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2002年11月の活動
◇11月6日 参議院 国際問題に関する調査会での加納時男理事の質疑
◇11月20日 参議院 国際問題に関する調査会での加納時男理事の質疑
◇11月26日 参議院 経済産業委員会での加納時男理事の質疑
◇11月6日 参議院 国際問題に関する調査会での加納時男理事の質疑
「新しい共存の時代における日本の役割」のうち、イスラム世界と日本の対応について、加納時男参議院議員が沢たまき参議院議員(民主党)に対して、以下のように質問をいたしました。
平成十四年十一月六日(水曜日)
午後二時開会
─────────────
出席者は左のとおり。
会 長 関谷 勝嗣君
理 事
加納 時男君
世耕 弘成君
山本 一太君
今泉 昭君
藁科 滿治君
沢 たまき君
緒方 靖夫君
広野ただし君
委 員
入澤 肇君
小林 温君
桜井 新君
野上浩太郎君
舛添 要一君
森元 恒雄君
山崎 力君
吉田 博美君
海野 徹君
大塚 耕平君
佐藤 雄平君
榛葉賀津也君
山根 隆治君
高野 博師君
井上 哲士君
大田 昌秀君
事務局側
第一特別調査室長 渋川 文隆君
─────────────
本日の会議に付した案件
○理事補欠選任の件
○国際問題に関する調査
(「新しい共存の時代における日本の役割」のうち、イスラム世界と日本の対応について)
:
(中 略)
:
○加納時男君
どうも調査団の方々、大変すばらしいレポートをありがとうございました。
先ほどからジハードとテロ、大分議論があるんですけれども、もうこの話題そろそろ終わりかと思うので、一言だけ感想を申し上げますと、自己の生命とか土地だとか財産を守るのがジハードで、無実の子供とか人を殺すのがテロだというので、違うんだという御説明を繰り返し伺っているんですが、伺えば伺うほど私は合点がいかないのは、この今の説明は、自己の生命や財産を守るというのは目的ですよね。それがジハードだと、それに基づくものがジハードだと。これは目的というより原因だと思うんです。それから、無実の人々を殺すというのは結果の行動なんですね。
ということは、もっと言い換えると、ジハードという名の下に行っている行動は結果的に無実の人たちをたくさん殺している。無実はあり得ないんだということになると、これはアメリカのテロも合法化、合理化しちゃうことになりますので、無実ということが一つあるとすれば。だから、これ若干矛盾しているというか、非常に自己撞着に陥るような説明ではないかという、感想ですから、やっぱりこれ以上はもう結構だと思いますが、非常に勉強させていただいたことは感謝します。
それから、一つカイロの病院のことで伺いたいと思いますが、カイロの大学の特殊小児科病院を訪問されたということは、先ほどお話の間に全部このレポートを読ませていただいてちょっと感じたことなんですが、私の質問は、日本のODAは感謝されているというふうに伺ったんですが、実際に私もODAの調査ということで団長で外国に調査に行ったこともありますけれども、一番これ病院で感じたことは、日本でやったことは立派な病院の施設を造ったこと、機材を入れたこと、これ日本のお金でやった。働いているのはドイツ人の医者である。そこでまた助けているのは、働いているのはフィリピン人の看護婦である。
そこの現地の人、これはまあ東アジア、東南アジアの話ですけれども、そこで実際、現地の人にいろいろ聞いてみると、感謝しているのはドイツ人のお医者さんとフィリピン人の看護婦さんに感謝して、だれも日本の援助に感謝していないというのは、非常にODAとして私は日本の顔が見えないので悔しい思いをして、それは勧告に書いたことがありますけれども。
今回行かれたカイロ大学ではどうだったんだろうかと。日本のこれ援助でかなりできている施設ではないかと思うんですけれども、日本の援助によるこのような施設は大変役立っていると院長さんが言われたというのは私はアプリシエートしますけれども、院長さんがおっしゃったのは分かるけれども、現地でどのような受け止め方されているのか。日本の顔は見えているのか見えていないのか、日本人の医者はいたのかいないのか、日本人の看護婦のリーダーはいたのかいないのか。そういうことをごらんになったか、ごらんにならなかったか、全く話題にならなかったか。もし分かることがあれば、ちょっと教えていただきたいと思います。
○会長(関谷勝嗣君)
じゃ、それは沢先生、どうぞ。
○沢たまき君
