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2002年3月の活動
3月20日参議院文教科学委員会での加納時男文部科学大臣政務官の答弁
○日 時:平成14年3月20日(水)14:45〜16:00
○場 所:参議院第22委員会室
@ 小林元参議院議員(民主党、茨城)からの質問
(国際熱核融合実験炉(ITER)の誘致 等)
A 風間昶参議院議員(公明党、比例)からの質問
(花粉症対策の研究成果 等)

@ 小林元参議院議員(民主党、茨城)からの質問
(国際熱核融合実験炉(ITER)の誘致 他)
◇小林元委員:
前国会でも質問をいたしましたが、ITERについてでございます。核融合でございますが、去る昨年の十二月二十五日、科学技術政策担当大臣と有識者議員会議の考え方が出されました。さらに、一月二十二、二十三ですか、東京で政府間協議が進められました。これらについての経緯と、それから、昨年の御答弁のときには、今月の半ばにはこのITER計画に参加するかあるいは誘致問題をどうするか、そういう結論を出すというふうにお伺いしましたが、その辺のことにつきまして御説明をお願いしたいと思います。
◇加納時男文部科学大臣政務官:
国際熱核融合実験炉、いわゆるITER計画に我が国が参加するか、そして我が国への誘致をするかということにつきましては、現在、関連する国際動向も踏まえ、総合科学技術会議において検討が行われているところでございます。
今、先生が正に御指摘なさったとおり、昨年の十二月二十五日に科学技術政策担当大臣と有識者が会合の結果を科学技術政策会議の本会議に示されました。その中では、結論としまして、はしょりますと、このITER計画への我が国の参加は望ましく、そして誘致は意義があると。それで、結論として、どうするかということでございますが、我が国の政府は総合的な観点に立って参加ないし誘致を最終的に決定することが適当であるというふうに決めたというのが第一のこの大きな動きでございます。
これにつきましては現在どうなっているかということでございますが、引き続き検討が行われておりまして、次回以降の科学技術総合会議で判断がなされることとなっているというのが第一の御質問でございます。
第二の御質問でございますが、国際的な動きはどうかと。一月の下旬に、先生御指摘のとおり、東京でも政府間協議が行われているところでございます。一番新しい状況を御報告いたしますと、今日現在でございますが、欧州はITER誘致を前向きに検討しておりますけれども、誘致についての結論はまだはっきりとは出ていないというのが今日現在の状況でございます。
先生も御指摘のとおり、昨年十一月からはITER計画に関しまして政府間協議が開始されておりまして、実施協定でございますとか国際的なサイト選定の手順等について議論を進めているところでございます。
結びになりますけれども、ITER計画への我が国の参加、誘致につきましては、総合科学技術会議における検討結果、それから、既にいろいろ進めておりますが、サイト適地調査の結果、これらを踏まえ総合的に判断していきたいというところでございます。
◇小林:
国として、日本としての決定の時期といいますか、いつごろになる見込みか、お分かりであれば。
◇加納:
今日現在、何月ということはまだ決まらないわけでございますが、先ほどちょっと触れましたけれども、総合科学技術会議で実は決めたわけではございません。
あくまでも、新聞ではいろいろ参加が望ましく誘致が意義があるというふうに報じられておりますが、これは総合科学技術会議の決定ではございませんで、総合科学技術会議に報告された科学技術政策担当大臣と有識者議員の言わば提言といいますか御意見でございます。ですから、これを受けてまだ決定しておりません。決定するということは次回以降の総合科学技術会議でございまして、今日現在まだ開かれておりませんが、近いうちに開かれるというふうに私どもは理解しております。
◇小林:
次に、天文学の研究といいますか、国立天文台がハワイのマウナケアにすばる望遠鏡を設置したのは二年前でしょうか、観測が始まっているわけでございます。そしてまた、観測衛星等々と連携しながら、さらに、ヨーロッパあるいはアメリカ単独でそれぞれ、何といいますか、電波望遠鏡というんでしょうか、そういう計画があったと。
話を聞いたところによりますと、百億光年のかなた、どうしてそんなものを見るのかなというふうにも思うんですけれども、惑星の誕生だとか、あるいは地球と似たような星があるんではないか、あるいは生命の誕生といいますか、そういうものの秘密といいますか、に迫ることができるんではないかと。正に夢のような話なんですけれども。
