2001年5月の活動
<米国カリフォルニア・ワシントン出張報告> (PDF版はこちら)
(1).出張者:加納 時男
(参議院議員/自民党 石油等資源・エネルギー調査会 事務局長)
随行者:秘書 市村 健
(2) .日程(詳細は別紙参照)
5/1(火)成田発 サンフランシスコ着
PG&E社・加州公益事業委員会(CPCU)訪問
5/2(水)(サクラメントへ移動)
ボーエン加州上院エネルギー公益事業委員会委員長表敬
スイート加州産業交通住宅庁長官表敬

ナカノ加州下院議員表敬
オルペザ加州下院議員表敬
加州水資源庁・加州ISO訪問
(ワシントンDCへ移動)
5/3(木)ワシントンDC着
米国連邦政府原子力コーカス(懇話会)・外交評議会にて講演

エネルギー省マグウッド原子力局長訪問
NEIファーテル上級副会長訪問
5/4(金)マコースキー上院議員表敬

ドメニチ上院議員表敬
柳井駐米大使表敬
在ワシントン日本人記者懇談会(朝日・読売・共同・時事・NHK)
東電・電事連訪問
5/5(土)ワシントンDC発
5/6(日)成田着
(3) .主なポイント
○米国原子力政策に大きな変化の兆しを感じた。
(1)1年前の訪問時と比較し、政権交代・加州電力危機の反省もあり、原子力にかける期待が高揚。
→例:"もっと原子力プラントの建設を"42%(99/10)<66%(01/3)by NEI調査
(2)4/30チェイニー副大統領によるトロントでの演説。
→石油・天然ガス・石炭と共に、原子力を増強し供給力を増やすべき。
(3)2001年原子力保証法(ドメニチ法案)
→「原子力発電の支持」「原子力新設の促進」「公平な扱いを保証」「廃棄物問題の解決」「NRC規制の改善」の"五本柱"。
→「使用済み燃料研究室」の設置を計画。
(4)2001年国家エネルギー安全保障法(マコースキー法案)
→エネルギー政策の基本は「安全保障」。供給力重視。
→が、原子力新設については、巨額な初期投資に耐えうる電力会社が不在の点を指摘(stranded cost化を懸念)。
(5)既設原子力プラントのパフォーマンスの改善。
→稼働率90%以上。原子力1.83¢<石炭2.07¢
(6)新設プラントの動き。
→ABWR・APWR・system80+の認可。マコースキー・ドメニチ両上院議員共に、柏崎刈羽プラントに高い評価。
→PBMRの機運。NEIの見通しでは、来年中にも四カ所で。
(7)第4世代原子炉(GIF)の一層の進展。
→昨年(2000年1月)訪問時に面会したモニッツDOE次官(当時)が検討。その後、先進9カ国での国際協力プランが具体化(核不拡散を前提に冷却材のタイプ別で)。特に、日本・フランスの原子力先進国に強い期待(逆に若干の焦りも)。
(8)日本の原子力政策・原子燃料サイクル政策に強い関心。
→原子力先進国として、フランス・日本との間に出来た八年間のギャップを埋めたい、との強い意志。
○ 米国のエネルギー政策は、環境対策にも一定の配慮を示すものの、安定供給・安全保障重視にシフト。
(1) 日本とはファンダメンタルズが異なり、国内資源が豊富。選択肢が広く、対外交渉力(政治力)が強い。
→「米国は規制緩和のゲームを楽しむゆとりがあるが、日本にはしっかりとした原子力計画があるだけで、ゲームを楽しむゆとりはないはず」(ワシントンDC)。
(2) エネルギー政策の基本では、電力危機にある加州とワシントンDCでは温度差あり。
→低価格が必須。生活に不可欠。値上げにアレルギー。そのためには供給力増を(ワシントンDC)
→「低価格実現」を目的に行った規制緩和・自由化は完全に失敗。今は「供給信頼性」が第一。電気は普通の商品ではない。(ボーエン加州上院エネルギー公益事業委員会委員長・ボトロッフPG&E副社長)
(3) エネルギーの安全保障策を推進すべき。イラン・イラク等ペルシャ湾岸依存へ危機感。ペルシャ湾岸の平和維持が大前提。
→「米国はサダムフセインから石油を輸入している。信じがたい。積極的な国内開発を(マコースキー上院議員)。」
(4) 環境適合性へのpriorityは低い。が、新しいポートフォリオ基準に意見の一致。
→ブッシュ新政権は京都議定書に反対。
→が、炭素分のより少ないソースにエネルギー供給をシフトさせる枠組作りには大きな関心。
→当方からのNFPS(Non-fossil Fuel Portfolio Standards・非化石燃料ポートフォリオ基準)提案に、面会者のほぼ全員が賛同。
→特にマコースキー上院議員は、「自分はEFPS(Emission Free Portfolio Standards)を提唱している。NFPSと同趣旨だ。協力して進めたい」旨の発言。
→一部有識者より、「米国は石炭大国。石炭業界にダメージを与える政策は実現が難しい。」「天然ガスへの燃料転換との整合性は。」との指摘も(ワシントンDC)。
→これに対し、当方より「NFPSは、NFを是とするのみならず、よりクリーンなテクノロジーへのシフト(天然ガスACC・クリーンコールテクノロジー)を促進する制度。」と回答。
○ 加州電力危機は、第一に「加州独自の制度設計上の欠陥」、第二に「電気という財の特性を見間違えた普遍的な欠陥」の複合原因による。そして、今後も見通しも楽観できない。