機材も、それからICU、集中治療室の手術の先生も、それから看護婦、看護士さんのリーダー何人かは何年か、日本に三年ぐらいいらして研修を受けてそれで帰って、そして最初のころは日本の医者もいらしたそうで、もうその援助をして、ジャパン・ホスピタルになっていますので名前はちゃんと出ておりますんですが、もう十年、何か協力の期間がもう十年で切れるんだけれども、もっと延長してもらいたいということでした。
ですから、何というんでしょう、その日本で研修をしてきた方々が現地の方々に教えていらっしゃる。婦長さんというんでしょうか、がやっていらしていまして、この人とこの人とこの人とこの人も研修を受けて、こっちへ来て帰ってきたんですという方々でしたので、ああ、これはちゃんと顔が見えているものなんだなと思いました。
あとは、やっぱりもう本当に、いわゆる二十四時間体制でその病院を開けていらっしゃるんだそうですが、そうすると看護婦さんが大変じゃありませんかと言ったけれども、人口が大変多い国だから大丈夫ですとおっしゃっていましたけれども。やっぱり治療を受けに来る方々を門の外に待たしているというのに違和感がありまして、そして中がスペースが、それだけ全員が入れるスペースがないからかもしれませんけれども、入るのにお金払うというのが、そこだけはちょっとやっぱり違和感がありましたけれども、そういった意味では顔が見える援助の仕方だなというふうに思いました。これでよろしいですか。
:
(以下省略)
◇11月20日 参議院 国際問題に関する調査会での加納時男理事の質疑
「新しい共存の時代における日本の役割」のうち、東アジア経済の現状と展望について、加納時男参議院議員が
◆矢野哲朗 外務副大臣
◆高市早苗 経済産業副大臣
に対して、以下のように質問をいたしました。
参議院 国際問題に関する調査会 会議録(抄)
平成十四年十一月二十日(水曜日)
午後一時開会
─────────────
出席者は左のとおり。
会 長 関谷 勝嗣君
理 事
加納 時男君
世耕 弘成君
山本 一太君
今泉 昭君
沢 たまき君
緒方 靖夫君
田村 秀昭君
委 員
入澤 肇君
小林 温君
桜井 新君
西銘順志郎君
野上浩太郎君
舛添 要一君
森元 恒雄君
吉田 博美君
海野 徹君
大塚 耕平君
榛葉賀津也君
藤原 正司君
藁科 滿治君
高野 博師君
井上 哲士君
大田 昌秀君
副大臣
外務副大臣 矢野 哲朗君
経済産業副大臣 高市 早苗君
事務局側
第一特別調査室長 渋川 文隆君
政府参考人
外務大臣官房審議官 渥美 千尋君
外務大臣官房参事官 高田 稔久君
経済産業大臣官房審議官 成宮 治君
経済産業大臣官房審議官 鷲見 良彦君
─────────────
本日の会議に付した案件
○理事補欠選任の件
○政府参考人の出席要求に関する件
○国際問題に関する調査
(「新しい共存の時代における日本の役割」の
うち、東アジア経済の現状と展望について)
─────────────
:
(中 略)
:
○加納時男君
加納でございます。
お話を伺ったことに関連して三点伺いたいと思います。五分以内で終わるようにします。
第一点は、デュアルトラック方式についてであります。
先ほど外務省の矢野副大臣からお話がありました。また、高市さんからもお話がございましたけれども、本年十一月五日の日本・ASEAN首脳会議で日本が提案し、共同宣言に入ったデュアルトラック方式です。
これはもう抽象的に考えるとおっしゃるとおりでありまして、例えば、バイも大事だけれどもマルチも大事だと。それで、先ほど、高市さんの資料の七ページでいくと、コア部分はマルチで、そして飛び出した部分、突出した部分、先端分野というか先行部分はバイでやっていく。非常に抽象的にはよく分かるんですが、具体的にやっていく場合に非常に悩むことが多いわけですね。
例えば、今、バイでいうと、日本とシンガポールの間で、これは国際約束になりますけれども、十一月三十日たしか発効だと思います。これは実現しました。あとは国際約束がまだできていなくて、どこの国とやっていくか、いろいろな可能性が今あって、話合いが始まっているというふうに承っています。
そういった場合に、一体、例えばバイで選んでいくものとして、日本・シンガポールの次は日本・タイなのか、韓国なのかとか、物すごく具体的には差が出てくると思うんです。
けれども、この辺りはどのように考えていらっしゃるのか、伺いたいと思います。
もうちょっと言い換えると、バイとマルチの光と影といいますか、長短をどのように考えて進めていくのか。私は抽象的には書いてあるとおりでいいと思いますけれども、具体的にはどういうところが悩みがあるのか。