そこで、この望遠鏡といいますか、簡単でも結構ですので御説明をお願いしたいと思います。
◇加納:
すべて小林先生よく御存じでいらっしゃって、先生のおっしゃったとおりでございますというと、私の答えでございます。先生がおっしゃったとおり、日本の場合は光学だったわけでございます。電波じゃなくて光学の赤外線望遠鏡として日本はハワイに建設してきた「すばる」というのがございまして、平成十一年までにこれをやってまいりました。
そういう意味では、今、先生が正におっしゃったとおり、ALMA計画と言っておりますけれども、これは南米のチリの、名前がちょっと分かりにくいんですけれども、アタカマと言います、五千メートルの高い、標高五千メートルの高いところに六十四基の、今これまた先生がおっしゃったミリ波、サブミリ波の電波望遠鏡でございますが、これ用のパラボラアンテナを設置して、これも先生がおっしゃったとおり、宇宙の物質の進化ですとか生命の起源を探究するというもので、従来の望遠鏡から大きく超えたものでございます。こういうものを二〇一一年から運用したい、ついては二〇一〇年までに造ろうという動きが出てまいりました。
日本の場合には、「すばる」の方に全力を尽くしてきたというのがあります。限られたお金をやはりあっちもこっちにも使えませんので、「すばる」に集中してやってきたということもあって、御指摘のとおり、若干この欧米の動きからすると出遅れたというのが率直に申して否定できないところでございます。しかしながら、やはりこれは重要な事項であろうということで、この評価試験が行われるわけでございますが、これに参加するための研究開発経費を予算案、本年度の、本年度といいますか平成十四年度の予算案に八億円計上しているところでございます。
今後の、御質問でございますが、厳しい財政状況はございますものの、我が国としてやはりこういう先端分野の科学的な知見を得ることが重要でございますので、科学技術・学術審議会等において検討していただきながら、何とかこれに参画をしていきたいというふうに考えているところでございます。
◇小林:
聞くところによりますと、このパラボラアンテナ、六十四基だそうですか、並べるんだそうでございますが、全体で一千億円のプロジェクトということになるようでございます。今、加納政務官から答弁がありましたように、アメリカは既にこれをやると、参加決定といいますか、ヨーロッパは今年の半ばに決めるということでございます。日本は財政難これありき、こういうことで、二〇〇四年ですかに決める予定と、こういうふうに聞いております。そこで、分担金等につきましても、できるだけ余りたくさん出すなと、三分の一平等ではないというような財務当局のクレーム、クレームといいますか条件というか、そういうことが付いているようでございますけれども。
いずれにしましても、私はこのプロジェクトの是非についてここで議論するつもりはありませんけれども、やはりこういう国際的なプロジェクト、日本は非常に、決定過程というのが非常に遅いといいますか、先ほどのITER問題でもなかなか結論が出ないというような状況が続いているわけでございます。これは日本の、何といいますか、科学技術戦略というんでしょうか、科学技術基本計画というのがありますけれども、そういうものを作るんであれば、この決定のタイミングというんでしょうか、そういうものについてもやはりこれは戦略的に考えると。自分たちの財布の中ばかり見て物事を決めようというような、まあ言っては悪いですが、狭い了見でのみやっていたんではいつまでたっても日本はリーダーシップを握れないんじゃないか。
先端の研究者は、どうしてもこれをやりたいという気持ちは、もうこれは研究者であればだれもがそうだと思いますけれども、そういうものはしっかり評価をして、その上できちんと決めるものは決める。そして、やはり日本が後れを取るといいますか、結果的に後れを取るのは仕方がございませんけれども、同じスタートラインに立ってこういうプロジェクトを一から議論をし、検討をし、参加をするというような姿勢を取ってもらいたいなと、そういうチャレンジをしてもらいたいな、こういうふうに思うんですが、遠山大臣、あるいは政務官でも結構です、よろしくお願いします。
◇遠山文部科学大臣:
科学技術創造立国を目指している日本でございますので、科学技術の先端的なトップランナーでありたいというのは国民こぞっての願いであろうかと思っております。
