進めていくということで我々今議論しているわけでありますが、この市場の自由化が進んでまいります。また、今回の法改正の後、更に進むということになりますと、一方で、原子力への投資リスクというものも高まってくるのではないだろうかということが識者から指摘されております。
例えば投資をする。例えば、三千億円とか四千億円という非常にロットの大きな投資でありますが、投資はしたけれども、果たしてそこで出てきた電気は売れるだろうか。新規参入の方が石炭火力か何かで安い電気を作ってきまして、それで、そっちへお客さんが取られて原子力の投資が無効投資になる可能性もあると、これは投資をためらうことが当然これ出てくると思います。
こういった国策として、原子力が要らなければ別ですけれども、国策として原子力が必要だとしますと、一方で、それに対する投資、これは国が投資していれば別なんでしょうけれども、民間企業が投資をするというのが主体で今行われておりますから、民間企業がその投資のリスクを果たして十分に負担し得るだろうか、あるいは投資リスクで投資をためらうんじゃないだろうかということが懸念されるわけであります。この国策としての必要性と、それから企業としての投資リスク、この二つをいかにして調整していくのかという、そのメカニズムをどのように作るのかというのは大きな大きなテーマではないかと思います。
さすれば、提案理由書の中に、別途、バックエンド事業全般にわたるコスト構造、原子力発電全体の収益性等を分析、評価する場を立ち上げ、その結果を踏まえ、官民の役割分担の在り方、既存の制度との整合性等を整理の上、平成十六年末までに、経済性措置等具体的な制度、措置の在り方について検討を行い、必要な措置を講ずることとしておりますというふうに先般、大臣はおっしゃいました。
そこで、私の質問は、これはおっしゃったことでありますからやっていただくということなんですが、どのような事項をどのような場で検討するのか。もう一つ伺いたいのは、その平成十六年末までに必要な措置が講じられないといった場合、今回の今我々が議論している改正法の施行はストップということの理解でよろしいのかどうか。この二点を伺いたいと思います。
○国務大臣(平沼赳夫君) 大変大切な御指摘をいただいたと、このように思っております。
長期安定的な運転により経済性を発揮する原子力発電に対する投資というのは、言うまでもなく回収に長期間を要するため、小売自由化の進展に伴いまして事業者が慎重になる、そういうことは懸念されることは事実だと思っております。こうした中においても、引き続き原子力発電の推進が図られるよう、今般の制度改革案においても種々の措置を講ずることにいたしております。
御指摘のあったバックエンド事業につきましては、これまで様々な対策を講じてきました。例えば一例を挙げさせていただきますと、バックエンドの中でも重要な課題である高レベル放射性廃棄物の処分については、法制度や実施体制を整備し、また必要な資金の積立てや適切な処分のための研究開発を実施をしてきております。しかしながら、残された課題もございまして、事業の見通し等が不確定なため、具体化できないものもあるわけであります。
したがいまして、原子力発電の投資環境の整備の観点から、バックエンド事業に関し更にいかなる措置が必要となるか、バックエンド事業全般にわたるコスト構造や原子力発電全体の収益性等を分析、評価して、官民の役割分担等を整理の上、御指摘の平成十六年末までに検討を行って必要な措置を講ずると、こういうことにいたしているわけでございます。
原子力発電というのは、二十一世紀というのは環境をいかに守っていくかと、こういうことが人類の重要な課題でございまして、発電過程においてCO2を一切排出しない原子力発電というのは、そういう意味では非常に、安全性を担保するということが前提ですけれども、非常に重要な意味を持っていると思っておりまして、この推進というのは国の基本的な政策の大きな柱でございます。
こういったものの検討の場については、具体的にはこれから検討をしてまいるつもりでございますが、私どもとしては、透明性を持って議論ができる、そういう場を作ると、こういうことを考えていきたいと、このように思っております。
それから、十六年末までに必要な措置が講じられない場合と、こういう御指摘がございました。
既に提案理由の中でも申し上げておりますけれども、別途、バックエンド事業全般にわたるコスト構造、原子力発電全体の収益性等を分析、評価する場を立ち上げまして、その結果を踏まえ、今申し上げましたように、官民の役割分担の在り方、既存制度との整合性等を整理の上、平成十六年末までに経済的措置等具体的な制度、措置の在り方について検討を行いまして必要な措置を講ずることとしておりまして、現段階におきましては、その実現に向けて今全力を挙げて取り組んでいく、こういうことで全力を挙げてやっていきたいと、このように思っております。
○加納時男君 ありがとうございました。
これで私の質問を終わります。
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6月5日 参考人質疑
○加納時男君 ありがとうございます。自由民主党の加納時男でございます。