これに関連して、その一日前ですから十一月四日の日に、日本、中国、韓国の首脳会談で、この三か国、日中韓のFTA、自由貿易協定を結んだらどうかということは中国の首脳から提案があったと私、聞いておりますけれども、これについて今日特に触れられなかったようですけれども、お二人の副大臣はどのようにお考えか、伺えればと思っています。
第二の質問ですが、地域協力体制の問題であります。もうちょっと言葉を簡単に言うと、ASEANデバイドの話であります。
地域協力体制、例えばEUですとかNAFTAとか、私も現地に行っていろいろ見てまいりましたけれども、非常に進め方が難しいんですね。一つは、ワイドゥンと言いまして、参加国を増やしていくワイドゥンという拡大の方向。もう一つは、ディープンと言っていますけれども、協力を深化、深くしていく。このワイドゥンとディープンというのは、正にこの進め方での一番の調整の悩みどころだと思っています。ASEANも六か国からスタートしたのが、CLMVというんですか、カンボジア、ラオス、ミャンマー、ベトナムと入ってASEAN10になったわけです。
こういうワイドゥンをしていった場合に、例えばNAFTAだとかそれからEUの拡大と全然違うのは、内部に非常に異なる水準というか異なる要素が一杯ありますね。文化の話であるとか、例えばキリスト教を共有しているかしていないかとか、もう全然違う宗教が一杯入っているわけですし、それから所得、それから経済の発展段階の違い、それから、ちょっと言いにくいんですけれども、人権だとか民主主義に対する認識とその実現度の違いとか、それから政治的、経済的安定性とか、こういったようなことからASEANの中でのデバイドが起こるのではないだろうかという議論がありますが、これについてコメントをいただけたらと思います。
あと一分半ぐらいですが、三点目でございますが、中国の問題が出ております。
中国については、知的財産権の侵害であるとかセーフガード、それから自動車の輸入割当て等が今出ておりました。それから空洞化の話が出ていましたが、私、この間も中国に行きまして痛感したのは、何か日本の手足が中国に奪われるという危機感があるんですけれども、そうだろうかと。もっと大切なことは、頭が奪われるんじゃないかという危機感を持ったわけです。
簡単に言いますと、例えば中関村科技園という中国のシリコンバレーと言われているところへ行ったわけでありますが、ここでは、三十万人の学生、それから三十九の大学、教育機関、二百を超える研究機関が集中しているわけです。経済特区にして、政府も徹底的に税制でも何でも優遇しまして、所得税も優遇する。そこへ世界じゅうの企業がどんどん進出してくる、日本からもアメリカからも進出してくる、こういうことを通じて新しい企業がどんどん起きてくる。低利融資だとか大幅な減税だとか、それから情報の共有だとか、こういったことが起こって、中国で実は模倣品が出るとか言っている間はまだまだいいので、一番先端分野が中国に集中していく、投資も中国に、人材も中国に行った場合の日本の危機感を非常に感じて、今、税制改正でも、何といっても研究開発投資の根こそぎ税額控除を提案しているわけでありますが、こういったことについて触れていただけたら。
以上、三点でございます。
○副大臣(矢野哲朗君)
今、ASEANのバイとマルチの進め方、それからASEAN諸国と韓国とのプライオリティーの、優先順位というふうなものがまず第一の質問だったと思うのでありますけれども、考え方としまして、この政策を我が日本として外交政策として取り入れるという政策決定は、私は決して早くなかったというふうに理解しています。ですから、今後、それこそ国を挙げて国家的施策として展開していかなければいけない。
そのためには、何回かお話し申し上げた対タイ国、対フィリピン、対マレーシア、要するに各省庁、協力を得て細部の協議に当たっている。その辺に一つの考え方の表れがあるのではないかと御理解いただきたいのでありますけれども。
そして、先ほど申し上げたように、ASEAN五か国でASEAN十か国の大宗を占めるということからもしまして、なおかつ、既にフィリピン、タイ、マレーシアも具体的な展開が考えられるこの十二月だと。ですから、今、その諸国と本当に詰めて、速やかにバイの協定を締結する最大限努力をしていかなければならない。