その科学技術の、日本の科学技術の振興について中核的な役割を果たしております我が文部科学省としましても、その科学技術の重要性ということについてはもちろん十分認識をしております。大きな国家プロジェクト的なようなものにつきましての決断は決して遅れてはならないと思いますし、ただ諸外国の状況も十分見ながら、その時期をきちんと見定めた上で、手を挙げるときには手を挙げるということの方が高等な戦略ではないかと思うわけでございます。
ITERの問題、それからALMAの計画の問題、いずれも日本の科学技術及び科学の将来にとっても大変重要なプロジェクトだと思っておりまして、積極的な姿勢で取り組みたいということはもう十分関係者同じ思いでございます。
しかし、いつその決定を下し、そして国際的にもその立場を鮮明にしていくかということについては、私は戦略的に考えて、正に戦略的に考えるべきだと思っているところでございます。
◇小林:
考えるときには十分に考えてしっかり決断をするということで、よろしくお願いをしたいというふうに思います。今までとにかく、とかく遅れがちというのが日本の在り方であったような気がしますけれども、どうぞそういうことのないようにお願いをしたいと思います。
それから、先ほども産学連携というんでしょうか、そういうお話が出ました。ビッグプロジェクトからいいますと小さな話になってしまいますけれども、科学技術振興、これはやはり国としても非常に大事でありますけれども、地方にとっても科学技術の振興、そして産業との連携というのは非常に大事だというふうにどこの地域も思い始まってきているんではないか、そういうふうに思います。
特に、特にというか、茨城県も幸いにして研究学園都市という筑波があるわけでございまして、これはもちろん国の機関が中心でございますが、茨城県としても地域としてもそういう研究機関、研究集積というものを無駄にしたくはない。せっかく手短なところにあるということで、今回、文部省がいろいろ計画をしているようでございますけれども、そのような地域振興は、そういう地域での産学官提携というんでしょうか、そういうものの事業をやりたいというようなことで、知的クラスター創成事業というんでしょうか、そういうものを考えているようでございますが、茨城県はもちろんですから手を挙げているわけでございますが、その辺のことについて、簡潔で結構でございますから御説明をお願いします。
◇加納:
今、先生からお話がございましたように、科学技術の振興は地方にとっても重要であるという御指摘は全く同感でございます。私も科学技術の博覧会で、先生と御一緒に茨城の地で六年間にわたって博覧会に専従してまいりましたので、科学技術に対する思いは先生と共有といいますか、一緒だと思っているところでございます。
さて、御質問にお答えしますけれども、やはり地域経済、そして科学技術、いろいろ結び付けていきますと、キーワードが三つあるような気がいたします。一つは地域という言葉、二つ目が知恵という言葉、そして三つ目が経済ということだろうと思います。つまり、地域があって国があると思います。その地域の自治体、企業、大学、様々な当事者がおられまして、こういう方々の二つ目の知恵を結集して、三つ目、経済の活性化を図るということが私どもの願いであり、それが御質問にある産学官連携としての知的クラスターという発想になったわけでございます。
これまでも、我が文部科学省といたしましても、地域結集型共同研究事業でございますとかあるいは研究成果活用プラザの設置・運営など、各種施策を展開してまいりましたが、この平成十四年度は、これらの施策に加えまして、その上に立って、大学等公的研究機関を核として研究開発能力の集積を図る知的クラスター創成事業を新たに実施することとしたところでございます。
既に先生御案内のとおり、この事業については、昨年六月から全国三十の地域において、フィージビリティースタディーと言っておりますけれども、実現可能性の調査を実施しておりまして、先般でございますが、各地域からこの構想の具体的な御提案をいただきました。現在、外部の有識者の方々の御助言や各地域からのヒアリング結果等の分析を踏まえまして、これらの地域の中から十地域程度を選定し、平成十四年度から事業を展開してまいりたいと考えているところでございます。
今後とも、地域の主体性、地域の個性を発揮、重視しながら、産学官連携を図って日本経済の活性化を図ってまいりたいと思いますので、よろしくお願い申し上げたいと存じます。
◇小林:
大分希望も多いようでございます。じっくり選定ということもあるんでしょうけれども、やはり各地でこういう期待にこたえられるように文部省としても取り組んでいただきたい、こういうふうに思っております。
A 風間昶参議院議員(公明党、比例)からの質問
(花粉症対策の研究成果 等)
◇風間昶委員:
