2月27日 衆議院文部科学委員会での加納時男文部科学大臣政務官の答弁
◇ 場 所 : 衆議院 第17委員室
◇ 斉藤鉄夫衆議院議員(公明、比例中国、当3)からの質問
(原子燃料サイクル、高速増殖炉、放射性同位元素の管理等)
衆議院 文部科学委員会議録(抄)
平成十四年二月二十七日(水曜日)
午前十時開議
出席委員
委員長 河村 建夫君
理事 斉藤斗志二君 理事 鈴木 恒夫君
理事 田野瀬良太郎君 理事 増田 敏男君
理事 平野 博文君 理事 山谷えり子君
理事 斉藤 鉄夫君 理事 武山百合子君
小渕 優子君 岡下 信子君
小西 理君 近藤 基彦君
杉山 憲夫君 高市 早苗君
谷垣 禎一君 谷田 武彦君
中野 清君 馳 浩君
林田 彪君 二田 孝治君
松野 博一君 松宮 勲君
森岡 正宏君 大石 尚子君
鎌田さゆり君 今野 東君
中津川博郷君 中野 寛成君
藤村 修君 牧 義夫君
牧野 聖修君 山口 壯君
山元 勉君 池坊 保子君
西 博義君 佐藤 公治君
石井 郁子君 児玉 健次君
中西 績介君 山内 惠子君
…………………………………
文部科学大臣 遠山 敦子君
文部科学副大臣 青山 丘君
文部科学副大臣 岸田 文雄君
文部科学大臣政務官 池坊 保子君
文部科学大臣政務官 加納 時男君
政府参考人
(法務省人権擁護局長) 吉戒 修一君
政府参考人
(法務省入国管理局長) 中尾 巧君
政府参考人
(文部科学省生涯学習政策
局長) 近藤 信司君
政府参考人
(文部科学省初等中等教育
局長) 矢野 重典君
政府参考人
(文部科学省高等教育局長
) 工藤 智規君
政府参考人
(文部科学省高等教育局私
学部長) 石川 明君
政府参考人
(文部科学省科学技術・学
術政策局長) 山元 孝二君
政府参考人
(文部科学省研究振興局長
) 遠藤 昭雄君
政府参考人
(文部科学省研究開発局長
) 今村 努君
政府参考人
(文部科学省スポーツ・青
少年局長) 遠藤純一郎君
政府参考人
(文化庁次長) 銭谷 眞美君
政府参考人
(厚生労働省職業能力開発
局長) 酒井 英幸君
文部科学委員会専門員 高橋 徳光君
―――――――――――――
委員の異動
二月二十七日
辞任 補欠選任
伊藤信太郎君 小西 理君
鎌田さゆり君 今野 東君
同日
辞任 補欠選任
小西 理君 伊藤信太郎君
今野 東君 鎌田さゆり君
―――――――――――――
本日の会議に付した案件
政府参考人出頭要求に関する件
文部科学行政の基本施策に関する件
(中略)
次に、斉藤鉄夫君。
○斉藤(鉄)委員 公明党の斉藤鉄夫でございます。
きょう、私は、文化芸術政策と科学技術政策の二点について質問をさせていただきたいと思います。
昨年秋の臨時国会で、きょう御出席の委員会の皆様にも御審議いただいて、文化芸術振興基本法が成立をいたしました。私は、科学技術と文化芸術というのは、ある意味で、知識集約的な二十一世紀の日本の産業のあるべき姿を示していると思っております。その中で、特にまたあえて分類をすれば、科学技術というのは情報も含めた物の先端研究、そして文化芸術というのは心の満足の先端研究、この二つが今世紀の、特に日本のような先進国の産業の中心になるべきであって、その根幹になる法律なのではないか、このように私自身考えております。
法案成立後、事務所に電話がかかってきまして、この不景気なときに何が文化芸術だ、ふざけるなというふうな有権者の声も来たわけですけれども、逆に、不景気な今だからこそ、新しい産業を興していくための文化芸術振興という側面もあるのではないかと私はその電話に答えたわけですが、それは私自身の考えですけれども、この文化芸術振興基本法成立を踏まえて、大臣の所信にも、文化国家を目指すという文言がございましたけれども、大臣の御決意をお伺いいたします。
○遠山国務大臣 長年、国民や文化芸術関係者が待望しておりました文化芸術振興基本法が、各党の先生方、特にこの委員会の先生方のおかげで成立をいたしまして、本当に心からお礼を申し上げたいと思っております。