そして、韓国とどちらがプライオリティーということにも、先ほど委員御指摘のとおり、その件では非常に意味があるということが御指摘あったけれども、その辺の意味を私は教えていただきたいんですけれども、双方努力し合いつつ細部にわたっての詰めをしていく。韓国においては、御案内のとおり、民間レベル、学識者レベルの検討は終わりました。そして今、政府間等々の協議にも入っております。ですから、そういった意味ではかなり熟度が高まってきたかなというふうな思い、その状況下で最大限の努力をしていくというふうなことになろうと思います。
それから、日中韓のFTAの枠組みはどうなんだろうというふうな話ですけれども、韓国とは今申し上げたような状況であります。なおかつ中国とは、先ほど申し上げたように、昨年、WTOに実際加盟したということで、その後の協定の履行事項並びに中国経済の動向、日中経済関係全体の状況等々、もう少し確認する必要があるんじゃないかなと。ですから、その辺を確認した上でそういった意味での実務的な展開を図ると。
ですから、当面はWTO加盟下における中国の姿勢を確認していくというふうな状況だと考えております。
○政府参考人(渥美千尋君)
副大臣のお話しになられましたことに一言だけ補足させていただきたいと思います。
バイとマルチの話がございました。それから、ASEANの中のデバイドという話もしておられました。
最初の御説明のときに矢野副大臣からの話にございましたけれども、日・ASEANの共同宣言におきましては、一方で、日本とASEAN全体との包括的経済連携実現のための枠組みを検討する、他方で、すべてのASEAN諸国と二国間の連携を確立するための作業を始めることができると、両方あるわけでございますが、一つには、先生も今御指摘になりましたとおり、全体とやると結構大変かもしれないという話はあります。例えば、ASEANの中でも国によって経済の発展段階が違うございますし、それから、ASEANの中でまたコンセンサスを作るとなりますとそれにもまた時間が掛かるということで、そういうことで難しい問題があるのは事実でございます。
他方、もう一つ、先生自身も言及されておられましたけれども、ASEANというもののまとまりというか統合というもの、これが大事にしていかなきゃいけないということでもありますので、そういうことから考えますと、バイ、二国間だけでやるとASEANの中の統合は崩れるかもしれない、そういうようなところがバランスとしてどう考えるのかということが大変大切な問題かと思います。
そういう意味で、マルチ、多国間の方は、今回の共同宣言におきまして、来年初めにも実務者の委員会を作って、そして枠組みを来年の首脳会談に出すということで基本的な原則とかやり方を進めていくと。それと、二国間ではできるところからということで、もう既にタイと、それからフィリピンとはやっておりますけれども、そのほか、場合によってはマレーシアとかあるいはインドネシアとか、そういうような国とやっていくと。
この場合に、シンガポールと既にできておりますので、それをモデルにすればある程度同じようなものができてくるということかと思います、もちろん国によって非常に違うと思いますけれども。そうすれば、ある程度同じものが幾つかの国とできれば、それが一つの、同じものであれば、似たようなものであれば多国間のものにもつながっていくということで、二国間と多国間、双方が相まって、日本とASEANとの経済連携が進んでいくと、そういうことになるんじゃないかと期待しております。
○副大臣(高市早苗君)
加納先生からの御質問ですが、まず、バイとマルチの光と影ということでございますけれども、やはり説明させていただきましたように、相互補完的なものだと思います。
元々、日本はガットやWTOを中心とする多角的な貿易体制でもう十分な恩恵を受けていると考えていて、余りバイの方は熱心じゃなかったんですけれども、でも、どんどんどんどん世界的にそういう動きが進みまして、結局取り残されつつあるかなと。つまり、世界のGDPの上位三十か国及び地域のうち、いずれのFTAにも属さない五か国地域、つまり日、中、韓、台、香港という中に取り残されてしまっておりますので、非常に変化の早い時代ですから、マルチでの体制の維持強化、これを補完するものとしてやはりバイが必要なんだと思います。
確かに、例えば、ASEANにおきましてはタイやフィリピンと議論を行っておりますけれども、それぞれの国の貿易構造とか相手国の制度も違ってございます。例えば、タイの場合ですと、農産物のシェアが日本の輸入の二割を超えておりますから非常にセンシティブな問題もありますし、国ごとにやりやすさとかやりにくさとかあります。それから、相手国の熱意というものも非常に重要なんですが、これもまた違ってくるわけでございますので、ASEAN全体が日本とのFTAを進めたいという意欲を持っていただいておりますので、これは、大変な問題もあるけれども、尊重しながら進めていきたいと考えているところです。