分かりました。引き続いて、大変な作業だと思いますけれども、やっていただきたいと思います。
次に、ライフサイエンス分野におけることについて科学技術振興調整費という名目で予算が付いているわけでありますけれども、そのうち、文部科学省が杉花粉症の克服についての研究を行っているというふうに聞いておりますけれども、この杉花粉症もえらい多くて、花粉症の中でも六割、七割が杉によるものだというふうに言われておって、国民的にも三人に一人はこの花粉症に罹患あるいは罹患準備状況に入っているというふうにも言われているわけでありますけれども、その研究について、どのような成果を上げているのか、また目標は、克服に関する研究ですから、どこに上げているのか、教えていただきたいと思います。
◇加納:
先生御指摘のとおり、杉花粉症で悩んでいる方は非常に多うございまして、私ども、身近な家族ですとか秘書だとか、いろんな方々が実は杉花粉症に悩んでおり、最近の調査では国民の約一割が悩んでいるというような報告もございます。先生がおっしゃったとおり、更にそれを上回る方々が罹患の準備、準備と言ったら変ですが、罹患の可能性があるといった大きな問題でありまして、これに伴います経済的損失も、試算でございますけれども、約二千九百億円に上るのではないかといったことが最近の研究で明らかになってきております。
私ども文部科学省といたしましては、この問題が極めて国民の健康に対する不安という重要な問題であり、また学問的にも未知の領域がいろいろあるものである。さらには、各省庁にこれ実はまたがっている問題でございます。基礎・基盤研究は私ども文部科学省でございますが、人に対する医療となりますと厚生労働省でございますし、材木対策となりますとこれは農水省になります。それから、気象予測ということで、気象情報になりますと国土交通省というふうに、様々にまたがります。
そこで、こういった分野、先導的他省庁にまたがるもの、そして機動的な研究開発を行うものとして、今、先生が御指摘なさいました科学技術振興調整費が一番ふさわしいのではないかということで私ども対応させていただいているところであります。
現状は、先生御案内のとおり、平成九年度から平成十四年度に掛けまして、スギ花粉症克服に向けた総合研究プロジェクトを進めているところでございます。
これでどんな成果が上がっているかという御質問でございますが、これまで治療法の研究としてワクチンの開発あるいは予防に関する研究を進めてきているところでありますが、具体的な成果としては、例えば杉花粉の飛ぶ、飛散と言っておりますが、飛散予測システムの開発、これには自動化に成功したところであります。それから、花粉症にかかっている患者の推定あるいは経済的負担額等も調べたところでございます。
先生の方から、目標は何なのかということでございます。
目標は、一言で申し上げますと、この花粉症という非常に厄介な症状に伴います国民の健康不安の解消ということにあると思います。その目標を達成するためには、これは実は危機管理だと考えておりまして、国民の安全なり健康なりを脅かすもの、生命を脅かすもの、我々危機だと思っております。危機の管理のシステムにこれ乗っけていけばいいと思います。
危機管理としては、危機の予知システム、それから危機の未然防除システム、それから危機が現実に起こった場合の対処システム、つまり被害をミニマムにするということ、それから再発防止対策でございます。
この危機管理の体系を杉花粉症に当てはめますと、例えば、予知システムとしては、花粉、何が、どういう花粉がどういう影響、悪さをするのかという原因究明。それから、未然防除としてどういうワクチンが有効であるのか、あるいは生活の中でどういうところを改革していったらば未然防除ができるのか。それから、現実に花粉症にかかった場合、これが危機の発生でありますが、そのときには被害をミニマム化する、そのための投薬はどうか。それから、俗に花粉グッズと言っておりますが、花粉症グッズとしてどういうものが症状を軽くすることができるのか。それからまた、生活としてどういうふうにすることが、変えていくことが被害を軽くするのかということ。それから、再発防止対策としては、当然のことながら、この発生源対策ということでありまして、杉が原因だということがはっきりするならば、その杉のいかにして花粉の発生を抑制していくのかといったような対策になろうかと思いますが、こういった分野、先生は大変御造詣が深いということを伺っておりますので、またこれからもいろいろ御指導いただきたいと思っておるところであります。
◇風間:
分かりました。
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