本日は、千速会長、荻野先生、そして植草先生、すばらしいプレゼンテーションをありがとうございました。感激しつつ、時々ユーモアで笑わせていただきまして、ありがとうございました。大変勉強になりました。
三人の参考人の方にそれぞれ五分程度ずつ質問させていただくことをお許しいただきます。まず、千速会長にお伺いいたしたいと思います。
先ほど三つのEが大切だということをお話の中でございました。資源の乏しい我が国にありまして、安定供給を達成しつつ地球温暖化問題等の環境問題にも対応していくためには、これも三月に千速さんの属しておられます日本経団連でまとめられました「エネルギー政策の着実な推進を求める」という大変強力なアピール、私どもも非常に感銘して読ませていただきました。この線が大事だろうと思っております。
その中に書いてありましたことは、原子力についての推進が大事だと、サイクルも大事だと。今日、千速参考人はそれを再度強調されまして、原子力は、先ほど私書き取ったんですが、国家の戦略的な政策において国家政策として推進すべきであるとはっきりおっしゃったわけであります。また、サイクルも推進すべきと言われまして意を強くしたわけでありますが、私の質問は、じゃ、その原子力を推進していく上で国の役割は一体どんなふうに考えたらいいんだろうかというのを一つ目に伺いたいと思います。
○参考人(千速晃君) ありがとうございます。
原子力の推進につきましては、御指摘のように、日本経済団体連合会では、エネルギー関係について取りまとめて、今年の三月半ば過ぎに意見書を出しております。その中で、今後のベストミックスを考えていくべきである、その一環として原子力発電を着実に推進し、その活用を図ることは不可欠であるということで、私ども経団連の立場でメッセージを発しております。
日本にとって、どのように考えても原子力は必要な不可欠のエネルギーであると考えておりますが、やはり国は、原子力の、日本の将来にわたる基盤、原子力を基盤エネルギーだという位置付けを明確にすることがまず第一に大切であると。それとともに、国民の理解と協力を得るために最大限の努力を行うべきだと。これまでも一部にいろいろ残念なケースがあるわけでございます。しかし、そういう中で、いたずらに不安がる、あるいは原子力は危険なんだというそういうふうな考え方を国民が持つということは、これは努力してそれを払拭していかなければならないと、このように思います。これをやはり進めるに当たってその担い手は政府であると、私はこのように考えております。
○加納時男君 国の役割が非常に重要であるというお話はよく分かりました。
もう一つだけ伺いたいと思いますけれども、先ほどいろいろお話のありましたエネルギーの担い手としての鉄鋼業の経営トップ、経営者でいらっしゃいます。事実、私も鉄鋼会社さん、何度もお邪魔しておりますが、トップタービンであるとかコークスの乾式消火装置だとか、非常に進んだ世界でも最先端のエネルギー利用技術を使われまして、大体お使いになっている電気の九〇%ぐらいは自家発電とか共同火力だとかいう自前でやっていらっしゃって、それに加えて、さっき千速会長からお話があったように、電力や天然ガスの卸事業、それから小売事業まで進出されておられまして、エネルギーの分野でも大変大きな責任あるお立場になっていらっしゃるのかと思っています。
ところで、電気の特性から見て、責任ある供給体制としては、発電、発送一貫体制が不可欠であるということで今回の改正でも一般電気事業制度が存続される法案となっているわけでございますが、千速会長は新規の参入者というお立場から見て、これをどうお考えになるのかなと。そして、特にアクセス情報等の目的外の利用を禁止するとか、会計分離を行うなどの、これ行為規制というような表現で言っておりますが、行為規制、行為規制をしっかりやれば一般電気事業者の送配電部門の公平性とか透明性は確保されるとお考えかどうか、伺いたいと思います。
○参考人(千速晃君) 自分たちの経験から申しますと、仮に私どもが自身で発電をいたしまして、それを特定な需要家に供給するといたしますと、その場合、配送電、配電するのに線をつなぎますと十五キロが限界だと。今のコスト、電力のコストとそれからそういう配線をするということ。例えば、私どもの千葉県君津製鉄所の土地の中で自家発を行うと、それをどこか特定の需要家に供給するということになりますと、せいぜい富津の、お隣の町の富津ぐらいまでが経済性として成り立つかと、そういう程度であると存じます。
そういう観点からいきまして、やはり送配電設備というものは極めて大事でありまして、これを分離、独立してしまうということは、私は、単にそういう狭い範囲だけではなくても、山間、山村への供給とかあるいは離島への供給その他を考えたときも完全分離ということは合理性がないという判断をしておりまして、電気事業審議会等で、分科会等では完全分離ということには反対でございました。
なお、そういったことを海外ではやっているからということでは日本は済まないわけですので、我が国としては全般的にそうした分離をせずに、ただ送配電部門の公平、透明性が必ず確保されるように努力していただくということを約束していただきたい、電気事業者には、そのように考えております。
○加納時男君 ありがとうございました。とても教えの点はよく分かったところでございます。
荻野先生にお伺いいたしたいと思います。