二番目の日中韓の問題ですけれども、小泉首相が、今は、現場で今は韓国とのFTAに力を入れて取り組んでいるんだ、中国に関しては長期的な課題であると。つまり、WTOに加盟したばかりでありますし、それから、先ほど申し上げました義務の実施状況、こういったものも見守らなきゃいけないと、これが首相の御発言でございますので、そういうことになるかと思います。
それから、文化や所得や発展段階の違い、これは一問目ともちょっとダブりますけれども、例えば今回のWTOでも、マレーシアのラフィーダさんが、私の方から余り投資ルール投資ルールという発言をしつこくやっちゃったものですから、最後に怒り出しまして、うちの国にも投資ルールはあるわよ、あるんだけれども、国内の経済政策との整合性からそうじゃないように見えるかもしれないけれども、あるわよなんてたんかを切ったりして、なかなかやっぱりそれぞれの国の価値観や法制度が違うという点もありますし、中国も模造品対策、例のAPECで駄目になっちゃった話ですが、あのときも、最後は、この案に乗ってもいいけれども、加害者のくせに、案に乗ってもいいけれども協力してほしけりゃお金を出せというような発言もありまして、経済産業省の交渉担当が完全に切れておりましたけれども、そういったいろんなやっぱり価値観とか文化とか法制度、発展段階によって違うんであろうなということが分かります。だからこそ、やはりバイの話合いというものは非常に大事であると思いますし、マルチの場では、一番最低限折り合える部分だけからのスタートになるんじゃないかな、そういう位置付けだと思っております。
それから、中国の知的財産権の問題で、海賊版、模造品以上に人材が奪われていくんではないか、知恵が奪われていくんではないかということですが、何とかそうならないように、税制改正、それから先ほど御説明いたしましたような研究環境、それから投資環境、こういったものを整えるためにみんなで力を合わせていかなきゃいけないときだと思います。非常に危機感は強く持っております。
以上です。
:
(以下省略)
◇11月26日 参議院 経済産業委員会での加納時男理事の質疑
「東京電力原子力発電所における不正記録問題等に関する件」について、加納時男参議院議員が、
◆小柴昌俊 東京大学名誉教授
◆野間口有 三菱電機株式会社代表取締役社長
に対して、以下のように参考人質疑を行いました。
参議院 経済産業委員会 会議録(抄)
平成十四年十一月二十六日(火曜日)
午前十時開会
─────────────
出席者は左のとおり。
委員長 田浦 直君
理 事
魚住 汎英君
加納 時男君
松田 岩夫君
木俣 佳丈君
平田 健二君
委 員
愛知 治郎君
小林 温君
近藤 剛君
斉藤 滋宣君
関谷 勝嗣君
保坂 三蔵君
辻 泰弘君
直嶋 正行君
藤原 正司君
簗瀬 進君
若林 秀樹君
鶴岡 洋君
松 あきら君
西山登紀子君
畑野 君枝君
広野ただし君
国務大臣
経済産業大臣 平沼 赳夫君
副大臣
農林水産副大臣 太田 豊秋君
経済産業副大臣 高市 早苗君
経済産業副大臣 西川太一郎君
大臣政務官
法務大臣政務官 中野 清君
厚生労働大臣政務官 渡辺 具能君
経済産業大臣政務官 桜田 義孝君
経済産業大臣政務官 西川 公也君
国土交通大臣政務官 高木 陽介君
事務局側
常任委員会専門員 塩入 武三君
政府参考人
内閣官房内閣審議官 平井 敏文君
文部科学大臣官房審議官 坂田 東一君
文部科学省初等中等教育局長 矢野 重典君
文部科学省高等教育局長 工藤 智規君
文部科学省科学技術・学術政策局長 山元 孝二君
文化庁次長 銭谷 眞美君
経済産業大臣官房審議官 桑田 始君
経済産業省産業技術環境局長 中村 薫君
特許庁長官 太田信一郎君
気象庁長官 山本 孝二君
参考人
東京大学名誉教授 小柴 昌俊君
三菱電機株式会社代表取締役社長 野間口 有君
弁護士
弁理士
知的財産戦略会議委員 松尾 和子君
─────────────
本日の会議に付した案件
○知的財産基本法案(内閣提出、衆議院送付)
○政府参考人の出席要求に関する件
───────────── :
(中 略)
:
○加納時男君 自由民主党の加納時男でございます。