これを契機といたしまして、私は、大きな文化芸術の振興の動きが今始まったと思っております。それは、来年度の文化庁の関連予算につきましては、大変厳しい財政状況の中でございましたけれども、対前年度比七十六億円増、八・三%増の九百八十五億円ということで、一千億にもうあと少しという画期的な伸びを示したわけでございます。しかも、その中身が、二十一世紀アーツプランと申しますか、文化芸術創造プランを創設すること、そして、伝統文化、文化財の活用と次世代への継承、さらには国際文化交流の推進など、非常に中身のある、内容を伴った予算を組むことができたと思っております。
今後とも、この基本法の趣旨を踏まえまして、私どもとしましても、日本の芸術文化の振興のために、これは一人一人の心を豊かにするということと同時に、大変波及効果も大きい分野でございますので、力を入れて、その推進に取り組んでまいりたいと考えております。
○斉藤(鉄)委員 よろしくお願いいたします。
この文化芸術振興基本法の中に、二つの形の支援というものが書かれております。一つは、財政支援でございます。よくフランス型と呼ばれておりますけれども、国が一たん国民の皆さんから税金をいただいて、その税金を国が文化芸術支援として配るというやり方でございます。もう一つが、いわゆるアメリカ型で、文化芸術活動に対する寄附金を促進する税制でございます。
そのいずれも、日本は大変大きくおくれておりまして、フランス型、財政支援型で言えば、国家予算に占める文化芸術予算というのは、日本はフランスの十分の一、お隣の韓国に比べても六分の一という数字でございますし、アメリカ型の寄附税制もほとんどないと言っても過言ではない状況でございます。
文化芸術活動への寄附金ですけれども、これは一九九七年だったか八年だったか、ちょっと数字を忘れましたけれども、アメリカの寄附総額が大体一兆二千億円程度、これがほとんどが個人による寄附、日本の場合は二百億円、これはほとんど企業による寄附、その開きや一対六十ということで、これはそれを促進する税制が完備していないということによるわけです。
先ほど大臣御答弁ありましたように、フランス型、財政支援については、今御努力もあって、今回大きく伸び始めたということでございますが、こういう新しい税制に向けて頑張っていかなきゃいけない、寄附を促進する税制を頑張っていかなきゃいけないということで、基本法の中にも、三十一条に、文化芸術活動を行う者の活動を支援するため、文化芸術団体が個人または民間の団体からの寄附を受けることを容易にする税制上の措置をとらなくてはならない、このように明確に書かれたわけでございます。財務省の抵抗もかなりあったと聞いておりますけれども、このように明確に書かれました。
しかし、財務省の抵抗は非常に、抵抗が強いと言いましょうか、ガードがかたいものがございます。担当者と話しましたら、斉藤さん、こんな税制を設けたら、これを悪用する人ばかりになりますよというふうな答えしか向こうから返ってまいりませんでした。
そういう意味で、大変厳しい壁があるとは思いますけれども、アメリカの場合、少々そういう悪い人がいたとしても、それを大きく上回る善意の寄附が集まって、これが結果としては社会を大きく潤しているということもございます。そういう社会を目指していく上でもこれを進めていかなくてはならないと思いますが、この三十一条に書かれていることの実現への決意をお伺いします。
○遠山国務大臣 文化芸術関連の経費につきましては、公的な支援ももちろん大事でございますけれども、今委員の御指摘のように、個人あるいは私的な企業の方々の善意の寄附金というのは大変大事だと思っております。
しかし、これまで特定公益増進法人の制度あるいは社団法人企業メセナ協議会を通しての助成でありますとかという制度はございますけれども、まだまだ、本当に必要とされている寄附を推進していく、そういう状況にはなっていないと思います。
我が省といたしましても、今後とも、あの基本法の趣旨を踏まえながら、民間芸術団体が私的な寄附を受けることを容易にするための寄附税制につきまして、できれば現在検討が始まっております経済財政諮問会議でありますとか税制調査会の議論に反映させて、この法律の趣旨が生かされるように努力をしていきたいと考えているところでございます。
○斉藤(鉄)委員 この三十一条は国会の意思でもございますので、当局もぜひそれを踏まえて頑張っていただきたいと思います。
次に、科学技術振興策について質問をさせていただきます。