先ほど横浜の給電技能訓練センター、東通の建設現場、送電線の状況をごらんになって、発電から消費まで、川上から川下まで、変動する需要に瞬時に調整しながらやっていくためには一貫した体制が大事で、点と線がなければてんで駄目だと、面がなければ、そこまでおっしゃらなかったけれどもメンツを失うとおっしゃりたかったんじゃないかと思うんですが、そういうことをおっしゃったと思うんですけれども。
さて、そこで私の、済みません、そこで終わっちゃいけないと思いまして、質問でございますけれども、そうしますと、先生は、正におっしゃったように電気というのは普通の商品と違う、普通のハンバーガーみたいに今日は売り切れと、あした来てちょうだい、今日余ったから冷凍しておくというわけになかなかいかない。となると、系統をばらばらにしてしまって、発電とか送電とかばらばらにして発電設備はたたき売るというのをアメリカでやって大失敗したわけですが、こんなようなこともアンバンドリングとさっき植草先生おっしゃったんですが、アンバンドリングというものをどう思われるか。そして、家庭とか小口のお客様まで全面自由化にして、売っても買っても何でも自由だというのが本当に消費者の利益なのかどうか議論があるかと思うんですが、先生、コメントをいただけたら有り難いと思います。
○参考人(荻野アンナ君) 私は、アンバンドリングは日本の場合はもう避けていただきたいと切に願っております。
ただ、そのアンバンドリングという言葉自体ここで普通に我々使っておりますが、一般の消費者としては非常になじみのない言葉だと思います。先ほども申しましたように、発送電というのは本当に一貫したシステムがあってこそ電気が元気なわけですけれども、そこに対する一般の理解というのがまだなかなか得られていないのではないかと思います。
さらに、アメリカのように、それこそハンバーガーの国アメリカのように発送電をばらばらに分割した挙げ句のあの大惨劇ですね。そういう教訓を他山の石として日本型の自由化を進めねばならないわけですけれども、そういう一般の認識がまずなかなか得られていないということ。そのためにはやはり情報公開、そしてその情報を消費者に届く言葉で届けていただきたいということ。それから、先ほど東通の例を出しましたが、東通は、何と村に原子力を誘致することを決定してから三十年以上掛かってようやく今の段階まで来た。それを、三十年ということでびっくりしますと、三十年でここまで来られたというのは実はうれしいというお言葉があって、三十年掛かって駄目になった、結局成り立たなかった芦浜の例を教えていただきました。
そういうことからも、今現在のアンバンドリングも私は大変危ないと思いますが、さらに、ではそういうアンバンドリングのない自由化をどのように進めていくかということを考えた場合、五年先十年先の効率ではなく、百年単位でビジョンを持つということが大切だと思います。
○加納時男君 ありがとうございました。
それでは、最後に植草先生に一つだけお伺いしたいと思います。
先ほど先生は、今、荻野先生のお話にもありましたアンバンドリングに触れられまして、アンバンドリングすると意思決定が分散してリスクが拡大するということをおっしゃったんですが、一方、私よくワシントンにも出掛けてアメリカの規制当局者と議論してまいりますが、アメリカからの要求は、規制改革と競争政策について日本政府に対して求めるという文書を毎年同じようなことを書いていますが、その中で、ISOと言っていますが、独立系統運用者やRTO、地域送電機関についてかなりお勧め品だよというようなことがあります。
私の理解では、アメリカはこれでISOについては失敗をしたりRTOで抵抗があったりしているんですが、中には、日本の中でもこういうことがいいと言う方もいらっしゃいます。そして、垂直一貫経営を行為規制だけで維持するのは無理だからISOやRTOを考えろという意見があるんですが、先生のお考えをお伺いできれば有り難いと思います。
○参考人(植草益君) 私もISO、RTOについてはこれを強く主張する人を存じておりますが、何よりもこれを実施するためには発送電一貫体制の解体ということをまずしなきゃならないというふうに思うわけですね。発電については多様な発電があるわけですが、さらに送電について、全国に縦長にある我が国のこの送電網をISOで全体管理するというのは大変困難であるというふうに私は思っておりまして、そして、その全体をRTOでまた管理していくと、特に投資についてですね、こちらをやっていくと。相当の強い権限を与えるということになるんですね。
その制度は、本当にやってみなければ分からないところもあるんですが、我が国については実は事例があるんですね。戦前に日本発送電という会社がございまして送電網を全国一社で造ってあったわけです。発電についてはそこが最初六割ぐらい持って、配電は別会社になる、民間でやると。この体制、戦後についてこれを維持するか否かについては大変な議論があったわけですが、あそこでは必ずしもうまくいかなかったということを、一度歴史を振り返って十分見ておく必要があるというふうに思っております。
○加納時男君 ありがとうございました。
私の質問はこれで、以上でございます。ありがとうございます。
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