小柴昌俊先生、野間口有先生、松尾和子先生、三人の参考人の方、今日はありがとうございました。大変示唆に富んだ有意義なお話をいただきました。ありがとうございました。このお話に基づきまして質問させていただきたいと思います。
初めに小柴先生でございますが、お話の中で、冒頭に、企業の目先の利益に資する技術開発も大事だろうが、それだけではない、国民的観点から見るともっと長期の、十年、二十年、三十年先の人類の知的財産、これに関する基礎研究も大事だよと、こういった分野はむしろ国が非常に大事な役割を果たすよというお話、私も小柴先生と同じ大学で教師を十三年やっておりましたので痛感するところでございます。全く大事なことだと思っております。
その上で御質問したいと思いますが、大学と企業の関係について、特に大学の基礎研究と企業の技術開発の関係について伺いたいと思います。
先生、ノーベル賞お取りになられましたカミオカンデの検出装置のことでございますが、ニュートリノが水分子中の電子に衝突する際に発するチェレンコフ光をとらえる装置として使われたのが実は浜松ホトニクスという企業の光電子増倍管だというふうに新聞で読んだわけでございますが、こういったことを一つの事例として、大学の先生のような長期にわたる基礎研究と企業の技術開発がうまく結び付いた例かなと思いますが、その関係について先生、どのようなお考えをお持ちでしょうか。
○参考人(小柴昌俊君) 御指摘の浜松ホトニクスとの関係は次のようなものでございます。
浜松ホトニクスという会社と最初に私どもが縁ができましたのは、その数年前、私どもがヨーロッパで電子と陽電子の衝突を国際共同実験として実施するということを始めたときです。
そのときに新しい測定装置としてあるものを考えたのですが、それに使う光電子増倍管、それがたまたま強い磁石のそばで使わなければならないという事態になったもので、そういう光電増倍管は世界じゅうどこを探してもなかったわけです。
そこで、今、残念なことに亡くなってしまいましたけれども、折戸という教授が中心になって磁石のそばでも使える光電増倍管を開発しようということで、当時浜松テレビと言っていた会社と協力して、そういう新しいタイプの光電増倍管を開発するのに成功したわけです。
そういうことがありましたものですから、私が世界でいまだ存在しない極めて大きい光電増倍管が欲しいと思ったときに、そこの会社の社長と技術部長に来ていただいて、いろいろ長いこと掛けて説得をし、更には私の研究室の二人を開発のための共同研究に派遣するからということで、浜松ホトニクスの方も納得してくれて開発に踏み切ったということでございます。また、この法案に関連するようなこととして、特許とかそういうことというのは我々全然疎いものですから、浜松ホトニクスの方で取ったかどうかは私、存じません。
○加納時男君 ありがとうございました。
大学の方で先生が、世界にまだない磁石のそばでも使える光電増倍管を開発したいという強いニーズを申され、それをまた開発しようという企業の強い意欲があって、これが結び付いて先生のまたノーベル賞にもなられたと思っております。すばらしいお話だと思います。
こういう理科に関する、自然科学に関する話というのはとっても幅が広く、奥行き深いんでございますが、私、この一年間、実は文部科学省というところで大臣政務官をやらせていただきました。そのときに私が一番やりたかったことの一つが理科教育でございます、理科の教育。日本人がどうも理科離れ、自然科学離れをする。大学を受けるときにも理科とか数学は当然私は入学試験であっていいと思うんですが、そういうことがなくても大学生になれる、それで卒業した後、いろんな科学について怖いとか危険だとかって文学的に言っているような時代があります。今日はその話じゃないんですけれども、基本的に言いますと理科離れというのは大変なことだと。理科を大好きになるプランを作ろうということを文部科学省でやりまして、実現しつつあるんですけれども、そういう意味で、理科教育について先生のお考えを伺いたいと思っております。
先生は中学生時代に学校の先生から「物理学はいかに創られたか」という本を読むように薦められて、それを先生が読まれて、御自身の自然科学への、物理への興味がわかれたということを新聞で読んだことがございます。こういう自然との触れ合いですとか未知との出会いというのはとっても人間にとって刺激的なことでございまして、驚きとかときめきというのは言わば科学する心だろうというふうに思うわけでありますが、こういうことについて、理科教育について先生、何か御示唆いただけたら有り難いと思います。