大臣の所信、読ませていただきました。科学技術振興につきましては、その最初に、科学技術基本計画を踏まえた科学技術・学術の振興ということで、二つの大きな柱があるんだと述べておられます。一つが「戦略的重点化」、それからもう一つが「すぐれた成果の創出、活用のための科学技術システムの改革」。戦略的重点化と科学技術システムの改革、この二つが大きな柱で、これをやっていきますよという所信を読ませていただきました。そして、これは第二期の科学技術基本計画と基本的に同じ考え方だと思います。
では、話を一つ目の柱、戦略的重点化ということについてまず最初に質問させていただきたいと思いますが、この戦略的重点化は、大臣の所信によりますとまた二つから成っている。一つが「基礎研究の推進」、それからもう一つが「国家的、社会的課題に対応した研究開発への優先的資源配分」だと。基礎研究の推進及び優先的資源配分、この二つがその戦略的重点化の中身だ、このように述べておられます。
そこで、お聞きするのですが、私は、戦略的重点化という言葉と、基礎研究の充実、多様な基礎研究を充実させていくということが、どうもしっくり、自分の中で理解がすっと落ちないのです。
私のイメージでは、基礎研究というのは、本当に基礎的なところであって、これからここを一生懸命やればこんな成果ができて将来こんなふうに役に立つということの評価にまだ乗らない、いろいろな細かい、細かいといいましょうか、そういう段階の研究、これが基礎研究ではないか。
その基礎研究を一生懸命やりますよということが戦略的重点化という大きな柱の中に出てきているわけでございますけれども、その点も含めまして、この戦略的重点化ということに対してのお考えをお聞かせ願えればと思います。
○遠山国務大臣 確かに、科学技術基本計画の中では、大きく分けた重要政策の柱の一つの「科学技術の戦略的重点化」の中の一番目に「基礎研究の推進」というのが入ってまいりますけれども、これは斉藤委員御指摘のとおりでありまして、私は、研究者の自由な発想に基づく研究というものが一番基盤であろうかと思います。ノーベル賞につながっていくような独創性のある、そして特に萌芽的な研究というものも大事にしていかなくてはならない。
その意味では、確かに、戦略的重点化というのとややトーンが違うというお話でございますけれども、まさに私どもも、その大事な基礎研究、本来の意味の基礎研究を大事にしていこうという精神には変わりないわけでございます。
この所信の中でも書きましたように、「本基本計画の柱は、基礎研究の推進や」ということで一つ出しておりまして、その後に「国家的、社会的課題に対応した研究開発への優先的資源配分」ということについての、くくりとしては戦略的重点化ではございますけれども、そのことの大事さというものは私どもの科学技術を振興していく考えの基本に据えているところでございます。
○斉藤(鉄)委員 今の質問とちょっとダブるかもしれませんけれども、この戦略的重点化、二つの大きな柱のうちの一つ、戦略的重点化、それは、競争的資金というものを拡充していきます、このように書いてございます。公募して、アイデアを競って、これはという研究にお金を重点的に投入する。このこと自体、私は、間違っていない、まさに戦略的重点化の一つの大きな方法だと思いますが、この競争的資金が基礎研究もカバーする、基礎研究やRアンドDの優先的、いわゆる重点化された研究も基礎研究もこの競争的資金で評価をしていきますというふうな内容になっていると思います。
例えば、いわゆる科研費、千五百億弱だったと思いますが、この科研費等も競争的資金ということにくくられているわけですけれども、どちらかというと、科研費というのは、畑全体に水をまくような、どこから芽が出てくるかわからないというふうなニュアンスを私は持っておりまして、それさえも戦略的に重点化をするくくりで配分が行われますと、いわゆる大臣がおっしゃるところの多様な基礎研究の拡充につながらないんではないか、このように思いますが、いかがでしょうか。
○青山副大臣 まず、競争的資金のことですが、創造的な研究開発活動が活発に行われるためには競争原理が働くことが非常に重要であるということは、御理解いただいておるとおりです。そしてまた、個人の能力が最大限発揮される。そういう意味では、競争的資金の中に科学研究費補助金が、ボトムアップ研究として資金が使われていることは御承知のとおりです。