(1)「加州独自の制度設計上の欠陥」として、加州面談者全てが指摘したのは、
→既存電力会社の市場支配力を崩すために行った発電設備売却。
→三大電力に対するPXでの電力調達義務付け。
→stranded cost回収までの間の小売価格凍結(rate freeze policy)。
(2)wall streetを意識しすぎた電力会社にも経営戦略上の問題あり。
→発電設備売却により得た資金を元に自社株消却を実施。これによりROE向上を目論み。安定供給は無視。
(3)「電気という財の特性を見間違えた普遍的な欠陥」として、加州面談者全てが指摘したのは、
→電気は「生活に必需・代替困難・生産即消費・貯蔵困難・設備投資への長期リードタイム」の財。
→需要に対する価格弾力性が低いにも関わらず「自由化すれば価格が下がり供給が安定する」との思いこみがあった。
(4)供給の最終責任者が不在。「連帯責任は無責任」の典型。面会者の誰一人とも「供給責任者は自分だ」とは回答しなかった….根本は、発電設備分断・売却に伴う供給責任の無責任化にある、と実感した。
→「私たちは被害者。ISOの責任」(PG&E)
→「CPUCは規制当局。法律的にはISOだ。」(CPUCウッド委員)
→「自分は緊急避難的に調達しているだけ。最終的にはPG&E等の電力会社。」(ハート加州水資源局副長官)
→「自分は系統運用管理者。最終責任は電力会社。」(アバーナティー加州ISO副社長)
(5)一方、ワシントンの規制改革推進者(USTR)は、加州の電力危機原因を加州制度の特殊性に求め、日米双方で「全面自由化を求める」と発言。これに対し、当方は以下反論。
→「自由化の成果は市場参入者の数ではない。価格が下がったかどうか。日本はこの十年で約二割低減した。昨年10月だけで5.4%減。」
→「購買力平価(Purchasing Power Parity)の視点で比較すべき。」
→「総理府統計によると、日本の消費者がエネルギー政策に求めるのは、第一に環境適合性、第二に供給安定性。規制緩和による価格低減は、9項目中第7位だ。」
(6)今後の見通しも楽観視できない。数年間は供給力不足が続き、輪番停電(rolling blackout)は避けられない情勢。
→エイブラハムDOE長官は、ブッシュ大統領の命を受け、5月3日急遽加州に(3日面会予定だったが、上記事情によりキャンセル)。
→ブッシュ大統領は、州民に対し、約10%の省エネ努力を呼び掛けた。
→ボーエン加州上院エネルギー公益事業委員会委員長は、今後の対策として「天然ガス」「再生可能エネルギー」「省エネルギー」を指摘。特に、オンサイト電源を含めたDSMに期待。
→が、ワシントンでは省エネルギーに疑問の声。それよりも供給力増強、そのための規制緩和を、と主張。チェイニー副大統領は「省エネルギーは個人の美徳の問題であって、禁欲主義になってはならない」と発言。
→加州は、今後、送電線買収(SCEが同意、がPG&Eは不同意)とDWRによる電力調達のために、約100億ドルの州債を発行。この償還は、長期に渡り電気料金にて回収。
→政策の失敗のツケは、最終的には消費者に回された。
→加州における完全自由化は完全に失敗した。
目 次
ボトロッフPG&E社顧客サービス部長との会合……P/1
ウッドCPUC委員との会合……P/4
ボーエン加州上院議員エネルギー公益事業委員会委員長との会合……P/8
ハート加州水資源庁副長官との会合……P/12
アバナーティー加州ISO副社長との会合……P/17
ファーテルNEI上級副社長との会合……p/20
マグウッドDOE原子力科学技術局長との会合……p/23
マコースキー上院議員との会合……P/26
ドメニチ上院議員との会合……P/29
<自民党政調・エネルギー総合政策小委員会(委員長:甘利明代議士 事務局長:加納時男議員)における加納議員発言要旨>
日 時:平成13年3月22日(木)8:00-9:00
場 所:自民党本部704号室
要綱案は修正作業に入りつつある。もっと具体的に書くべきとか、理念をもっと明確に書くべきとか、色々な貴重なご意見を頂戴している。
一点、意見が分かれているのは「国民の責務」の箇所。「書くべき」 「書かなくてよい」両者のご意見を頂戴した。最終的にはどちらかに決 める訳だが、国民に強制することはできないものの、「趣旨を理解し
た上で協力する」程度の文言でまとめたい。市民主権を侵さないまで もパートナーシップを醸成するような表現にしたい。
自由化と公益的課題の調和は非常に重要。本文で書きこむのか、ある いは法律と解説書のような形にするのか。例えば、法律としては「政
策の基本法」として基本的なスタンスを明示したい。
次回は一週間空けさせていただく。第28回は4月5日に開催し、具体的 には「最終取りまとめ」の方向性をご相談申し上げたい。過日の要綱 案を修正したものを提出したい。それを下にフリートーキング。例に
よって、出来れば前日の4月4日までには、皆様のお手元に届けたい。
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