○参考人(小柴昌俊君) 私、ほかでも申し上げたことがあるんですけれども、大人になった人を見ますと、理科嫌いという人と理科好きという人ははっきり分かれちゃっているんですね。じゃ、どのくらいの年のときにそれが分かれちゃうのかと自分の経験も照らして考えてみますと、どうも十二、三歳ごろというのが分かれ目じゃないかという気がするんです。そのころに理科の先生にいい先生がいて、その先生を好きになると理科が好きになるということが大分効いているようなんですね。
理科というのは変な学問で、これ音楽と同じじゃないかと思うんですけれども、自分でやってみないと面白みが分からない、こういうところがあると思うんです。
私、あるところでも申し上げたんですけれども、アメリカ、私の見たのはボルティモアですけれども、科学博物館がありまして、その科学博物館の相当広い面積というのが幾つかのコーナーに分かれていて、そこに子供が勝手に行って自分でいろんな実験をやれるようになっているんですね。それで、別に指導員がそばにしょっちゅう付いているわけじゃない。相談に行けば相談に乗ってくれるんですけれども。子供たち、開館と同時にわっと入って、それぞれ自分の気に入ったところへ行って、自分の好きなように実験をやって遊んでいるんですね。実に楽しそうなんです。
そういうことというのは、理科を自分でやる楽しさを味わわせるということでとっても大事なことだと思うんです。ですから、我が国でも、ただ大きなダイナソアのあれを見せるだけじゃなくて、子供たちが自分で実験を楽しめるようなそういう博物館を是非ともいろんな県で作ってやってほしいと、こういうふうに私は考えております。
○加納時男君 ありがとうございます。
先生おっしゃったとおり、小学校から中学校に進むときがやっぱり変化があると思います。いろんな世論調査をやりましても、あるいは国際比較をしても、小学校では理科、算数ともに決して悪くない。できはいいんですね。ところが、中学生にアンケートを取ると理科が面白くないとか嫌いとかいうのが増えてきまして、高校になると非常に増えちゃうと。これ、やっぱり改善のヒントがそこにあると思いますので、先生のお話をこれから参考にさせていただいて、是非教育の改善にも政治家として取り組んでまいりたいと思います。
次に、産学の連携についてもうちょっと伺いたいと思いますが、先ほど野間口参考人の方から産業競争力強化のための産学連携の強化が不可欠だということ、そのための方策幾つか言われた中で、大学における海外からの研究者の受入れの促進が大事だと言われました。
また、小柴先生も長い間国立大学におられて、国立大学では、国立大学の教員は公務員だと、公務員は日本人じゃなきゃならないというので海外からの優秀な研究員の受入れが難しいということになっていました。これから国立大学法人になり、さらに国立大学のより民営化に近い方向を我々は目指しているわけでありますけれども、そういった中において、こういった海外からの研究者の受入れの促進について、小柴先生、そして野間口先生から一言ずついただけたらと思います。
○参考人(小柴昌俊君) 先ほども申し上げましたように、学問というのはどの国の人間にも理解できて、どの国の人間にもプラスになるということが本質的な問題だと思うんです。そういった意味で、どこかの国の大学がその国の人間だけで作り上げなきゃならないというのはちょっとおかしな話で、元々。
ですから、先ほども申し上げましたように、優秀な人材はどんどん採って、またこちらの優秀な人材も外国へどんどん派遣するということがもっと行われていいし、さらには、今度の化学賞をいただいた田中さんのように、民間でやっておられて学位も取っていないけれども立派な仕事をなさった方というのは、方々の大学が競ってうちに来て学生を教えてくださいということが出てきて当然なはずだと私は思っているんです。
ですから、大学と産業界の人間の交流というのはもっと本気で考えてしかるべき問題だと私は思います。
○参考人(野間口有君) 海外からの研究者の受入れということにつきまして述べさせていただきたいと思いますが、私、こういう立場になります前から三菱電機で開発部隊を率いておりまして、二千人ほど国内に研究者がおります。海外にも百五十人ぐらい、ヨーロッパ、アメリカ合わせて、合計しますと研究者がおりますが、そういうこともありまして、アジア各地、欧米各地いろいろ回りまして、その地域の政府機関あるいは大学とも交流をやる機会が多かったわけですけれども、そこで感じますのは、非常に外国の優秀なトップクオリティーの人材を受け入れるというのに対して積極的、壁が低いというふうに感じます。