同時に、戦略的創造研究推進事業という、いわゆる科学技術の芽を社会ニーズに対応していくために、今度はボトムアップではなくてトップダウンで、戦略的に使っていきたいという資金を平成十四年度予算では四百二十七億円計上させていただいておるところでありまして、ボトムアップで資金を提供させていただく部分と、トップダウンで戦略的に使っていきたい、社会のニーズに大きくこたえていきたいという意味でトップダウンで使っていきたいというふうに考えておるところでございます。
○斉藤(鉄)委員 それでは、こういう理解でよろしいでしょうか。多様な基礎研究と大臣所信の中にございます。それは、戦略的重点化というところでくくられてはおりますが、実際の資源配分等はボトムアップで、ある畑の一部に集中的に栄養をやるという方式とは別に、畑全体に有機肥料をまく、水をまくというふうなこともきちんとやっていきます、こういう理解でよろしいんでしょうか。
○青山副大臣 そのとおりでございまして、科研費の方は千七百億円以上を用意していきたい、計上させていただいておるところでして、トップダウン方式としては今申し上げたように四百二十七億円のことで、ボトムアップ方式の場合は、研究開発を公募して、すぐれた研究に投資していくというものですから、そのあたりは相当幅広くなってくると考えております。
○斉藤(鉄)委員 よくわかりました。
それから、戦略的重点化ということについてもう一つ質問させていただきますが、第二期の科学技術基本計画、約一年前にできたわけですが、このときから、ライフサイエンス、情報通信、環境、ナノテク・材料、この四項目が含まれておりまして、今回の大臣所信の中にもこの四つの重点分野ということですが、基本計画は五カ年計画です。五カ年もこの四重点項目でずっといくんでしょうか。もう時代は非常に早く変わっておりまして、そういう意味では、重点ということについては柔軟な見直しがあっていいのではないかと思いますが。
○遠山国務大臣 昨年三月に閣議決定されました第二期の科学技術基本計画におきましては、機動性やスピードの要求される時代にあるということを前提として、研究開発の重点化の対象、内容について、総合科学技術会議が継続的に精査し、適時の見直しを行っていくということになってございます。
さらに、科学技術の発展によりまして、これまでナノテクノロジーやゲノム科学のように急速に成長してきた研究領域があるということを踏まえまして、著しい成長が予想される研究領域を先見的に抽出して、そしてそれに対して機動的に対応していくということにしております。
これはむしろ、総合科学技術会議といいますよりは、我が省の中に置かれました科学技術・学術審議会の中に研究計画・評価分科会などのいろいろな分野別の委員会を設けまして、そこで常にウオッチしながら、何がこれから伸びていく領域であるかということを常に見ながら、必要に応じて機動的に対応していくということになってございます。
ただ、今、本基本計画が策定されてから一年でございまして、ライフサイエンス等の四つの分野への重点的取り組み自体は、これは直ちに見直すような状況にはないと思っておりますが、基本的にこういう問題については柔軟に対応するという姿勢で取り組んでいるところでございますので、御理解を賜りたいと思います。
○斉藤(鉄)委員 それでは次に、もう一つの柱、科学技術システムの改革という方に入っていきたいと思います。
大臣所信の中に具体的に三つ、こういうことで科学技術システムの改革をやっていきますというふうに書いてございまして、一つが、研究開発に係る評価システムの充実、まあ評価をやりますということです。二番目が、産学官連携の抜本的強化ということです。それから、これは上の二つに並べられるかどうかわかりませんが、具体的な名前で知的クラスター創成事業、地域における科学技術の振興ということでございます。それぞれ、端的にで結構でございますので、わかりやすく。
研究開発に係る評価システム。これはいろいろ議論されてきて、いかに難しいかというのもこの委員会で何度も議論されてきました。ですから、これをどういうふうにされようとしているのか、端的にわかりやすく。それから二番目の、産学官の連携の抜本的強化。これもここ二、三年、強く言われてきましたけれども、なかなか難しいということが言われておりますので、ここに対しての具体策。それから、知的クラスター創成事業。よく聞くんですけれども、これまでも地域での科学技術振興または基盤整備事業、随分旧科技庁時代から行われてきました。それと何が違うのか、それぞれ、端的にわかりやすくお願いします。
○青山副大臣 まず、科学技術の振興に当たっては、適切な評価を実施するということが非常に重要でございまして、それは競争的で開かれた研究環境を実現していかなければいけない、それからまた、資源の重点的、効率的な配分を進めていかなければならない、そういう意味で適切な評価を実施していかなければいけないという立場でございまして、これは第二期の科学技術基本計画でも、また昨年十一月における総理大臣の決定におきましても、評価指針を策定する作業を進めているところでございます。
この際には、例えば、すぐれた研究開発の育成であるとか、柔軟かつ競争的で開かれた研究開発環境の創出であるとか、何といっても評価の結果による資源配分への反映をしていく、それが評価を進めていく上で非常に重要であるというふうに考えておりまして、指針案の検討を進めているところであります。これが一点。
それから、産学官連携でありますが、大学などが研究者の独創的な研究成果を活用して産業界と協力をして経済の活性化に寄与していく、この産学官連携の重要性が非常に今強く産業界からも一般社会からも大学の方からも出てきておりまして、この機運は非常に大切な段階だと私は思っております。
そういう意味で、大学における研究成果の特許化を進める技術移転機関、TLOの承認であるとか、国立大学教官の兼業規制の緩和など、さまざまな取り組みを行ってきているところでございまして、少し細かくなりますが、平成十四年度予算案においては、大学発ベンチャー創出を促進する研究助成制度を、また、大学と企業の共同研究を促進するマッチングファンドの制度を創設していく、大学の共同研究センター等への産学官コーディネーター、いわゆる目ききの人材を支援していく。それから、日本版シリコンバレー、先ほど御指摘がありました知的クラスター創成のための支援制度を平成十四年度の予算案に計上させていただいているところでございます。我が国の経済の活性化に、産学官連携を進めることによって努めてまいりたいと考えております。
それから、最後に出てまいりました知的クラスターでございますが、今申し上げましたように、我が国経済の活性化を図るためには、やはり地域における産学官連携が今重要な課題となってきておりまして、新しく大学を中心とするといいますか、地域の研究機関や研究開発型の企業等々と連携をして、知的クラスター創成事業を実施する段階に今来ていると考えております。現段階では、まだ十地域程度を考えておりまして、平成十三年度末、今年度末をめどに、提案をいただいておる地域の中から来年度より事業を展開する予定としているところでございます。
なお、経済産業省が進めております産業クラスター計画等の関連事業との連携を図ってまいりたいと考えております。
○斉藤(鉄)委員 今お答えいただいた一つ一つにまたちょっといろいろ追加の質問をしたいのですが、ちょっと時間がありませんのでそのまま行きますけれども、評価をして、それを次の資源配分に役立てる。これはぜひ、大変難しいと思いますけれども、試行錯誤でも結構ですから、スタートしていただきたいと思います。
国立研究所やいわゆる特殊法人の研究機関では、随分これがだんだん進んでまいりました。残された大きなところは大学だと思います。先ほどの、基礎研究を大事にせよと言ったのと矛盾するじゃないかと言う方もいるんですが、そうではなくて、基礎研究には基礎研究なりの評価があると思いますので、その点をぜひしていただきたいと思います。
次の質問に入ります。
その戦略的重点化、科学技術システム、その他そういう施策で科学技術創造立国をつくっていくということですが、そのもととなる科学技術や理科に対する国民の関心、子供たちの関心、理科離れということが言われるわけです。その対策をお聞きいたしますけれども、私の個人的考え方は、小手先のことではなくて、基本的に、日本社会がいわゆる技術者そのものを評価する社会になっていない、そこに根本的な原因がある、私自身、理科系を出ましたので、実感としてそのように感じます。