そこへいきますと、日本では空洞化とか産業競争力とかいいますけれども、何か日本が非常に高いところにあって常に流出を心配しているというような感じがしまして、流出は結構、その代わりどんどん俊英を受け入れますよというようなことで考えなければ、これから日本の知的創造力というのは非常に大きな問題になっていくんじゃないかなと思います。
そういった意味で、一番それが弱いのは大学じゃないかと。企業はやはりそれなりの工夫をしてできる範囲で努力はしておりますが、やはりアカデミアのところでもう少し踏み切った海外からの俊英の受入れの仕組みを考えていただきたい。これはマインドの問題もありますし、仕組みの問題もあります。
それから、先ほども申しましたけれども、そこで出てきました知的財産をどういうふうにシェアしていくかと。日本がテークリードすることによって生まれた財産でございますので、日本が生み出したと言ってもいいわけですね。日本の研究者も参加し、海外の研究者も参加し、それで一緒に新しい知的財産を生み出すと、こういうものにもっと意を砕くべきだというふうに思います。
○加納時男君 ありがとうございました。
海外から大学と企業等によって研究員もどんどん受け入れていこうということ、そのときの問題としてはマインドと、それからレジームといいますか、仕組みですね、これが大事だということは大変よく分かりました。
野間口参考人に伺いたいと思いますが、いわゆる死の谷という言葉がございます。これは、大学でせっかく取った特許が企業の方にうまく移転して活用されずに、その間のところにおっこってしまう。これはデスバレーといいますか、シリコンバレーじゃなくて死の谷と、こう言っておるのでございますが、この死の谷をどうやったならば越えることができるかというのが知的財産戦略として大事かと思うんですけれども、これは企業経営者として、どういうふうなことを企業としては努力し、大学には望まれるでしょうか。
○参考人(野間口有君) ありがとうございます。
デスバレーという言葉が出てまいりまして、本当にRアンドDをいかに生かすかということで日夜考えておられる先生らしいなと思いました。
私ども、実を言いますと、開発にはいろいろチャレンジしますけれども、それが事業につながるというところで大きな関門がございまして、アメリカでは私は最初、企業の中における開発投資と事業化の壁をデスバレーと言ったように思うんですが、今日の御指摘では、大学で生まれる知的財産が事業につながらないという意味で、もっと大きなデスバレーがあるんじゃないかという御指摘だろうと思いますが、そういう観点でいきますと、先ほども述べさせていただきましたのとちょっと繰り返しになりますが、大学における知的財産の創造の体制構築でございますね、これは大変今新しい動きになっておりまして、知的財産権本部を考えようとか、そういう一元的に知的財産の創造と活用を考えるような仕組みを考えようとか、取組が始まっておりますけれども、そういったものも是非強化していただきたいと思います。
それから、これも繰り返しになりますが、知的財産を民間に移管しますときに、今、国の財産というのは、国家財産を軽々に扱えませんので、大変な手間と時間が掛かりまして、これはやはり機関帰属にしていただいて、事業本位で、競争本位でタイムリーにそれがうまくシフトできるように考えていただくと、こういう改善を図るべきだと思います。
それからもう一つは、大学の優秀な先生方の企業への、あるいは企業から大学への人材のシフト、こういう人材の相互交流でございますね、これが正直言いまして、国家公務員法との問題もありますでしょうし、余りレベルが高くないと思っておりまして、先生方の例えばインターンシップ制度とか、ああいうのをもっと拡充していただいて、企業における企業家を目指した第一線の生の経験もしていただくと更に実効的な知的財産権の発掘につながるんじゃないかと思いますので、そういった点も考慮していきますと、死の谷というのは必ず存在するものでございますけれども、その谷を埋めて、少しでも効率の良いRアンドDができるんじゃないかと、私はそういうふうに考えております。
○加納時男君 ありがとうございました。
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(以下省略)
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