これは科技庁の科学技術政策研究所でしたか、ちょっと忘れましたけれども、課長、部長、取締役、社長、その中に技術系の占める割合というのが出ていまして、どんどん小さくなっていくのです。課長クラスでは六、七〇%あったのが、部長で三、四〇%になり、取締役で一〇%になり、社長になるとほとんどなくなる。出世するのが評価されていることの指標につながるかどうかは別の議論として、これに端的に示されるように、日本はスペシャリストが評価されない、ゼネラリストでないと出世できない、こういうことがあって、理科離れの根本はそこにあると私自身は思っておりますが、理科離れ対策についてお伺いします。
○青山副大臣 御指摘の点は私も同感でございます。
ただ、よく言われることですが、日本の児童生徒の理科の成績はどうかというと非常に高いのです。成績は国際的に見て上位に位置しておるんですが、理科が好き、あるいは将来科学を使う仕事がしたいという生徒の割合が最低レベルであるということは御承知のとおりでございまして、そういう意味では、科学技術離れ、理科離れが指摘されておりますので、具体的に我々は、新しい指導要領において、理科については観察や実験、課題学習などを重視して、児童生徒の学ぶ意欲を伸ばしていきたい、あるいは、知的好奇心、探求心を高めていきたい、理科の好きな生徒を育てて、ふやしていきたいということから、平成十四年度から、理科、数学に重点を置いた教育を行ういわゆるスーパーサイエンスハイスクールの創設や、大学などと教育現場との連携によって知的探求心を伸ばすためのプログラムを開始していきたい、科学技術・理科大好きプランというプランを開始していきたいと考えております。
なお、毛利宇宙飛行士が館長をしていただいております日本科学未来館、これは児童生徒には非常に関心を持っていただいております。非常に関心を持っていただいていることは、大変期待しておるところでございます。何といっても、科学技術に対する関心の喚起を促していきたいと考えております。
○斉藤(鉄)委員 御努力をお願いします。
次に、原子力や宇宙等の国家プロジェクトについて質問をさせていただきます。
原子力につきましては、いわゆる発電等の産業については経済産業省、それから研究については文部科学省というふうに昨年の省庁再編で整理をされたところでございますが、まず原子力研究についてでございます。
私は、原子力の使命は大変重大だと思っております。特に地球温暖化対策、また京都議定書の問題もあるわけですけれども、勉強すればするほど、この京都議定書のメカニズムで約束を、国際公約を達成するためには、原子力の役割を本当に見直していかなくてはいけないと思います。百三十万キロワット一基で、大体、二酸化炭素排出量、日本の一年分の〇・七%に相当する。十基つくれば七%でございます。これは、ほかの新たな技術開発等ではなかなかできないことでございまして、安全性に力を注ぎながら原子力と共存をしていく、また拡充を図っていくというのが民意ではないかと私は思っております。
しかしながら、現実は原子力の安全研究について非常に厳しい目が注がれておりまして、例えば、特殊法人改革ということもあったのですけれども、日本原子力研究所、核燃料サイクル機構の予算は大幅に減っております。そういう意味で、民意と政策とが矛盾をしている、私はこのように思っているんですが、これに対する文部科学省の見解をお伺いします。
○加納大臣政務官 原子力が果たしている役割が非常に大きいという斉藤先生の御指摘は、全く同感でございます。
二つの分野があろうかと思います。一つは、発電、原子燃料サイクルといったエネルギー面で社会の基盤を支える、そういうエネルギーとして。それからもう一つは、放射性同位元素、ラジオアイソトープでございますが、これの利用。農業用、工業用、医療、こういうものによって人の命が救われ、そして生活が豊かになるという面で、放射性同位元素の利用は大きな貢献をしている、それの研究開発が重要であるというのが斉藤先生のお話だと思っております。
このエネルギーと非エネルギーと両面におきます研究開発の方向につきましては、原子力研究開発利用長期計画、原子力長計と言っておりますけれども、この中でも明確に位置づけられ、重視されているところでございまして、どういう方向かということでございますが、核融合、加速器、次世代型、革新的原子力技術、原子力安全に関する技術、それからFBR「もんじゅ」の開発を中心とする核燃サイクル技術の研究開発等が重要なものでございます。
今先生から御指摘のありましたように、原子力発電が果たしている大きな役割、特に日本の、もっと言えば、世界のエネルギーのベースロード、基盤としての大きな役割、日本でいうと、一次エネルギーの一三%、電気の三五%を担い、関東地区では四二、三%は担うという大きな役割を果たしている安定した供給力として、また、先生も御指摘になられましたように、温室効果ガスを発電レベルでは排出せず、原料の採取から廃棄まで含めたライフサイクル、一生涯を通じての比較をしましても、最も温室効果ガスの排出量が少ないということで、先生今数字も挙げられましたけれども、日本のCO2排出の二〇%、世界では一〇%の削減を原子力発電だけでやっているというのも事実でございます。
そこで、先生の第二の御質問でございますが、そういう中において、サイクルなりあるいは原子力研究所、これが今回統合するということで、現在その準備に私ども入っているわけでございますが、こういうことによって原子力の予算面ではどのように考えているのかということでございます。
私どもは、研究開発の重要性、まさにさっき先生からお話がありました戦略的重要性、そして基礎的な分野両面におきましても、この原子力に関する研究開発は、日本の安全保障に直結している、日本の環境コミットメントに基礎をなすものであると考えておりますので、重点化を図ってまいりたいと思っております。
もちろん、大きなプロジェクトが一つ進むということによって予算が減るということは当然ございますけれども、長期的に見まして、核融合も含めまして、これからの原子力、日本の科学技術創造立国の路線の上に、充実した体制を組んでまいりたいというふうに考えているところでございます。
○斉藤(鉄)委員 大変力強い加納政務官の初答弁でございました。私も全く同感でございます。
では、それに関して、二つ。
一つは、端的にお伺いします。「もんじゅ」がとまったままです。高速増殖炉というのは、今、日本だけが研究を進めておりまして、私は、この研究がある一定の段階に達すれば、これは日本が世界に貢献する非常に大きな分野だと思いますし、世界の研究者もそのように言っている人がたくさんおります。そういう意味で、もう一兆円以上国費を投入した研究炉でございますし、この研究再開を急ぐべきではないかという点が一つ。
それから、先ほど加納政務官の答弁にRIというのがございました。放射性同位元素です。
放射性同位元素について、実は、きのうの読売新聞に、今の日本の基準を見直して、IAEA、国際原子力機関のスタンダードを使おうと。しかし、そのスタンダードに日本の基準を合わせますと、かなり厳しい基準になって、現在、例えば土木現場で使われている水分計ですとか、私たちの家についている煙感知器、あれもすべて基準の対象になって、一つ一つ管理者を置かなきゃいけないというふうなことになるかもしれないという記事が載っておりました。
大変国民生活にも関係深いものですから、この二点についてお伺いします。端的にお答えください。
○加納大臣政務官 端的にお答えいたします。
「もんじゅ」については、再開を目指したいと思っております。「もんじゅ」は、御案内のとおり、日本のエネルギーの中でも、特に私は、化石燃料と違って、再処理をすることによって、まだ使える燃料をリサイクルできる、リサイクル性にあると思いますから、そういう意味では、プルサーマル、そして高速増殖炉というのは、原子力を選んだ以上は当然の技術パラダイムだと考えております。
「もんじゅ」は、九五年の十二月以降、二次系のナトリウムの漏れがありましてとまっておりますが、対策を十分に練りまして、現在、安全審査中でございます。安全審査終了を待って、運転を再開し、そして「もんじゅ」の徹底的な検証を行って次の戦略につなげたい。
世界がやめているからやめるんじゃない。世界がやめているけれども、やがて必要になれば、今から日本がトップリーダーになれるんだ。商業用の高速増殖炉の開発は急務でなくなりました。だからこそ、今時間があるのです。この時間を十分に生かしてトップランナーになりたいというのが「もんじゅ」でございます。
続きまして、RIでございます。
ラジオアイソトープ、放射性同位元素等でございますが、おっしゃるとおり、IAEAのことが、今週だったですか、新聞に載りました。
これは先生御指摘のとおりでございまして、放射性同位元素の利用というのは、大変な光もあるけれども、影の面として放射線障害というものを起こすリスクがあるので、どこで基準を決めるかという大事なことでございます。
日本の場合には放射線障害防止法等で規制をしているわけでございますが、これとIAEAが知見を集めてつくった、先生今おっしゃいましたのは、電離放射線に対する防護及び放射線源の安全のための国際基本安全基準という長い名前の基準でございます。
これを比較してみますと、先生、今、厳しくなるよとおっしゃったんですが、確かに厳しくなるところもあるんですが、例えばコバルト60でございますとかセシウム137とかいろいろあるわけでございますが、ストロンチウム90とかいろいろなものを見ていきますと、日本の基準でやっているのとややとらえ方が違うんですね。日本の場合にはグループ別にしておりました。第一群から第四群、それから密封型、非密封型。国際原子力機関、IAEAの基準は核種ごとにやっているわけでございます。そういうのでちょっと違う。
密封とか非密封、ちょっと専門的になっちゃうので申しわけないのですが、先生、専門家でいらっしゃるのであえて申し上げますが、そういうところがちょっと区分が違うということであって、一つだけ例を挙げますと、例えばコバルト60の場合、日本ですと、密封型ならば十の六乗、非密封型なら十の四乗というのがリスク免除、規制免除の限界なんですね。IAEAの方は十の五乗ということで、ちょうど間に入っております。ということは、あるものにとっては厳しく、あるものにとっては緩むということであります。
これらにつきましては、放射線審議会、その中の基本部会でもって十分に議論を今やっているところでございますので、その審議の結果も受けまして、原子力安全利用、特にこの放射性同位元素の安全利用の面で遺漏なきを期していきたい。それに伴って、国内の基準も見直すということを現在やっている最中でございます。
○斉藤(鉄)委員 各家庭の天井についているあの煙感知器にすべて管理者を置けというようなことのないように、よろしくお願いいたします。
それから、最後に宇宙開発についてお伺いします。
H2A一号機、二号機打ち上げ成功は、大変喜ばしいことだと思っております。その前のH2の五号機と八号機、二回連続して失敗しました。このときに、そもそも、NASDA、発注者と、受注者、メーカー、このメーカーとの責任体制でありますとか情報の交換でありますとか、そういういろいろな問題点が指摘をされました。NASDAのシステムインテグレーターとしての機能も問題視をされました。
そういう反省を踏まえて、新しい宇宙開発体制で今回のH2Aの二回の成功につながったんだと思いますけれども、これも端的に、どういうところが反省点としてあって、ここをこう直して今回成功しました、この報告をお聞きいたします。
○青山副大臣 今回のH2A試験機二号機をどう評価するかですが、ロケットとしての機能は十分に果たしまして、予定した軌道へきちっと入ってきましたし、試験機器から来るデータは予定のものが入っております。
ただ、一部、ロケットの一部と分離をさせることができなかったことは、これは基礎的な、最も基本的なところで間違いがあったのではないかと今原因が明らかになってきておりますが、本質的な、我々が求めてきておった目的は達成されてきておると思います。
したがって、今後さらに取り組まなければならない人工衛星の搭載によるロケットの打ち上げについての基本的な技術の基盤は確立した、獲得することができたと受けとめております。
それから……(斉藤(鉄)委員「H2ロケットの失敗、何を学んで、今回成功に結びつけたか」と呼ぶ)どちらかというと、日本は失敗の経験の少ない国でございまして、あの失敗を有効な反省点という点ではむしろよい点が生かされて、試験機一号機のときも試験機二号機のときも、非常に真剣にその反省点の上に立って取り組んできたことがいずれも成功に結びついてきたことというふうに考えております。
基本的には、エンジンでございますから、相当なたくさんな部品を使ってやるところでございまして、一つ一つ精密に精査して反省を加えて今回もその前も成功したというふうに考えております。
○斉藤(鉄)委員 終わります。
(以下 省略)